フランス人の英語
われわれ日本人が日本語的な発想で英語を考えて間違いを冒すように、フランス人もフランス語的な発想から英語を話して間違えるときがあります。
渡仏当初、フランス人がなぜこういった間違いをするのかわかりませんでしたが、フランス語を勉強するうちにその理由が分かるようになってきました。
「いまそこに行く。」というとき、
I arrive.というフランス人がいます。
フランス語のJ'arrive(ジャリーヴ).からそのまま英語にしてしまった間違い。
英語では
I will be right there.
I'm coming.
話すときにMeで始まることがあります。
Me, I take this.
フランス語では強調するためにMoiやtoiを最初に言って
Moi, je le prends. 「僕はこれをとります。」という言い方ができます。が英語では「私」を2回繰り返すように聞こえてしまいます。
「実際のところ,実は」、日常でよくつかう言葉ですが
In factと言い方を多用します。
仏語"en fait"からきていると思われます。In factは会話ではちょっとかたい印象をうけます。アメリカ人はこういうときActuallyを使います。
このactually、あまり意味のないときにも使われます。
Actually, I gonna go to the bathroom.
「ちょっとトイレに行ってくるわね」
時間を表すフランス語は英語とまったく違うのでフランス人は苦労するようです。
日付は英語では序数ですが仏語ではそのまま数字でいうので
例えば2月2日を
on February 2 (two)といってしまいます。
on February 2nd (second)と英語では序数に。
「今夜」を
this night
ce soir(ス・ソワール) ce (= this), soir (=night)からくる間違い。正しくはtonight
同様に「昨夜」last nightを
yesterday nightと言ってしまいます。
仏語の昨夜"hier soir(イエール・ソワール)" hier (=yesterday)から。
「人を紹介する」というとき、フランス人のなかに
I present you Mr. XXX.
という人がいます。フランス語では
Je te presente monsiour XXX,
presentはイギリス英語で「紹介する」という意味があるので間違いではないのですがアメリカ英語で「紹介する」はintroduceですね。
ただ実際はintroduceを使わず、アメリカ人は
Hi, this is John. 「やあ、ジョンを紹介するよ」みたいな感じで紹介することが多かったです。
ときにフランス人は
"determine ディターミン"「決定する、決める」を
ディターマインといいます。
謎ですが、フランス人に言わせると「その方が英語らしく聞こえるから」(?)だそうです。??
ちなみにフランス語で「決める」は
déterminer デテルミネ
最後に「フランス人は"h" の発音ができない」と言われていますが、最近の若い世代はたいていはちゃんとhの発音ができます。
渡仏当初、フランス人がなぜこういった間違いをするのかわかりませんでしたが、フランス語を勉強するうちにその理由が分かるようになってきました。
「いまそこに行く。」というとき、
I arrive.というフランス人がいます。
フランス語のJ'arrive(ジャリーヴ).からそのまま英語にしてしまった間違い。
英語では
I will be right there.
I'm coming.
話すときにMeで始まることがあります。
Me, I take this.
フランス語では強調するためにMoiやtoiを最初に言って
Moi, je le prends. 「僕はこれをとります。」という言い方ができます。が英語では「私」を2回繰り返すように聞こえてしまいます。
「実際のところ,実は」、日常でよくつかう言葉ですが
In factと言い方を多用します。
仏語"en fait"からきていると思われます。In factは会話ではちょっとかたい印象をうけます。アメリカ人はこういうときActuallyを使います。
このactually、あまり意味のないときにも使われます。
Actually, I gonna go to the bathroom.
「ちょっとトイレに行ってくるわね」
時間を表すフランス語は英語とまったく違うのでフランス人は苦労するようです。
日付は英語では序数ですが仏語ではそのまま数字でいうので
例えば2月2日を
on February 2 (two)といってしまいます。
on February 2nd (second)と英語では序数に。
「今夜」を
this night
ce soir(ス・ソワール) ce (= this), soir (=night)からくる間違い。正しくはtonight
同様に「昨夜」last nightを
yesterday nightと言ってしまいます。
仏語の昨夜"hier soir(イエール・ソワール)" hier (=yesterday)から。
「人を紹介する」というとき、フランス人のなかに
I present you Mr. XXX.
