サンドウィッチ
あまりゲームをしてくれる人がなかなか見つからない状況の中で、非ゲーマー向きゲームの探索は自分にとって恒常的な課題です。その中で今回は軽いパーティーゲーム、サンドウィッチ(Sandwich)を紹介したいと思います。

3人から6人までプレイできます。人数によりルールが若干違います。

ル・ジュウール(Le Joueur*)というメーカーから出ています。56枚の食材カードが入っています。
*joueurは英語のplayerに相当
ルール
4人以上の場合
準備
各自に食材カードを9枚裏向きに配る。各プレイヤーは表を見ないで山積みにする。
1)マルシェ(marché):食材の入手
山札の一番上のカードを取って、各自、合図で一斉に表向きにして場に出す。
自分が出した以外のカードを一つ選んで取る。(椅子取りゲームやカルタの要領で)
自分が出したカード以外に残っていない場合のみ、そのカードを取ることが出来る。
山札が無くなりまでマルシェを繰り返す。
2)ポポット(popote): サンドウィッチを作る
獲得した9枚の食材から3つずつ組み合わせて3種類のサンドウィッチを作る。
作ったサンドウィッチ(3枚1セットのカード)を裏向きにして時計回りに他のプレイヤーに1セットずつ渡す。
3)デギュスタスィオン(dégustation):試食
他人が作ったサンドウィッチを受け取った各プレイヤーはそこからどのサンドウィッチがベストか、(あるいはもっともまずそうでないか)考えて順位をつける。
順位付けが終わったら、各自どのサンドウィッチがベストか説明を入れながら発表する。
ベストサンドウィッチはそれを作った人が3点獲得。
2番目のサンドウィッチは2点
ワーストサンドウィッチは無得点
得点をつけ終わったら全てのカードを混ぜて次のラウンドを始める。
勝敗
3ラウンドプレイ後、最高得点者が勝ち。
3人プレイの場合
9枚でなく12枚のカードで始める。
12枚のカードから4つのサンドウィッチ(3枚1組)を作り、他の2人のプレイヤーに2つずつサンドウィッチを渡す。各プレイヤーは計4つのサンドウィッチを受け取り採点する。
ベストサンドウィッチは3点
2位は2点
3位は1点
ワーストは無得点。
以下は4人以上のルールに同じ。
所感
ルールを読むと「こんなんで面白いのかな?」という疑問符がわくのですが、ゲームを始めると「こんなゲームで」と思いつつも、終始笑いを抑えることが出来ません。
食材の入手
カルタの要領でサンドウィッチにふさわしい具材を素早く探します。これだけでも盛り上がります。
サンドウィッチを作る
具材が9種類もあるので一つぐらいはまともなサンドウィッチが作れるのですが、それでも「自分ならこれだけは食べたくない」という具材の組み合わせのサンドウィッチが出来てしまいます。
そういう展開からときどき傑作(?)サンドウィッチが生まれます。

本日の傑作サンドウィッチ。レモンと青リンゴにマスタードソースをからめたサンドウィッチ。

上は3人プレイ時の写真。
ほとんどがまともな食材の中にときどきおかしなものが混じっているのがポイントです。
食材の中に「車のタイヤ」とか「レンガ」とかが入っていると一気に興醒めするところですが、ちゃんとした食材で単独あるいはもう一つくらいと組み合わせればそれなりのサンドウィッチが作れるのに、3つとなるとどうにもこうにもまとまらないというのがミソです。おふざけたコンセプトの中になにげに計算されているようなものを感じます。

鬼門のチョコ。これを引くと萎えますが、その後、うまく具材を組み合わせれば起死回生のベストサンドウィッチが作れるかもしれません。
試食
このゲームの肝はやはり試食のときの評価でしょう。ここを淡々と採点してしまうと実にしらけたゲームになってしまいます。
食通を気取りながらサンドウィッチを作った人に質問をしたりしながら評価の説明をするとさらに面白くなるでしょう。プレイヤーの中に料理に詳しい人や料理マンガなどが好きな人がいると専門用語を色々出してきてさらに楽しくなるはずです。(あまり専門すぎると周りが引いてしまうと思いますが。。)
採点は主観が入るので、勝ち負けにこだわりすぎると面白くありません。あくまで結果よりも過程を楽しむゲームです。
それでも「なんで俺が作ったサンドウィッチだけいっつも低評価なんだよ!」という声が挙るようでしたら、誰か作ったかわからないようにサンドウィッチを渡すのがいいかと思います。(サンドウィッチを評価した後で誰が作ったか自己申告制にする。)
まとめ
完全なパーティーゲームです。ゲームを2つ用意すれば7人以上でもプレイできます。ただし3人でも十分面白いです。
普段ゲームをしない女性にも受けると思います。実際、小さな女の子から60歳代の女性まで幅広い年代層の女性に受けました。
料理マンガや、料理番組が好きな人ならさらに楽しめるでしょう。
カウンティングをするなど戦略的な要素がないわけではありません。否、このゲームは自分が作ったサンドウィッチでみんながどういう反応をしてくるか、また上述したように他人(ひと)の作ったサンドウィッチをおもしろおかしく批評するのが醍醐味だと思います。
注意点 その1
ポジティブな面をあげましたが、手放しで御薦めできる訳ではありません。
難点は、フランスのゲームだけあって、フランス特有の食材がいくつかあること。(ボードゲームギークでも高い評価をしているのはフランス人であることに注意)。土地の食文化はその土地の食材に根付いているので、日本人からするとちょっとピンと来ない場合も起こると思います。以下に列挙します。
シュークルート (choucroute)

