ジャルジェーーー日本のアニメからインスパイアされたゲーム
クルードに似たゲームはこれまでいくつか出ていますが、今回は一風変わったゲーム、ジャルジェ(Jarjais)を紹介したいと思います。

クルードに比べると複雑で、ミステリーエクスプレスに比べると場所と時間を取らないゲームですが、プレイ感覚は上の2者とは大きく違います。2人から4人までプレイできます。
ゲーム作者はオスカル・ドゥ・キュルバン(Oscar de Curbans)。実はこの名前はハンドルネームです。
彼はなんと池田理代子原作の「ベルサイユのばら」(仏題:Lady Oscar レディ オスカル)の大ファンでハンドルネームは主人公オスカルの名から借りたそうです。
またこのゲームも「ベルサイユのばら」から着想を得たそうです。
ゲームのルールを読んだところ、解釈が明瞭でないところが多く、オスカル・ドゥ・キュルバン氏に直接メールで質問したところ、 いろいろと説明してくれました。また日本語訳について公開してよいか訊ねたら、快諾してくれました。
ゲーム背景
ゲームの舞台はフランス革命期。1791年、国王一家はパリから逃亡を図りますが、ヴァレンヌで捕まり、パリに連れ戻されます。その後、マリーアントワネットはタンプル塔に幽閉されていました。
このアントワネットを救出すべく、フランソワ ジャルジャイュはタンプル塔を訪れ、2輪のカーネーションに手紙を隠してマリーアントワネットに逃亡計画のメーセッジを伝えようとしました。しかしマリーアントワネットは子供を残して逃げることを拒否し計画は実行に移されず、彼女はその後、断頭台の露と消えました。
この時の逃亡計画の資金は一体その後どうなったのか、「いつ、だれが、どこに」隠したのかを解くのがゲームの目的です。
後半は史実ではなくコンシェルジェリーに収監されていたマリー・アントワネットをルージュヴィル(Rougeville)という人物が彼女の脱出計画を企てた「カーネーションの陰謀(Complot de l'Œillet)」が元になっています。
カード

手がかりカード (人物、年、場所)
人物 (Personnage) 各4枚ずつ
マリー・アントワネット
オギュスタン・レニエ・ジャルジャイュ
ピエール=エティエンヌ・ボレル
年 (Année) 各4枚ずつ
1791年、1792年、1793年、
場所 (Lieux) 、各4枚ずつ
タンプル塔、ジャルジャイュ、テール=オート

同じ種類の4枚のカードは左上に「王家の印」がマークされており、区別できるようになっています。

「秘密の隠し場所」カード(左)、「がれき」カード(右)

裏が赤色のスペシャルカード(2種類、各2枚)、市議会(左)、デュランス川の氾濫(右)
人物
マリー・アントワネット

オーストリア大公マリア・テレジアの娘で、ルイ16世の妻。1793年、コンコルド広場で処刑される。
フランソワ・ドゥ・ジャルジャイュ

フランソワ=オギュスタン・レニエ・ドゥ・ジャルジャイュ。ベルサイユのバラの主人公、オスカルの父。オスカルは架空の人物ですが、こちらは実在した人物。フェルセンとともにマリー・アントワネットの逃亡を画策しました。
ピエール=エティエンヌ・ボレル

フランス南東部、オート=ザルプ県にあるTallardという村の公証人。革命期の混乱に乗じてシャトーから略奪をした人物。
場所
タンプル塔 (Le Temple)

マリー・アントワネットがコンシェルジェリーに移される前に一時幽閉されていた場所。現存しない。
ジャルジャイユ (Jarjayes)

オート=ザルプ県にあるコミューンの一つ。
テール・オート (Terres Hautes)

