ロビーワン
2020年になりました。
去年を振り返ってみてフランスのボードゲーム事情も変わってきたようです。
フランスでは定評のあるパーティーゲームが豊富です。従来はパーティーゲームは毎年、山のように出てそのなかでもとくに面白い物はトリックトラックでも高い評価を得てきました。
しかし昨今、そういったパーティーゲームよりやや重いゲームが高い評価を得る傾向が強くなってきた感じがします。
また日本におけるフランスのボードゲーム事情も変わってきたようです。
パーティーゲームの中には言語に大きく依存するもの、依存しないものと多々あります。ただ当ブログではたとえ面白くても言語依存するゲームは取り上げてきませんでした。
しかし昨今、言語依存するが評判のいいフランスゲームは和訳されて日本に入ってくるようになりました。フランスのゲームが日本でより身近になってきたと言えます。
とくに前評判の高いフランスのゲームはエッセン等で紹介されるともうすぐに日本に入ってくるようになってきました。
そういった意味で当ブログも新しいフランスのボードゲームを紹介する機会が減ってきました。
とは言え日本には入っていないフランスのゲームはまだまだあるのでそういったゲームを機会を見つけて紹介し続ければと思っています。

というわけで今回はジュソックで❤の評価を得たパーティーゲーム、ロビーワンを紹介したいと思います。
このゲームは3つのモード(協力、対戦、団体戦)が楽しめるようになっています。ここではそのうち、対戦モードについて説明します。
注:3人から12人まで遊べると表記されていますが説明書を何度読み直してもプレイできるのは6人まで。12人でプレイするには2箱必要になります。
概要
皆さんはロボットです。ロボットを製造するロボットです。その製造の仕方を命令するのもロボットです。そう、ロボットがロボットに命令し、ロボットを製造するのです。ロボット故に話すことはできません。(ただし笑うことはOK!!)
コンポーネント
材料カード

ロボットを造る部位は「頭」「腕」「脚」からなり、それぞれ背景が青、緑、茶色になります。カード両面それぞれ違う部位になっています。
頭は帽子、目、口
腕はレンチ、ドライバー、トンカチ
脚は車輪、バネ、靴
のパーツで構成されます。

各材料カードはこの3つのパーツのうち、2つで構成されます。
また材料カードには枠に囲まれた図柄が2つあります。これは裏面のカードを構成するパーツを表しています。つまりこの枠を見ることで裏面の部位とそれを構成するパーツがわかります。

左上はドライバーとトンカチで構成された腕のパーツですが車輪と靴が枠に描かれています。つまり裏面(右上)は車輪と靴で構成された脚のパーツとわかります。

プレイヤーの製造ボード。このボードにカードを配置していきます。
目的カード

この目的カードに示されたパーツをもつ材料カードを正しく配置します。
材料カードは2つのパーツで構成されますが必要なパーツが含まれていれば他のパーツが入っていても構いません。また腕や脚に関して目的カードに描かれたパーツの位置(右、中央、左)は気にしなくて構いません。

左下の目的カードに基づいた完成形。
準備
テーブルの周り、両隣のプレイヤーに触れる距離に座る。円形のテーブルが望ましいが長方形でもあまり支障ありません。

五角形のスクラップボードを中央に置き、その各辺に材料カードを配置する。ボードの上にロビーワン(ROBBY ONE)とロビーツー(ROBBY TWO)のトークンを置く
各自製造カードを自分の正面に配置する。目的カードを裏向きで受け取る。
ゲームの流れ
対戦モードは2ラウンドで構成されます。
3、2、1の合図で各自左手に持った目的カードを同時に見て第1ラウンド開始。
注:目的カードを右隣の人に見えるように置いてはいけません。
目的カードに描かれたパーツのカードを右隣の人に取ってもらい自分のロボットを完成させます。。。

目の前にあるパーツは自分で取って自分のロボットを製造することはできません。右隣の人に必要なパーツを伝え、そのパーツを取ってもらいそして必要な場所に配置してもらいます。
プレイヤーはロボットなので話すことはできません。必要なパーツを伝えるために下記に示すようにカードの横の数字の回数分、刺激を送ります。
脚のパーツは右足で右隣の人の左足を必要な回数分軽く叩きます。
腕のパーツは右手で右隣の人の左腕を必要な回数分軽く叩きます。
頭のパーツは右手で右隣の人の左肩を触り、必要な回数分ウインクします(あるいは頭を振ります)*。
*頭を振るよりもウインクのほうが圧倒的に受けます。

