お別れボードゲームパーティー
自分を含め、パリを離れる人のためのお別れボードゲームパーティーに招待されました。
会を主催したのはアメリカ人の女性。場所はイタリア人のアパート。招待された人はみんなボードゲーマーです。
当然のごとく(?)食事の前にゲーム。

最初にプレイしたのはクニッツァの略奪(Loot)。

商船を海に出し、海賊から守りながら無事に目的地にたどり着くことを目指すのがテーマのカードゲーム。

使用するカードは金が描かれた商船と色分けされた海賊船のカード、そしてその色に対応したキャプテン。
場に出された商船のカードに海賊船のカードを出すことで商船を襲います。他の海賊(他のプレイヤー)も同じ商船を襲うことができますが、違う色のカードの海賊船でなければいけません。海賊の強さはカードのドクロの数の合計で決まります。自分の手番まで一番強い状態だったらその商船を自分のものにすることができます。なぜか自分が場に出した商船も自分の出した海賊船のカードで襲うことができます。
獲得した商船のカードに描かれた金の数が得点になるので金の数の多い商船が狙われやすくなります。
自分も商船のカードを場に置くこともあるのでまわりの状況を見つつ、おとりの商船を出して他のプレイヤーに強い海賊船のカードを出させて、後から価値の高い商船を出すという駆け引きも起こります。
ボードゲーマーが塩野七生著の「ローマ亡き後の地中海世界」を読めばとサラセンの海賊とヨーロッパ世界を舞台にしたゲームを作りたくなるかもしれません。中世の地中海世界を知っていたならクニッツァもやはり同じような気になったでしょうか?しかしボードゲームにしてしまうといろいろと支障が生じるでしょう。このカードゲームでは海賊のテーマは維持しつつも歴史的な背景はほとんど感じないようになっています。
食事が終わってプレイしたのは将軍(Shogun)。名前は知っていましたがプレイするのは初めてです。

イタリア人から「ダイスを使わないリスク(Risk)だ」と説明されました。16世紀の日本を舞台に勢力争いをします。
ゲームで使用するキャラクターは武田信玄、徳川家康など実在した人物。
自分が担当するのは羽柴秀吉。でもゲーム開始時は信濃を支配することになりました。信玄を担当するイタリア人からブーイング。
自分の支配する地に兵隊を配置し、さまざまなアクションを実行します。選択肢がいくつもあり、年貢を取って米やお金を摂取する、城や神社を建てるなどアクションがあります。どの支配地域にそれぞれのアクションを割り当てるか秘密裏に決めます。年貢を徴収するとその地の農民の不満がたまります。不満が爆発すると一揆が起こります。もちろん他のプレイヤーとの戦争も起こります。
一揆や戦争が起こると戦闘に参加した駒をダイスタワーみたいなものにいれて勝敗を決めます。入れたものが全部出てくるわけでなくいくつかは中にトラップされて出てきません。したがって前の戦争で中に残っていた駒が出てきたりして予想できないことも起こります。
領土を拡げても、住民に食料を提供することができなければ一揆が起こったりと内政もしっかりしなければいけません。一手のミスでその後、ずっと苦境に陥ることもあり緊張したゲーム展開になります。
戦争で領土を拡大するだけでなく、自分の支配地をしっかりと治めることができなければ自滅するというのは、リスクとは大きな違いだと思うのですがなかなか興味深いゲームでした。
またこのゲーム、英語、イタリア語などだけでなく日本語のルールブックまで入っており、驚きました。

他の人たちはK2をプレイしていました。
この後、予期もしないことが起こりました。

このイタリア人のアパートには畳が敷いてありました。それだけでも驚きですが、なんと将棋も持っていました。そんな彼から勝負を挑まれました。
将棋はもう10年以上やっていません。アメリカやフランスではする機会はおろか知ってる人すらほとんどいませんでしたから。基本的な戦法すら記憶の彼方の状態になっていました。
とはいえ日本人としてここは簡単に負けるわけにはいきません。とりあえず矢倉を組んで様子を見ることに。。と思ったら向こうも矢倉を組んできました。さらに雀刺し!!
どうみてもルールと駒の動きだけ知っているイタリア人ではありません。
結局、向こうのミスで勝つことはできましたが、正直、驚きを通り越してかなり焦りました。また焦った反面、うれしくもありました。

本棚を覗くとなんと日本語の将棋本がいっぱい。道理で。


彼は私以上に日本人かもしれません。
しかし私が驚いたのはこれだけではありませんでした。

「見せたいものがある」といって彼が取り出したのは「どうぶつしょうぎ」。実物を見るのはこれが初めてです。

ひよこの「歩」。

裏返るとニワトリになった「と金」。確かに理屈に適っています。

ここまでそろえているのならもしやとは思いましたが。。。

やはり持っていました。「おおきな森のどうぶつしょうぎ」。

左から香車、桂馬、銀、角、飛車。ちなみに金は犬のイラスト。

裏返して成った駒の図。なぜかえさを食べています。

駒を見て興味を持ったアメリカ人の男性。イタリア人と対局することになりました。

フランスはパリでアメリカ人とイタリア人が「どうぶつしょうぎ」を指す姿を誰が想像したでしょう。
この後はゲームをせず、皆でゲーム談義をして別れの挨拶をしました。
ルールさえわかれば言葉や文化の壁を通り越して皆で楽しめるボードゲーム。今回もそれを実感した日でした。
なんだか日本に関係したゲームばかりして複雑な心境になりましたが、いつかどこかで彼らとまたゲームをできる日があれば、そう思いながら帰途につきました。
会を主催したのはアメリカ人の女性。場所はイタリア人のアパート。招待された人はみんなボードゲーマーです。
当然のごとく(?)食事の前にゲーム。