Tallardとはterres hautesを意味する言葉で、カードのデザインはオスカル・ドゥ・キュルバンのいる街(Curbans)がモデルだそうです。

調査用紙。各情報でどのカードが足りないかをチェックします。
ルール
上記の通り、付属の仏語ルールには不明な部分がかなり多く、以下のルールは原文をもとに、オスカル・ドゥ・キュルバン氏から直接説明してもらった部分を(補足)の項において追記しています。
準備
3人プレイの場合、「がれき」カードを4枚取り除く
2人プレイの場合、「がれき」カードを6枚取り除く
手がかりカードを場所、人物、年別に分け、その中から各1枚ずつ任意に抜き取る。
その後、全てのカードを混ぜて山札にする。
各自にカードを4枚配る。
各プレイヤーに6コイン配る
スタートプレーヤーを決める。以下ゲーム最後までスタートプレーヤーは変わらない。
4枚の手札のうち、スペシャルカード(後述)があった場合、山札の一番上のカードを引いて手札に加え、スペシャルカードを山札に戻してシャッフルし直す。
ラウンドの開始フェーズ
各自キープしたいカードを1枚選んで裏向きに置き、残りの3枚を左隣のプレイヤーに渡す。
右隣のプレイヤーから貰った3枚から同様に1枚選んで裏向きに置き、 残りの2枚を左隣のプレイヤーに渡す。
右隣のプレイヤーから貰った2枚から同様に1枚選んで裏向きに置き、 残りの1枚を左隣のプレイヤーに渡す。
全員4枚のカードを入手したら、手持ちのカードと、記憶を頼りに手がかりを調査用紙に記入する。
注:カードの交換前、および交換中は調査用紙に記入不可。
大きな競りフェーズ
手持ちの4枚のカードから各自1枚選んで裏向きにして場に出す。
4人プレイの場合、山札の上から2枚カードを取りそのまま裏向きにして場に加える。
注)3人プレイの場合、山札から3枚、2人プレイの場合、4枚。
場にある計6枚のカードをよく混ぜ、ひとまとめにして競りに掛ける。
スタートプレイヤーから値を付け、左隣のプレイヤーはパスするか競り値をあげるか宣言する。
同様にして左隣のプレイヤーの番に移る。一度パスしたらあとから参加できない。
競りに買ったプレイヤーはカードを手持ちのカードに加える。新たな手がかりが見つかったなら調査用紙に記入してもかまわない。
補足:所持金が0の場合 スタートプレーヤーに限り、0から競りを開始できる。
次の小さな競りフェーズに移る
小さな競りフェーズ
山札の上から3枚取り、大きな競りと同様に競りをする。ただしその前の大きな競りに勝ったプレイヤーはこの小さな競りに参加できない。
競りが終わったら次のアクションフェーズに入る。
アクションフェーズ
スタートプレイヤーから以下のアクションのうち1つを選択する。
1)「秘密の隠し場所」カードを持っていた場合、カードに描かれたコインの数だけストックからコインを取る。
2)山札の一番上のカード1枚をとって手札に加える。
3)ストックから2コイン取る。
全員がプレイし終わったら交渉フェーズに移る。
交渉フェーズ(任意)
交渉を希望するプレイヤーが2人以上いた場合、交渉フェーズに移る。
1人以下の場合、スキップして次に進む
交渉は手がかりなどの情報、カード、コイン等の交換などどんな組み合わせでも良い。ただし各自の調査用紙を見せ合うことは不可。
補足:交渉において相手プレイヤーをだましても良い。
例1)カードを交換する場合、交渉相手に「がれき」カードや相手が既に知っているカードを渡しても良い。
例2)コインと引き換えに手がかりの情報の提供等も可。ただし相手が既に知っている情報を提供することも可。
捜査フェーズ
手元のカードから「がれき」カードがあれば捨てても良い。
「がれき」カードを3枚捨てた場合、山札の一番上のカード1枚をとって手札に加える。
補足:がれきカードが2枚以下の場合、表向きにして自分の手前に捨てる。のちの捜査フェーズで3枚目を出せたら、その3枚を捨て札に置き山札の一番上のカード1枚をとって手札に加える。
物証確認フェーズ
手持ちのカードの枚数を確認する。8枚を越えた場合、手持ちのカードが8枚になるまでカードを捨てる。
その後、大きな競りフェーズからまた始める。
第一ラウンドの終了
山札が尽きたら第一ラウンドの終了。
補足:大きな競り、または小さな競りのときに山札が無くなった場合
そのまま競りをする。カードの枚数が満たない場合( 大きな競り 6枚、小さな競り 3枚)はそのまま少ない数で行う。
手がかりの報告 (任意)
調査用紙の[Compte rendu d’Enquête Manche 1]のマスに「いつ(Année))、「誰が(Personnages)」「どこに(Lieux)」の手がかりを記入する。第1ラウンドは任意で記入しなくても良い。
第2ラウンドにうつる。
各自手札はそのままキープし、捨て札をよく切って山札にする。
[ラウンドの開始フェーズ]から始める。
手札から3枚選んで、左隣のプレイヤーに渡す。
補足:貰った3枚を自分の手札と混ぜてよい。 次に左隣のプレイヤーに渡す2枚のカードはその中から好きに選べる。
あとは第1ラウンドと同様にプレイする。
山札が尽きたら第2ラウンドの終了。
手がかりの報告 (必須)
調査用紙の[Compte rendu d’Enquête Manche 2]のマスに「いつ(Année))、「誰が(Personnages)」「どこで(Lieux)」の手がかりを必ず記入する。
勝敗
伏せられた3枚の手がかりカードを公開する。得点は以下の通り。
第1ラウンド
正解 各1点
不正解 各-1点
無記入 各0点
第2ランンド
正解 各2点
不正解 各0点
得点を計算して最高得点者が勝ち。同点の場合は所持コインの多い方が勝ち。
スペシャルカードの効果
デュランス川の氾濫 (Crue de la Durance)
このカードを入手したプレイヤーは山札から手がかりカードが2枚出るまで表向きにカードをめくる。その際、スペシャルカードが出た場合はその効果は無視する。
手がかりカードが2枚公開されたら、山札から引いた全てのカードを捨て札にする。
このカードをプレイしたプレイヤーは山札から1枚引いて補充する。それがスペシャルカードであった場合は効果を無視して捨て、新たに山札から1枚引く。
市議会 (Conseil Municipal)
手持ちのカード3枚を左隣のプレイヤーに渡す。3枚に満たない場合はそのまま残りのカードを左隣のプレイヤーに渡す。
現在進行中のフェーズを直ちに終了し、次のフェーズに移る。
所感
非常に評価するのが難しい作品と言えます。決してお手軽なゲームとは言えません。
まずクルード系のゲームが好きか否かで意見が割れるでしょう。前者でもルールが多少複雑なので「ここまで複雑にする理由は何?」と聞かれて答えに窮するかもしれません。
競り
競りにおいてもプレイヤーの力量が問われます。
熱くなった競りに勝った後、カードを見たら「がれき」ばかりだった時の脱力感は何とも言えません。
しかし競りに参加しないと手がかりが全く増えない上、出すカードの選択肢が狭まってきます。
手持ちのコインと見合わせて、大きな競りで勝負するか、小さな競りで勝負するかの見極めが重要です。
交渉
4人でプレイする場合、どうしても情報が不足し、交渉が必要になります。しかしこの交渉の自由度が高いのがこのゲームを面白くもつまらなくもする危険性をはらんでいます。
各時点でだれが優位に立っているか考え、誰と交渉すべきか、だますべきか、協力すべきかよく考えなければなりません。
だますにしても、交渉フェーズは何度も来るので、後のこともよくよく考えてプレイしないといけません。
巧妙な駆け引き、だまし合いが好きな人には好感を持てるゲームだと思いますが、そうでない場合、交渉の度にだまされ続けて「このゲーム、壊れてる!」ということにもなりかねません。
交渉のとき、相手をだますのはどの程度か、荒れないためにもあらかじめ取り決めておくか等は各人の判断に委ねられそうです。主観的な意見ですが、ゲーマー同士でプレイする場合はうまい落としどころを見つけられるのではないかと思います。
その他
計算の必要なゲームですが、山札からカードを引いたり、スペシャルカードの効果によってランダムな要素が取り入れられています。
まとめ
評価を大きく左右するパラメーターが多いのでこのゲームの評価は各自の好みやプレイスタイルで大きく変わるでしょう。
相手をだますという行為が、「自分を守る(相手に手がかりを与えない)」と解釈されるかどうかで好き嫌いが分かれるでしょう。
またプレイ人数によって交渉、大きな競りと小さな競りの意義が変わってくるのでまた違った評価になるかもしれません。何度かプレイすることで各自のプレイスタイルが出来てくると思われます。