という人がいます。フランス語では
Je te presente monsiour XXX,
presentはイギリス英語で「紹介する」という意味があるので間違いではないのですがアメリカ英語で「紹介する」はintroduceですね。
ただ実際はintroduceを使わず、アメリカ人は
Hi, this is John. 「やあ、ジョンを紹介するよ」みたいな感じで紹介することが多かったです。
ときにフランス人は
"determine ディターミン"「決定する、決める」を
ディターマインといいます。
謎ですが、フランス人に言わせると「その方が英語らしく聞こえるから」(?)だそうです。??
ちなみにフランス語で「決める」は
déterminer デテルミネ
最後に「フランス人は"h" の発音ができない」と言われていますが、最近の若い世代はたいていはちゃんとhの発音ができます。
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COMMENTS
はじめまして
No title
すぐるさん、コメントありがとうございます。
固有名詞などもHは発音せずにたとえば「ハワイ(Hawaii)」は「アワイ」になります。ただしフランス国外から来た人の名前にHがある場合、その人のいる前では意識的にHを発音するフランス人もいます。
hourの件ですが、私の周りではみんなちゃんと「アワー」と言っていますね。フランス語でhourに相当するのはheure「ウール」で"h"は発音しないので間違いを冒しにくい単語の方だと思います。人によりけりだと思います。
フランス人がどうようにHの発音をしているかはわかりませんが、「th」がある単語の発音には苦労するようです。ついついつられてフランス語の発音になってしまいます。例えば"theater"を「テアター」と発音したりとか結構、彼らは間違えます。
固有名詞などもHは発音せずにたとえば「ハワイ(Hawaii)」は「アワイ」になります。ただしフランス国外から来た人の名前にHがある場合、その人のいる前では意識的にHを発音するフランス人もいます。
hourの件ですが、私の周りではみんなちゃんと「アワー」と言っていますね。フランス語でhourに相当するのはheure「ウール」で"h"は発音しないので間違いを冒しにくい単語の方だと思います。人によりけりだと思います。
フランス人がどうようにHの発音をしているかはわかりませんが、「th」がある単語の発音には苦労するようです。ついついつられてフランス語の発音になってしまいます。例えば"theater"を「テアター」と発音したりとか結構、彼らは間違えます。
No title
こんばんは。
一つ気になったことがあって、Monsieurは英語のMr.にあたると言われていますが、「Monsieur XXX」と苗字をつけて呼びかけるのは対等か目下の相手の場合で、目上の人に対しては単に「Monsieur」と呼ぶべきで、苗字をつけるのは良くないというのを本で読んだことがありますが本当なのでしょうか?
二人称についてですが、「Monsieur」または「Monsieur XXX」と呼びかけた時、vousではなくtuになることもあるんですか?
教えていただけたらありがたいです。
一つ気になったことがあって、Monsieurは英語のMr.にあたると言われていますが、「Monsieur XXX」と苗字をつけて呼びかけるのは対等か目下の相手の場合で、目上の人に対しては単に「Monsieur」と呼ぶべきで、苗字をつけるのは良くないというのを本で読んだことがありますが本当なのでしょうか?
二人称についてですが、「Monsieur」または「Monsieur XXX」と呼びかけた時、vousではなくtuになることもあるんですか?
教えていただけたらありがたいです。
No title
「Monsieur XXX」と苗字をつけて呼びかけるのは対等か目下の相手の場合で、目上の人に対しては単に「Monsieur」と呼ぶべきで、苗字をつけるのは良くないというのを本で読んだことがありますが本当なのでしょうか?