たとえば上の写真の場合、3に配置された脚のカードを取ってほしい場合、隣の人の足に3回、刺激を送ります(相手の左足を3回、軽く叩く)。
場の材料カードを裏返す
裏側に描いてある部位とパーツは2枠の図柄でわかります。カードの表側ではなく裏側が欲しいパーツの場合はカードの裏側の部位の伝達方法で相手にシグナルを送ります。

たとえば上の写真で左隣のプレイヤーが自分の腕を5回叩いた場合。。。。
「え?脚のパーツなのになんで腕を叩くの?」となりますが「ああ、そういうことか!」ということでこれを裏返してから配置するわけです。
ちなみにこのルールを説明するとほぼ「うわー、ムズー(^_^;)」という反応が返ってきます。
もし隣のプレイヤーが置き間違えた場合
そのカードを指で叩いて右隣の人に知らせ山札に戻させます。
山札の1つが無くなった場合
他の山札から分けて補充します。
ラウンドの終了
最初に自分のロボットが完成したら、「ロビーワン!」と宣言し、ROBBY ONEのトークンを取ります。次に自分のロボットが完成したプレイヤーは「ロビーツー」と宣言してROBBY TWOのトークンを取り、ラウンドは終了します。
得点計算
最初に、ROBBY TWOのトークンを取ったプレイヤーから目的カードと参照し、
正解していれば
自分のロボットが完成したプレイヤーとそのロボットを完成させたプレイヤーに1点ずつ入ります。
もし間違っていた場合
他のプレイヤーに1点ずつ入ります。
次に、ROBBY ONEのトークンを取ったプレイヤーが目的カードと参照し、
正解していれば
自分のロボットが完成したプレイヤーとそのロボットを完成させたプレイヤーに2点ずつ入ります。
もし間違っていた場合
他のプレイヤーに2点ずつ入ります。
第2ラウンドは逆に左隣のプレイヤーに自分のロボットを完成させてもらいます。
得点計算は第1ラウンドと同様にしますが、
ROBBY TWOについては2点
ROBBY ONEについては3点になります。
間違えた場合は上記と同様に他のプレイヤーに相応の点が入ります。
2ラウンドを終えて一番点の高いプレイヤーが勝ち。同点の場合は第2ラウンドでもっとも点を多く取ったプレイヤーの勝ち。
所感

まずスクラップボードに描かれた数字の順番が時計回りでも反時計回りでもなくランダムなのが憎らしい(^_^;)。2の隣は1でも3でもありません。
会話禁止のゲームはすでに多くありますが、このゲームはその伝達の方法がユニークかつリアルタイムで進むのが特徴です。自分の目的カードをみて右隣の人にシグナルを伝えるのはすぐできますが、同時に左隣の人から頼まれるわけです。リアルタイムで進むので相手にうまく情報が伝わってカードを取ろうとした瞬間、他のプレイヤーにそのカードを取られてしまって「あー、また考え直し!」ということがよく起こります。
最初はどうしても自分のロボットのために右隣のプレイヤーにシグナルを送り続けて、左隣のプレイヤーからのシグナルに対しておろそかになってしまいます。しかし自分のロボットを完成してもらい、かつ隣の人のロボットを完成させれば2回得点が入ります。自分勝手なプレイでは勝利は遠くなります。
また頭部のパーツは相手の肩を触って伝えるのですが、相手が自分のロボットを造らせることに夢中でなかなか気づいてくれないことがあります。ひとりむなしくウインクの空振りや頭をひたすら振り続ける様子は周りが見ていても笑えます。さらにパニックになると「頭部」のパーツを報せるのに隣の人の肩ではなく、頭を叩き出す人が出てきます。会話してはいけないのに笑いはずっと起き続けます。
まとめ