クルードに比べると複雑で、ミステリーエクスプレスに比べると場所と時間を取らないゲームですが、プレイ感覚は上の2者とは大きく違います。2人から4人までプレイできます。
ゲーム作者はオスカル・ドゥ・キュルバン(Oscar de Curbans)。実はこの名前はハンドルネームです。
彼はなんと池田理代子原作の「ベルサイユのばら」(仏題:Lady Oscar レディ オスカル)の大ファンでハンドルネームは主人公オスカルの名から借りたそうです。
またこのゲームも「ベルサイユのばら」から着想を得たそうです。
ゲームのルールを読んだところ、解釈が明瞭でないところが多く、オスカル・ドゥ・キュルバン氏に直接メールで質問したところ、 いろいろと説明してくれました。また日本語訳について公開してよいか訊ねたら、快諾してくれました。
ゲーム背景
ゲームの舞台はフランス革命期。1791年、国王一家はパリから逃亡を図りますが、ヴァレンヌで捕まり、パリに連れ戻されます。その後、マリーアントワネットはタンプル塔に幽閉されていました。
このアントワネットを救出すべく、フランソワ ジャルジャイュはタンプル塔を訪れ、2輪のカーネーションに手紙を隠してマリーアントワネットに逃亡計画のメーセッジを伝えようとしました。しかしマリーアントワネットは子供を残して逃げることを拒否し計画は実行に移されず、彼女はその後、断頭台の露と消えました。
この時の逃亡計画の資金は一体その後どうなったのか、「いつ、だれが、どこに」隠したのかを解くのがゲームの目的です。
後半は史実ではなくコンシェルジェリーに収監されていたマリー・アントワネットをルージュヴィル(Rougeville)という人物が彼女の脱出計画を企てた「カーネーションの陰謀(Complot de l'Œillet)」が元になっています。
カード