どういった本に書いてあったのしょうか?出典を教えていただけたら幸いです。
Mousieurはレストランのウェイターや顔見知りでない男性に対する呼びかけにも使われるので、通常は相手にはvousを使います。ただしパーティーなどすぐに打ち解けるような状況になるときはtuをいきなり使う人もいます。とくに若い人同士の会話などの場合ですが。
どういった本に書いてあったのしょうか?出典を教えていただけたら幸いです。
Mousieurはレストランのウェイターや顔見知りでない男性に対する呼びかけにも使われるので、通常は相手にはvousを使います。ただしパーティーなどすぐに打ち解けるような状況になるときはtuをいきなり使う人もいます。とくに若い人同士の会話などの場合ですが。
No title
最初に『やさしいフランス語カタコト会話帳』(すばる舎)で見ました。対等や目下の相手にはファーストネームで呼ぶのが普通のはずだし、目上の人に対してもファーストネームで呼ぶのも欧米社会ではよくあることなので、これを見て不思議に思いました。
『ジュネス仏和辞典』(大修館)でmonsieurという単語を引くと、「Monsieurの後に苗字を付けて呼ぶのは例えば窓口など他者と区別する必要がある場合や、上司が部下を呼ぶ時で、それ以外では苗字を付けないのがよいとされる。しかし、実際には多く使われている」とのことです。こういうのはフランス語独特みたいです。
私は大学でスペイン語を習いました。スペイン語の敬称「セニョール/セニョーラ/セニョリータ」も単独で使うパターンと苗字や名前を付けるパターンがありますが、両方とも基本的に目上の人や初対面の場合に使われ、対等以下に対しては呼び捨てが普通です。
あと、フランス語では手紙の書き出しで「Cher monsieur/Chere madame」とだけ書き、後ろに苗字をつける習慣がありませんね。イタリア語やスペイン語だと英語と同じように苗字まで書きますから、これもフランス語独特みたいです。
『ジュネス仏和辞典』(大修館)でmonsieurという単語を引くと、「Monsieurの後に苗字を付けて呼ぶのは例えば窓口など他者と区別する必要がある場合や、上司が部下を呼ぶ時で、それ以外では苗字を付けないのがよいとされる。しかし、実際には多く使われている」とのことです。こういうのはフランス語独特みたいです。
私は大学でスペイン語を習いました。スペイン語の敬称「セニョール/セニョーラ/セニョリータ」も単独で使うパターンと苗字や名前を付けるパターンがありますが、両方とも基本的に目上の人や初対面の場合に使われ、対等以下に対しては呼び捨てが普通です。
あと、フランス語では手紙の書き出しで「Cher monsieur/Chere madame」とだけ書き、後ろに苗字をつける習慣がありませんね。イタリア語やスペイン語だと英語と同じように苗字まで書きますから、これもフランス語独特みたいです。
No title
おっしゃる通り、アメリカでもフランスでも職場に置いてボスも同僚もファーストネームで呼び合います。名前を知らなければMonsieurと呼ばれ、名前を知っていればそのまま名前を呼ばれます。
ただしメールでは親しい間柄でなければ相手の名前を知っていてもMonsieurかMadameですね。なるべく相手の名前を書かない方がいいそうです。
cherについても書かれた通りで、cher + 名前かcher Monsieur/chère Madameの形でMonsieurのあとには苗字は入れません。
ただしメールでは親しい間柄でなければ相手の名前を知っていてもMonsieurかMadameですね。なるべく相手の名前を書かない方がいいそうです。
cherについても書かれた通りで、cher + 名前かcher Monsieur/chère Madameの形でMonsieurのあとには苗字は入れません。
No title
こんにちは。
Hの発音についてですが、ネットで調べたら、車のHondaはフランスでも「ホンダ」とHを発音している人もいるらしいです。
あと、『アルプスの少女ハイジ(Heidi)』のフランス語版の主題歌をずっと前テレビで聞いたことがあって、「ハイディ」とHの音が入っていたような気がしたので、YouTubeでフランス語版ハイジの歌を聞いてみたら、「ハイディ」とHを発音していました。一応これは原音のドイツ語の発音を使ったからだと思います。「Heidi」のHを発音するのはあくまでも歌だけで、普通は「アイディ」と発音するみたいです。
未来の話になりますが、300年後のフランス語は、外来語や外国の固有名詞のHは発音するようになっているという可能性もあるような気がします。
Hの発音についてですが、ネットで調べたら、車のHondaはフランスでも「ホンダ」とHを発音している人もいるらしいです。