最初にプレイしたのはクニッツァの略奪(Loot)。

商船を海に出し、海賊から守りながら無事に目的地にたどり着くことを目指すのがテーマのカードゲーム。

使用するカードは金が描かれた商船と色分けされた海賊船のカード、そしてその色に対応したキャプテン。
場に出された商船のカードに海賊船のカードを出すことで商船を襲います。他の海賊(他のプレイヤー)も同じ商船を襲うことができますが、違う色のカードの海賊船でなければいけません。海賊の強さはカードのドクロの数の合計で決まります。自分の手番まで一番強い状態だったらその商船を自分のものにすることができます。なぜか自分が場に出した商船も自分の出した海賊船のカードで襲うことができます。
獲得した商船のカードに描かれた金の数が得点になるので金の数の多い商船が狙われやすくなります。
自分も商船のカードを場に置くこともあるのでまわりの状況を見つつ、おとりの商船を出して他のプレイヤーに強い海賊船のカードを出させて、後から価値の高い商船を出すという駆け引きも起こります。
ボードゲーマーが塩野七生著の「ローマ亡き後の地中海世界」を読めばとサラセンの海賊とヨーロッパ世界を舞台にしたゲームを作りたくなるかもしれません。中世の地中海世界を知っていたならクニッツァもやはり同じような気になったでしょうか?しかしボードゲームにしてしまうといろいろと支障が生じるでしょう。このカードゲームでは海賊のテーマは維持しつつも歴史的な背景はほとんど感じないようになっています。
食事が終わってプレイしたのは将軍(Shogun)。名前は知っていましたがプレイするのは初めてです。

イタリア人から「ダイスを使わないリスク(Risk)だ」と説明されました。16世紀の日本を舞台に勢力争いをします。
ゲームで使用するキャラクターは武田信玄、徳川家康など実在した人物。
自分が担当するのは羽柴秀吉。でもゲーム開始時は信濃を支配することになりました。信玄を担当するイタリア人からブーイング。
自分の支配する地に兵隊を配置し、さまざまなアクションを実行します。選択肢がいくつもあり、年貢を取って米やお金を摂取する、城や神社を建てるなどアクションがあります。どの支配地域にそれぞれのアクションを割り当てるか秘密裏に決めます。年貢を徴収するとその地の農民の不満がたまります。不満が爆発すると一揆が起こります。もちろん他のプレイヤーとの戦争も起こります。
一揆や戦争が起こると戦闘に参加した駒をダイスタワーみたいなものにいれて勝敗を決めます。入れたものが全部出てくるわけでなくいくつかは中にトラップされて出てきません。したがって前の戦争で中に残っていた駒が出てきたりして予想できないことも起こります。
領土を拡げても、住民に食料を提供することができなければ一揆が起こったりと内政もしっかりしなければいけません。一手のミスでその後、ずっと苦境に陥ることもあり緊張したゲーム展開になります。
戦争で領土を拡大するだけでなく、自分の支配地をしっかりと治めることができなければ自滅するというのは、リスクとは大きな違いだと思うのですがなかなか興味深いゲームでした。
またこのゲーム、英語、イタリア語などだけでなく日本語のルールブックまで入っており、驚きました。

他の人たちはK2をプレイしていました。
この後、予期もしないことが起こりました。

このイタリア人のアパートには畳が敷いてありました。それだけでも驚きですが、なんと将棋も持っていました。そんな彼から勝負を挑まれました。
将棋はもう10年以上やっていません。アメリカやフランスではする機会はおろか知ってる人すらほとんどいませんでしたから。基本的な戦法すら記憶の彼方の状態になっていました。
とはいえ日本人としてここは簡単に負けるわけにはいきません。とりあえず矢倉を組んで様子を見ることに。。と思ったら向こうも矢倉を組んできました。さらに雀刺し!!
どうみてもルールと駒の動きだけ知っているイタリア人ではありません。
結局、向こうのミスで勝つことはできましたが、正直、驚きを通り越してかなり焦りました。また焦った反面、うれしくもありました。

本棚を覗くとなんと日本語の将棋本がいっぱい。道理で。


彼は私以上に日本人かもしれません。
しかし私が驚いたのはこれだけではありませんでした。

「見せたいものがある」といって彼が取り出したのは「どうぶつしょうぎ」。実物を見るのはこれが初めてです。

ひよこの「歩」。

裏返るとニワトリになった「と金」。確かに理屈に適っています。

ここまでそろえているのならもしやとは思いましたが。。。

やはり持っていました。「おおきな森のどうぶつしょうぎ」。

左から香車、桂馬、銀、角、飛車。ちなみに金は犬のイラスト。

裏返して成った駒の図。なぜかえさを食べています。

駒を見て興味を持ったアメリカ人の男性。イタリア人と対局することになりました。

フランスはパリでアメリカ人とイタリア人が「どうぶつしょうぎ」を指す姿を誰が想像したでしょう。
この後はゲームをせず、皆でゲーム談義をして別れの挨拶をしました。
ルールさえわかれば言葉や文化の壁を通り越して皆で楽しめるボードゲーム。今回もそれを実感した日でした。
なんだか日本に関係したゲームばかりして複雑な心境になりましたが、いつかどこかで彼らとまたゲームをできる日があれば、そう思いながら帰途につきました。
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COMMENTS
凄いですね!
No title
そのイタリア人は、獲った駒が使える将棋の方がチェスより面白いと言うんです。
ちなみに「どうぶつしょうぎ」はカンヌのボードゲームフェスティバルでも紹介されています。
ちなみに「どうぶつしょうぎ」はカンヌのボードゲームフェスティバルでも紹介されています。
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しかも、動物将棋も所有してるなんて!
LOOT・・・
僕も持っています。
かなりお気に入りのカードゲームです。