手がかりカード (人物、年、場所)
人物 (Personnage) 各4枚ずつ
マリー・アントワネット
オギュスタン・レニエ・ジャルジャイュ
ピエール=エティエンヌ・ボレル
年 (Année) 各4枚ずつ
1791年、1792年、1793年、
場所 (Lieux) 、各4枚ずつ
タンプル塔、ジャルジャイュ、テール=オート

同じ種類の4枚のカードは左上に「王家の印」がマークされており、区別できるようになっています。

「秘密の隠し場所」カード(左)、「がれき」カード(右)

裏が赤色のスペシャルカード(2種類、各2枚)、市議会(左)、デュランス川の氾濫(右)
人物
マリー・アントワネット

オーストリア大公マリア・テレジアの娘で、ルイ16世の妻。1793年、コンコルド広場で処刑される。
フランソワ・ドゥ・ジャルジャイュ

フランソワ=オギュスタン・レニエ・ドゥ・ジャルジャイュ。ベルサイユのバラの主人公、オスカルの父。オスカルは架空の人物ですが、こちらは実在した人物。フェルセンとともにマリー・アントワネットの逃亡を画策しました。
ピエール=エティエンヌ・ボレル

フランス南東部、オート=ザルプ県にあるTallardという村の公証人。革命期の混乱に乗じてシャトーから略奪をした人物。
場所
タンプル塔 (Le Temple)

マリー・アントワネットがコンシェルジェリーに移される前に一時幽閉されていた場所。現存しない。
ジャルジャイユ (Jarjayes)

オート=ザルプ県にあるコミューンの一つ。
テール・オート (Terres Hautes)

