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FOCUS

最近、2人ゲームをする機会が多くなり、フランスで評価が高い2人用ゲームを買うようになりました。その中で今年発売のゲームで変わった意味で注目したいゲーム、フォーカス(FOCUS)を紹介したいと思います。

Boite.jpg
同名の作品はいくつかありますが、こちらはOldchap社から出ている作品です。最近の2人用ゲームではコンプリス(Complice)などを出しています。

ちなみにフランス語でfocusに相当するのは
mettre au point (メットル オ ポワン)

協力型の2人用ゲームです。

一応設定ではワトソン博士が長い冬の夜を楽しめるようホームズのために発明したゲームとなっています。
ゲームはいくつかのモードに分かれていますがそれぞれシャーロックホームズにちなんだモード名となっています。

ルールを読むとまず練習モードのような説明から始まります。そしてこの練習モードをクリアすると実際のゲーム(シャーロックモード)をプレイしてもよいという流れになってます。

カードは証拠品カードと目印カードの2種類です。

準備

証拠品4枚のカードを横1列に並べ、その下に4x4の証拠品カードを並べます(下写真参照)。

mise en place

各プレイヤーは目印カードを受け取ります。相手に見せないように証拠品の位置を確認します。

Sherlock side
プレイヤーAの目印カード。

Watson side
プレイヤーBの目印カード。

証拠品
これは16枚の証拠品カードのうち自分のカードの位置を示しています。向きは上の4枚のカードの場所を基準にします。

今回、プレイヤーAは「双眼鏡」、プレイヤーBは「パイプ」になります。

ゲームの流れ

ゲーム中、2人のプレイヤーは会話することができません。
各プレイヤーは自分のカードがどれかを会話なしで相手にわかるようにプレイします。

このゲームではスタートプレイヤーを決めません。2人のうちいずれかが必ず上段にある4枚のうちどれかを自分の手元に持っていきます。

これ以降は交互にプレイし、1枚ずつカードを取って自分の手元に配置します。上段のカードあるいは4x4の16枚カードどれをとっても構いません。

勝利

相手と自分のカードが最後まで残ったら勝利。次のシャーロックモードに進みます。

敗北

途中で相手のカードを取ってしまったら即敗北。

プレイ例

premier jeu
プレイヤーBの証拠品カードは「パイプ」。煙をイメージさせる機関車のカードをプレイヤーBは上の4枚のカードの中から選びました。

tour de sherlock
プレイヤーAはこの時点でプレイヤーBのカードが「パイプ」か「葉巻」なのではと考えます。「乗り物」をイメージさせたい「ヨット」の可能性も考慮しておきます。これらのカードを取らないようにしてほかのカードを見て、「双眼鏡」をイメージさせるカードとして「月」のカードをとります(実際は月を観るなら望遠鏡を使うところですが...)。

2eme tour de watson
プレイヤーBは相手が自分のカードを「葉巻」か「パイプ」か悩んでいるだろうと考え、「葉巻」を取って候補から外します。
ちなみに初手で「葉巻」のカードを取ることはできません。初手は必ず上の4枚のカードのうちどれかから選ばなければならないので「葉巻」カードの回収は後回しになりました。

2eme tour de sherlock
プレイヤーAはバードウォッチングをイメージしてほしいという目的で「鳥の巣」のカードを取りました。

jeu en cours
カードが少なくなるとほぼこじつけに近い感じでカードを回収する感じになっていきます。この時点で相手にカードがわかってもらえればしめたもの。

Vous avez gagne!
見事に最後までお互いのカードを回収せずに残りました!!。。。。。と、ここからが本番です。

シャーロックモード

準備は上の練習モードと一緒です。

違いは

プレイ途中で相手の証拠品カードがわかったら手番に関係なく手を挙げてお互いのカードがわかったかの判定を相手に提案します。

相手がこちらのカードがまだわからず、拒否した場合はそのまま続行します。この後提案する権利は相手しかできません。

相手が了承した場合、合図で相手の証拠品(と思われる)カードを同時に指さします。

両方正解の場合

場に残ったカード(上段のカードも含む)の枚数が得点

一人だけ正解した場合

場に残ったカード(上段のカードも含む)の枚数÷2(端数切捨て)が得点

どちらも間違えた場合

0点

3回プレイして合計点を出します。獲得得点により5段階の評価が下されます。
もし40点を超えたなら別のモード(マイクロフトモード)に挑戦できます。

これ以外に特定のカードの組み合わせを使った「ハドソン夫人」などがあります。

所感

初めてルールを読んだときは「え、これ無理ゲーでは?」という気持ちになりました。あまりにシンプルすぎるルールというか、これほど極限までにそぎ落としたルールでゲームが成立するのか。。。というのが正直な感想でした。