アルザス地方の料理。塩漬けて発酵させたキャベツ(ドイツではザワークラウトとも呼ばれる)とソーセージなどをつけ合わせた物。
コルニッション (chornichon)

食感はハンバーガーに入っているピクルスのような感じ。小振りなのでスライスせずにそのまま口に放り込む人も。
リレット (rillettes)

多くは豚肉をペースト状にしたもの。
ソシソン (saucisson)

サラミよりも固く、薫製にしたものや馬の肉をつかったものもある。
フェタチーズ (feta)

ギリシャ産の羊、ヤギの乳を使ったチーズ
チョリソ (chorizo)

スパイスの利いたソーセージ。英語ではチョリゾー、仏語ではショリゾと発音。
マイナーな要因でしょうが、必ずしも日本人に受けるかは若干疑問の余地が残るところです。あるいはこれらのカードをあらかじめ抜いておくというのもありかと思います。(6人プレイだと2枚までしか除けませんが)
どちらかといえば、同じコンセプトで日本の食材を扱ったゲームを作るのも一案かとも思います。
例えば「チョコ、メンマ、イチゴ、梅、納豆、豆腐、マヨネーズ、ケチャップ、味噌、これらから3つずつ組み合わせて3種類の斬新な手巻き寿司をつくってもらいたい」みたいな感じのゲームの方が日本人には受けるのかもしれません(?)
注意点 その2
このゲームのルールは仏語の他に、英語、西語、独語があるのですが、仏語以外のルールが若干違っています。仏語以外のルールではマルシェのあと、プレイヤー間で食材の交換ができるとあるのですが、仏語ルールではこれはバリアント扱いになっています。マルシェの意義が薄れてしまうので個人的にはこの食材の交換はしないほうがいいと思います。
また英語ルールでは3人用ルールの説明が抜けています。
終わりに
質は悪くはないのですが、非常に切りづらく、掴みづらい正方形のカード、各言語で統一されていないルールなど突っ込みどころは多いのですが、なぜか隅に置けないゲームです。
アメリカにいた頃、「料理の鉄人」が「アイロンシェフ(Iron Chef)」という名で放送されていました。フランスではマスターシェフ(Master Chef)、トップシェフ(Top Chef)という料理番組が放送されています。料理の味を競うというのはどこの国でも受け入れられる大衆文化なのかもしれません。

3人から6人までプレイできます。人数によりルールが若干違います。

ル・ジュウール(Le Joueur*)というメーカーから出ています。56枚の食材カードが入っています。
*joueurは英語のplayerに相当
ルール
4人以上の場合
準備
各自に食材カードを9枚裏向きに配る。各プレイヤーは表を見ないで山積みにする。
1)マルシェ(marché):食材の入手
山札の一番上のカードを取って、各自、合図で一斉に表向きにして場に出す。
自分が出した以外のカードを一つ選んで取る。(椅子取りゲームやカルタの要領で)
自分が出したカード以外に残っていない場合のみ、そのカードを取ることが出来る。
山札が無くなりまでマルシェを繰り返す。
2)ポポット(popote): サンドウィッチを作る
獲得した9枚の食材から3つずつ組み合わせて3種類のサンドウィッチを作る。
作ったサンドウィッチ(3枚1セットのカード)を裏向きにして時計回りに他のプレイヤーに1セットずつ渡す。
3)デギュスタスィオン(dégustation):試食
他人が作ったサンドウィッチを受け取った各プレイヤーはそこからどのサンドウィッチがベストか、(あるいはもっともまずそうでないか)考えて順位をつける。
順位付けが終わったら、各自どのサンドウィッチがベストか説明を入れながら発表する。
ベストサンドウィッチはそれを作った人が3点獲得。
2番目のサンドウィッチは2点
ワーストサンドウィッチは無得点
得点をつけ終わったら全てのカードを混ぜて次のラウンドを始める。
勝敗
3ラウンドプレイ後、最高得点者が勝ち。
3人プレイの場合
9枚でなく12枚のカードで始める。
12枚のカードから4つのサンドウィッチ(3枚1組)を作り、他の2人のプレイヤーに2つずつサンドウィッチを渡す。各プレイヤーは計4つのサンドウィッチを受け取り採点する。
ベストサンドウィッチは3点
2位は2点
3位は1点
ワーストは無得点。
以下は4人以上のルールに同じ。
所感
ルールを読むと「こんなんで面白いのかな?」という疑問符がわくのですが、ゲームを始めると「こんなゲームで」と思いつつも、終始笑いを抑えることが出来ません。
食材の入手
カルタの要領でサンドウィッチにふさわしい具材を素早く探します。これだけでも盛り上がります。
サンドウィッチを作る
具材が9種類もあるので一つぐらいはまともなサンドウィッチが作れるのですが、それでも「自分ならこれだけは食べたくない」という具材の組み合わせのサンドウィッチが出来てしまいます。
そういう展開からときどき傑作(?)サンドウィッチが生まれます。