Tallardとはterres hautesを意味する言葉で、カードのデザインはオスカル・ドゥ・キュルバンのいる街(Curbans)がモデルだそうです。

調査用紙。各情報でどのカードが足りないかをチェックします。
ルール
上記の通り、付属の仏語ルールには不明な部分がかなり多く、以下のルールは原文をもとに、オスカル・ドゥ・キュルバン氏から直接説明してもらった部分を(補足)の項において追記しています。
準備
3人プレイの場合、「がれき」カードを4枚取り除く
2人プレイの場合、「がれき」カードを6枚取り除く
手がかりカードを場所、人物、年別に分け、その中から各1枚ずつ任意に抜き取る。
その後、全てのカードを混ぜて山札にする。
各自にカードを4枚配る。
各プレイヤーに6コイン配る
スタートプレーヤーを決める。以下ゲーム最後までスタートプレーヤーは変わらない。
4枚の手札のうち、スペシャルカード(後述)があった場合、山札の一番上のカードを引いて手札に加え、スペシャルカードを山札に戻してシャッフルし直す。
ラウンドの開始フェーズ
各自キープしたいカードを1枚選んで裏向きに置き、残りの3枚を左隣のプレイヤーに渡す。
右隣のプレイヤーから貰った3枚から同様に1枚選んで裏向きに置き、 残りの2枚を左隣のプレイヤーに渡す。
右隣のプレイヤーから貰った2枚から同様に1枚選んで裏向きに置き、 残りの1枚を左隣のプレイヤーに渡す。
全員4枚のカードを入手したら、手持ちのカードと、記憶を頼りに手がかりを調査用紙に記入する。
注:カードの交換前、および交換中は調査用紙に記入不可。
大きな競りフェーズ
手持ちの4枚のカードから各自1枚選んで裏向きにして場に出す。
4人プレイの場合、山札の上から2枚カードを取りそのまま裏向きにして場に加える。
注)3人プレイの場合、山札から3枚、2人プレイの場合、4枚。
場にある計6枚のカードをよく混ぜ、ひとまとめにして競りに掛ける。
スタートプレイヤーから値を付け、左隣のプレイヤーはパスするか競り値をあげるか宣言する。
同様にして左隣のプレイヤーの番に移る。一度パスしたらあとから参加できない。
競りに買ったプレイヤーはカードを手持ちのカードに加える。新たな手がかりが見つかったなら調査用紙に記入してもかまわない。
補足:所持金が0の場合 スタートプレーヤーに限り、0から競りを開始できる。
次の小さな競りフェーズに移る
小さな競りフェーズ
山札の上から3枚取り、大きな競りと同様に競りをする。ただしその前の大きな競りに勝ったプレイヤーはこの小さな競りに参加できない。
競りが終わったら次のアクションフェーズに入る。
アクションフェーズ
スタートプレイヤーから以下のアクションのうち1つを選択する。
1)「秘密の隠し場所」カードを持っていた場合、カードに描かれたコインの数だけストックからコインを取る。
2)山札の一番上のカード1枚をとって手札に加える。
3)ストックから2コイン取る。
全員がプレイし終わったら交渉フェーズに移る。
交渉フェーズ(任意)
交渉を希望するプレイヤーが2人以上いた場合、交渉フェーズに移る。
1人以下の場合、スキップして次に進む
交渉は手がかりなどの情報、カード、コイン等の交換などどんな組み合わせでも良い。ただし各自の調査用紙を見せ合うことは不可。
補足:交渉において相手プレイヤーをだましても良い。
例1)カードを交換する場合、交渉相手に「がれき」カードや相手が既に知っているカードを渡しても良い。
例2)コインと引き換えに手がかりの情報の提供等も可。ただし相手が既に知っている情報を提供することも可。
捜査フェーズ
手元のカードから「がれき」カードがあれば捨てても良い。
「がれき」カードを3枚捨てた場合、山札の一番上のカード1枚をとって手札に加える。
補足:がれきカードが2枚以下の場合、表向きにして自分の手前に捨てる。のちの捜査フェーズで3枚目を出せたら、その3枚を捨て札に置き山札の一番上のカード1枚をとって手札に加える。
物証確認フェーズ
手持ちのカードの枚数を確認する。8枚を越えた場合、手持ちのカードが8枚になるまでカードを捨てる。
その後、大きな競りフェーズからまた始める。
第一ラウンドの終了
山札が尽きたら第一ラウンドの終了。
補足:大きな競り、または小さな競りのときに山札が無くなった場合
そのまま競りをする。カードの枚数が満たない場合( 大きな競り 6枚、小さな競り 3枚)はそのまま少ない数で行う。