フランスでは毎年のようにパーティーゲームが出ていますが、その多くがテキストが書かれたカードなどを使ったゲームで言語依存します。それゆえフランス国外に販売されるのは英語版などが出てからというケースが多いです。このゲームは言語依存せずにまたユニークな発想で伝達するという点でパーティーゲームの宝庫、フランスの面目躍如といったところでしょうか。
リアルタイムで会話がなくボディータッチするため、ヘビーゲーマー同士やオープン会で知らない人とプレイする場合は反応が微妙かもしれないですが、知り合い同士でプレイするとプレイする人も周りも盛り上がります。このロビーワンはとくに家族でぜひプレイをお薦めしたいゲームの1つです。
去年を振り返ってみてフランスのボードゲーム事情も変わってきたようです。
フランスでは定評のあるパーティーゲームが豊富です。従来はパーティーゲームは毎年、山のように出てそのなかでもとくに面白い物はトリックトラックでも高い評価を得てきました。
しかし昨今、そういったパーティーゲームよりやや重いゲームが高い評価を得る傾向が強くなってきた感じがします。
また日本におけるフランスのボードゲーム事情も変わってきたようです。
パーティーゲームの中には言語に大きく依存するもの、依存しないものと多々あります。ただ当ブログではたとえ面白くても言語依存するゲームは取り上げてきませんでした。
しかし昨今、言語依存するが評判のいいフランスゲームは和訳されて日本に入ってくるようになりました。フランスのゲームが日本でより身近になってきたと言えます。
とくに前評判の高いフランスのゲームはエッセン等で紹介されるともうすぐに日本に入ってくるようになってきました。
そういった意味で当ブログも新しいフランスのボードゲームを紹介する機会が減ってきました。
とは言え日本には入っていないフランスのゲームはまだまだあるのでそういったゲームを機会を見つけて紹介し続ければと思っています。

というわけで今回はジュソックで❤の評価を得たパーティーゲーム、ロビーワンを紹介したいと思います。
このゲームは3つのモード(協力、対戦、団体戦)が楽しめるようになっています。ここではそのうち、対戦モードについて説明します。
注:3人から12人まで遊べると表記されていますが説明書を何度読み直してもプレイできるのは6人まで。12人でプレイするには2箱必要になります。
概要
皆さんはロボットです。ロボットを製造するロボットです。その製造の仕方を命令するのもロボットです。そう、ロボットがロボットに命令し、ロボットを製造するのです。ロボット故に話すことはできません。(ただし笑うことはOK!!)
コンポーネント
材料カード

ロボットを造る部位は「頭」「腕」「脚」からなり、それぞれ背景が青、緑、茶色になります。カード両面それぞれ違う部位になっています。
頭は帽子、目、口
腕はレンチ、ドライバー、トンカチ
脚は車輪、バネ、靴
のパーツで構成されます。

各材料カードはこの3つのパーツのうち、2つで構成されます。
また材料カードには枠に囲まれた図柄が2つあります。これは裏面のカードを構成するパーツを表しています。つまりこの枠を見ることで裏面の部位とそれを構成するパーツがわかります。


左上はドライバーとトンカチで構成された腕のパーツですが車輪と靴が枠に描かれています。つまり裏面(右上)は車輪と靴で構成された脚のパーツとわかります。

プレイヤーの製造ボード。このボードにカードを配置していきます。
目的カード

この目的カードに示されたパーツをもつ材料カードを正しく配置します。
材料カードは2つのパーツで構成されますが必要なパーツが含まれていれば他のパーツが入っていても構いません。また腕や脚に関して目的カードに描かれたパーツの位置(右、中央、左)は気にしなくて構いません。

左下の目的カードに基づいた完成形。
準備
テーブルの周り、両隣のプレイヤーに触れる距離に座る。円形のテーブルが望ましいが長方形でもあまり支障ありません。

五角形のスクラップボードを中央に置き、その各辺に材料カードを配置する。ボードの上にロビーワン(ROBBY ONE)とロビーツー(ROBBY TWO)のトークンを置く
各自製造カードを自分の正面に配置する。目的カードを裏向きで受け取る。
ゲームの流れ
対戦モードは2ラウンドで構成されます。
3、2、1の合図で各自左手に持った目的カードを同時に見て第1ラウンド開始。
注:目的カードを右隣の人に見えるように置いてはいけません。
目的カードに描かれたパーツのカードを右隣の人に取ってもらい自分のロボットを完成させます。。。

目の前にあるパーツは自分で取って自分のロボットを製造することはできません。右隣の人に必要なパーツを伝え、そのパーツを取ってもらいそして必要な場所に配置してもらいます。
プレイヤーはロボットなので話すことはできません。必要なパーツを伝えるために下記に示すようにカードの横の数字の回数分、刺激を送ります。
脚のパーツは右足で右隣の人の左足を必要な回数分軽く叩きます。
腕のパーツは右手で右隣の人の左腕を必要な回数分軽く叩きます。
頭のパーツは右手で右隣の人の左肩を触り、必要な回数分ウインクします(あるいは頭を振ります)*。
*頭を振るよりもウインクのほうが圧倒的に受けます。