良くも悪くもフランスらしいといえますが、これほどまでに「フランスのゲーム」を感じさせ、これほどプレイヤーの感性任せのゲームはあまり見たことがありません。

カードゲーム、サンドウィッチもそんなところはありますが、あちらはそもそもパーティーのりでOKで会話しまくりのゲームなのでどういう展開になってもゲームとして楽しく成立しています。

このゲームは会話ができないため、ゲームを始めるにはとにかく最初の上にある4枚のどれかを取るのですがカード構成によってはお互いに取れない状況になることは容易に想像できます。

なんとか最初のカードを取って相手に自分のカードをそれとなく暗示できたとしても場にあるカードがなくなっていくと必ず自分のカードとはまったく関係のないカードが残っていきます。そこでカードを取った時、「これはもう関係ないカードだからとりあえず除いておくね」とは言えません。

それゆえ自分が取っていったカードのどこからが関係のないカードなのか相手がわからないと、もう相手は混乱するしかないわけです。
これはカオスになること必至。

それでこのゲームを実際にフランス人がプレイしている動画を見てみました。やはりうまくいくときと行かないときがありますがいずれにせよ楽しそうにプレイしています。

実際のところどうなのか、試しにフタリゲーム会でテストプレイしてもらいました。

何人かの人にプレイしてもらいましたが、やはりゲームの難易度はカード構成に大きく依存します。

上のプレイ例では比較的わかりやすいカード構成ですが、たまに全く無理だろうというカード構成に出くわします。

プレイ風景2
いやこれはプレイしているプレイヤーに申し訳ないなーと思っていたらどうしてどうして皆さん意外な方法でヒントを出し、相手も「なるほど」とカードを予想していきます。経験豊富なゲーマーというのは極限のルールに絞り込まれてもアイデアを捻出できるものなのだと感心しました。

よく考えたらこういった絵柄で連想させるゲームはすでに多く出ていて「ディクシット」、「ミステリウム」、「シャドウズアムステルダム」「ピクチャーズ(広い意味で)」など会話をせず絵柄だけで相手に伝えるゲームをプレイしてきた人たちには突破口をなんとかして見つけてしまうようです。うまい人だと最初の1枚目で相手がわかってしまうほどです。

プレイ風景3
最初に取るべきカードが全く思いつかないときは二人とも膠着状態になるのですが、この間を見て相応しいカードがお互いにないと判断し、時間のかかり具合でどれほど程遠いのかが判断できてしまうようです。そういえば「ザ・マインド」もそういうゲームでした。。。

また周りの人たちも2人の証拠品カードがどれかを予想するという思わぬ楽しみ方をしていました。カード右下には数字が書かれているので周りの人が紙に予想したカードの数字を書いてお互い合っているか笑いながら楽しんでいました。ゲームの外からゲームを楽しむゲーマーがいるとさらにゲームは楽しくなります。

フランス人がこのゲームをプレイしている動画を見るとこういった難易度の高い状況になった時はおたがいアドリブで楽しんでいるようです。失敗した場合でも自分の意図していたことを相手に説明してそこでの考え方の違いの落差にお互い笑いが起こります。苦境になっても楽しくする雰囲気作りはフランス人はお得意です。
この雰囲気(ambiance アンビヤーンス)こそが、フランス人がゲームを評価する上で重要な要素なのでこのゲームがフランスで人気がある理由がわかります。

まとめ


プレイ風景1
このゲームをどれだけ楽しめるか否かはもうプレイヤーの感性次第。
サンドウィッチが好きな人なら間違いなくおすすめ。
サンドウィッチをプレイしたことがなくてもアドリブが大好きな人なら楽しめるでしょう。シンプルゆえに楽しみ方もいろいろ。
普通に二人ゲームとして楽しんでもよし、周りも一緒に予想に加わって楽しむのもよし、はたまた誰がベストペアか総当たりで遊んで「どのペアがお互いを知っているか」を知るのもよしです。
2人用ゲームですがシンプルなルールゆえ友人同士のパーティーや家族でも十分楽しめます。

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