手がかりの報告 (任意)
調査用紙の[Compte rendu d’Enquête Manche 1]のマスに「いつ(Année))、「誰が(Personnages)」「どこに(Lieux)」の手がかりを記入する。第1ラウンドは任意で記入しなくても良い。
第2ラウンドにうつる。
各自手札はそのままキープし、捨て札をよく切って山札にする。
[ラウンドの開始フェーズ]から始める。
手札から3枚選んで、左隣のプレイヤーに渡す。
補足:貰った3枚を自分の手札と混ぜてよい。 次に左隣のプレイヤーに渡す2枚のカードはその中から好きに選べる。
あとは第1ラウンドと同様にプレイする。
山札が尽きたら第2ラウンドの終了。
手がかりの報告 (必須)
調査用紙の[Compte rendu d’Enquête Manche 2]のマスに「いつ(Année))、「誰が(Personnages)」「どこで(Lieux)」の手がかりを必ず記入する。
勝敗
伏せられた3枚の手がかりカードを公開する。得点は以下の通り。
第1ラウンド
正解 各1点
不正解 各-1点
無記入 各0点
第2ランンド
正解 各2点
不正解 各0点
得点を計算して最高得点者が勝ち。同点の場合は所持コインの多い方が勝ち。
スペシャルカードの効果
デュランス川の氾濫 (Crue de la Durance)
このカードを入手したプレイヤーは山札から手がかりカードが2枚出るまで表向きにカードをめくる。その際、スペシャルカードが出た場合はその効果は無視する。
手がかりカードが2枚公開されたら、山札から引いた全てのカードを捨て札にする。
このカードをプレイしたプレイヤーは山札から1枚引いて補充する。それがスペシャルカードであった場合は効果を無視して捨て、新たに山札から1枚引く。
市議会 (Conseil Municipal)
手持ちのカード3枚を左隣のプレイヤーに渡す。3枚に満たない場合はそのまま残りのカードを左隣のプレイヤーに渡す。
現在進行中のフェーズを直ちに終了し、次のフェーズに移る。
所感
非常に評価するのが難しい作品と言えます。決してお手軽なゲームとは言えません。
まずクルード系のゲームが好きか否かで意見が割れるでしょう。前者でもルールが多少複雑なので「ここまで複雑にする理由は何?」と聞かれて答えに窮するかもしれません。
競り
競りにおいてもプレイヤーの力量が問われます。
熱くなった競りに勝った後、カードを見たら「がれき」ばかりだった時の脱力感は何とも言えません。
しかし競りに参加しないと手がかりが全く増えない上、出すカードの選択肢が狭まってきます。
手持ちのコインと見合わせて、大きな競りで勝負するか、小さな競りで勝負するかの見極めが重要です。
交渉
4人でプレイする場合、どうしても情報が不足し、交渉が必要になります。しかしこの交渉の自由度が高いのがこのゲームを面白くもつまらなくもする危険性をはらんでいます。
各時点でだれが優位に立っているか考え、誰と交渉すべきか、だますべきか、協力すべきかよく考えなければなりません。
だますにしても、交渉フェーズは何度も来るので、後のこともよくよく考えてプレイしないといけません。
巧妙な駆け引き、だまし合いが好きな人には好感を持てるゲームだと思いますが、そうでない場合、交渉の度にだまされ続けて「このゲーム、壊れてる!」ということにもなりかねません。
交渉のとき、相手をだますのはどの程度か、荒れないためにもあらかじめ取り決めておくか等は各人の判断に委ねられそうです。主観的な意見ですが、ゲーマー同士でプレイする場合はうまい落としどころを見つけられるのではないかと思います。
その他
計算の必要なゲームですが、山札からカードを引いたり、スペシャルカードの効果によってランダムな要素が取り入れられています。
まとめ
評価を大きく左右するパラメーターが多いのでこのゲームの評価は各自の好みやプレイスタイルで大きく変わるでしょう。
相手をだますという行為が、「自分を守る(相手に手がかりを与えない)」と解釈されるかどうかで好き嫌いが分かれるでしょう。
またプレイ人数によって交渉、大きな競りと小さな競りの意義が変わってくるのでまた違った評価になるかもしれません。何度かプレイすることで各自のプレイスタイルが出来てくると思われます。
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