たとえば上の写真の場合、3に配置された脚のカードを取ってほしい場合、隣の人の足に3回、刺激を送ります(相手の左足を3回、軽く叩く)。
場の材料カードを裏返す
裏側に描いてある部位とパーツは2枠の図柄でわかります。カードの表側ではなく裏側が欲しいパーツの場合はカードの裏側の部位の伝達方法で相手にシグナルを送ります。

たとえば上の写真で左隣のプレイヤーが自分の腕を5回叩いた場合。。。。
「え?脚のパーツなのになんで腕を叩くの?」となりますが「ああ、そういうことか!」ということでこれを裏返してから配置するわけです。
ちなみにこのルールを説明するとほぼ「うわー、ムズー(^_^;)」という反応が返ってきます。
もし隣のプレイヤーが置き間違えた場合
そのカードを指で叩いて右隣の人に知らせ山札に戻させます。
山札の1つが無くなった場合
他の山札から分けて補充します。
ラウンドの終了
最初に自分のロボットが完成したら、「ロビーワン!」と宣言し、ROBBY ONEのトークンを取ります。次に自分のロボットが完成したプレイヤーは「ロビーツー」と宣言してROBBY TWOのトークンを取り、ラウンドは終了します。
得点計算
最初に、ROBBY TWOのトークンを取ったプレイヤーから目的カードと参照し、
正解していれば
自分のロボットが完成したプレイヤーとそのロボットを完成させたプレイヤーに1点ずつ入ります。
もし間違っていた場合
他のプレイヤーに1点ずつ入ります。
次に、ROBBY ONEのトークンを取ったプレイヤーが目的カードと参照し、
正解していれば
自分のロボットが完成したプレイヤーとそのロボットを完成させたプレイヤーに2点ずつ入ります。
もし間違っていた場合
他のプレイヤーに2点ずつ入ります。
第2ラウンドは逆に左隣のプレイヤーに自分のロボットを完成させてもらいます。
得点計算は第1ラウンドと同様にしますが、
ROBBY TWOについては2点
ROBBY ONEについては3点になります。
間違えた場合は上記と同様に他のプレイヤーに相応の点が入ります。
2ラウンドを終えて一番点の高いプレイヤーが勝ち。同点の場合は第2ラウンドでもっとも点を多く取ったプレイヤーの勝ち。
所感

まずスクラップボードに描かれた数字の順番が時計回りでも反時計回りでもなくランダムなのが憎らしい(^_^;)。2の隣は1でも3でもありません。
会話禁止のゲームはすでに多くありますが、このゲームはその伝達の方法がユニークかつリアルタイムで進むのが特徴です。自分の目的カードをみて右隣の人にシグナルを伝えるのはすぐできますが、同時に左隣の人から頼まれるわけです。リアルタイムで進むので相手にうまく情報が伝わってカードを取ろうとした瞬間、他のプレイヤーにそのカードを取られてしまって「あー、また考え直し!」ということがよく起こります。
最初はどうしても自分のロボットのために右隣のプレイヤーにシグナルを送り続けて、左隣のプレイヤーからのシグナルに対しておろそかになってしまいます。しかし自分のロボットを完成してもらい、かつ隣の人のロボットを完成させれば2回得点が入ります。自分勝手なプレイでは勝利は遠くなります。
また頭部のパーツは相手の肩を触って伝えるのですが、相手が自分のロボットを造らせることに夢中でなかなか気づいてくれないことがあります。ひとりむなしくウインクの空振りや頭をひたすら振り続ける様子は周りが見ていても笑えます。さらにパニックになると「頭部」のパーツを報せるのに隣の人の肩ではなく、頭を叩き出す人が出てきます。会話してはいけないのに笑いはずっと起き続けます。
まとめ

フランスでは毎年のようにパーティーゲームが出ていますが、その多くがテキストが書かれたカードなどを使ったゲームで言語依存します。それゆえフランス国外に販売されるのは英語版などが出てからというケースが多いです。このゲームは言語依存せずにまたユニークな発想で伝達するという点でパーティーゲームの宝庫、フランスの面目躍如といったところでしょうか。
リアルタイムで会話がなくボディータッチするため、ヘビーゲーマー同士やオープン会で知らない人とプレイする場合は反応が微妙かもしれないですが、知り合い同士でプレイするとプレイする人も周りも盛り上がります。このロビーワンはとくに家族でぜひプレイをお薦めしたいゲームの1つです。
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