あと、『アルプスの少女ハイジ(Heidi)』のフランス語版の主題歌をずっと前テレビで聞いたことがあって、「ハイディ」とHの音が入っていたような気がしたので、YouTubeでフランス語版ハイジの歌を聞いてみたら、「ハイディ」とHを発音していました。一応これは原音のドイツ語の発音を使ったからだと思います。「Heidi」のHを発音するのはあくまでも歌だけで、普通は「アイディ」と発音するみたいです。
未来の話になりますが、300年後のフランス語は、外来語や外国の固有名詞のHは発音するようになっているという可能性もあるような気がします。
No title
すぐるさん、コメントありがとうございます。
香港やハンガリーはHを発音しませんが、外国人の名前はHを発音する人もいます。Hがある新しい外来語は違う単語に置き換えられるか、そのまま発音するか状況に応じて変わってくるのでしょうね。
香港やハンガリーはHを発音しませんが、外国人の名前はHを発音する人もいます。Hがある新しい外来語は違う単語に置き換えられるか、そのまま発音するか状況に応じて変わってくるのでしょうね。
無音のH、有音のH
語頭では無音のH、有音のH(有音といってもつづりのH自体は発音しないですが)という区別がありますね。辞書では有音のHの単語にはそれを表す記号があって、傾向として外来語は「有音のH」が多く、英語からの外来語はほぼ「有音のH」です。「Hawaii」は無音のHなので、原語でHを発音するからといって必ずしも有音のHとなるわけではないみたいですね。「Hongkong」の場合は有音のHか無音のHかは人によって揺れるらしいですね。
「Heidi」はYouTubeのコメントの文脈(リエゾン、アンシェヌマンの関係)を見て、どうやら無音のHらしいです。歌では明らかにHの音が立っているにもかかわらず無音のHとは変な感じがしました。
「Heidi」はYouTubeのコメントの文脈(リエゾン、アンシェヌマンの関係)を見て、どうやら無音のHらしいです。歌では明らかにHの音が立っているにもかかわらず無音のHとは変な感じがしました。
No title
すぐるさん、コメントありがとうございます。
フランス語のサイトをちょっと見てみたのですが、HeidiのHは有音で扱っているものが圧倒的に多かったです。
推測ですが、Heidi Klumという有名な女優がいて、彼女についてはフランス語ではde Heidiやd'Heidiと有音と無音の区別があいまいに書かれていることが多く、その影響でHeidiに関するコメントも無音で表記する人がいるのではないでしょうか。
フランス語のサイトをちょっと見てみたのですが、HeidiのHは有音で扱っているものが圧倒的に多かったです。
推測ですが、Heidi Klumという有名な女優がいて、彼女についてはフランス語ではde Heidiやd'Heidiと有音と無音の区別があいまいに書かれていることが多く、その影響でHeidiに関するコメントも無音で表記する人がいるのではないでしょうか。
中国の地名は
こんにちは。
『ロワイヤル仏和中辞典』ではHainan, Huang He, Heilongjiang, Harbinなど中国の地名(香港以外)は発音記号に[h]が書かれてましたが、中国の地名の場合Hを発音するのでしょうか?
『ロワイヤル仏和中辞典』ではHainan, Huang He, Heilongjiang, Harbinなど中国の地名(香港以外)は発音記号に[h]が書かれてましたが、中国の地名の場合Hを発音するのでしょうか?
No title
すぐるさん、こんにちは。
外来の名前や地名は昔からあるものはHの発音をしませんが、新しい移民の名前や聞き慣れない都市ならHを発音するかもしれません。
ちょっとフランス人の友人に聞いてみます。
外来の名前や地名は昔からあるものはHの発音をしませんが、新しい移民の名前や聞き慣れない都市ならHを発音するかもしれません。
ちょっとフランス人の友人に聞いてみます。
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英語を話す時とは別に、フランス語の中の英語からの外来語では、仏和辞典の発音記号を見るとHは発音しないようですが(例えばhallはオール)、やはりそうなのでしょうか?
例外的にHを発音しない英単語でもHを発音してしまうこともあるそうですね。アメリカの医療問題を扱った記録映画『シッコ』で、フランス人がhourを「ハワー」って発音していました。
ネットで調べると、フランス人が話す英語のHの発音について、スペイン語のJみたいに喉の奥から出す発音だと言う人もいました。フランス語のR音の癖が入ってるんですかね。