本日の傑作サンドウィッチ。レモンと青リンゴにマスタードソースをからめたサンドウィッチ。

上は3人プレイ時の写真。
ほとんどがまともな食材の中にときどきおかしなものが混じっているのがポイントです。
食材の中に「車のタイヤ」とか「レンガ」とかが入っていると一気に興醒めするところですが、ちゃんとした食材で単独あるいはもう一つくらいと組み合わせればそれなりのサンドウィッチが作れるのに、3つとなるとどうにもこうにもまとまらないというのがミソです。おふざけたコンセプトの中になにげに計算されているようなものを感じます。

鬼門のチョコ。これを引くと萎えますが、その後、うまく具材を組み合わせれば起死回生のベストサンドウィッチが作れるかもしれません。
試食
このゲームの肝はやはり試食のときの評価でしょう。ここを淡々と採点してしまうと実にしらけたゲームになってしまいます。
食通を気取りながらサンドウィッチを作った人に質問をしたりしながら評価の説明をするとさらに面白くなるでしょう。プレイヤーの中に料理に詳しい人や料理マンガなどが好きな人がいると専門用語を色々出してきてさらに楽しくなるはずです。(あまり専門すぎると周りが引いてしまうと思いますが。。)
採点は主観が入るので、勝ち負けにこだわりすぎると面白くありません。あくまで結果よりも過程を楽しむゲームです。
それでも「なんで俺が作ったサンドウィッチだけいっつも低評価なんだよ!」という声が挙るようでしたら、誰か作ったかわからないようにサンドウィッチを渡すのがいいかと思います。(サンドウィッチを評価した後で誰が作ったか自己申告制にする。)
まとめ
完全なパーティーゲームです。ゲームを2つ用意すれば7人以上でもプレイできます。ただし3人でも十分面白いです。
普段ゲームをしない女性にも受けると思います。実際、小さな女の子から60歳代の女性まで幅広い年代層の女性に受けました。
料理マンガや、料理番組が好きな人ならさらに楽しめるでしょう。
カウンティングをするなど戦略的な要素がないわけではありません。否、このゲームは自分が作ったサンドウィッチでみんながどういう反応をしてくるか、また上述したように他人(ひと)の作ったサンドウィッチをおもしろおかしく批評するのが醍醐味だと思います。
注意点 その1
ポジティブな面をあげましたが、手放しで御薦めできる訳ではありません。
難点は、フランスのゲームだけあって、フランス特有の食材がいくつかあること。(ボードゲームギークでも高い評価をしているのはフランス人であることに注意)。土地の食文化はその土地の食材に根付いているので、日本人からするとちょっとピンと来ない場合も起こると思います。以下に列挙します。
シュークルート (choucroute)

アルザス地方の料理。塩漬けて発酵させたキャベツ(ドイツではザワークラウトとも呼ばれる)とソーセージなどをつけ合わせた物。
コルニッション (chornichon)

食感はハンバーガーに入っているピクルスのような感じ。小振りなのでスライスせずにそのまま口に放り込む人も。
リレット (rillettes)

多くは豚肉をペースト状にしたもの。
ソシソン (saucisson)

サラミよりも固く、薫製にしたものや馬の肉をつかったものもある。
フェタチーズ (feta)

ギリシャ産の羊、ヤギの乳を使ったチーズ
チョリソ (chorizo)

スパイスの利いたソーセージ。英語ではチョリゾー、仏語ではショリゾと発音。
マイナーな要因でしょうが、必ずしも日本人に受けるかは若干疑問の余地が残るところです。あるいはこれらのカードをあらかじめ抜いておくというのもありかと思います。(6人プレイだと2枚までしか除けませんが)
どちらかといえば、同じコンセプトで日本の食材を扱ったゲームを作るのも一案かとも思います。
例えば「チョコ、メンマ、イチゴ、梅、納豆、豆腐、マヨネーズ、ケチャップ、味噌、これらから3つずつ組み合わせて3種類の斬新な手巻き寿司をつくってもらいたい」みたいな感じのゲームの方が日本人には受けるのかもしれません(?)
注意点 その2
このゲームのルールは仏語の他に、英語、西語、独語があるのですが、仏語以外のルールが若干違っています。仏語以外のルールではマルシェのあと、プレイヤー間で食材の交換ができるとあるのですが、仏語ルールではこれはバリアント扱いになっています。マルシェの意義が薄れてしまうので個人的にはこの食材の交換はしないほうがいいと思います。
また英語ルールでは3人用ルールの説明が抜けています。
終わりに
質は悪くはないのですが、非常に切りづらく、掴みづらい正方形のカード、各言語で統一されていないルールなど突っ込みどころは多いのですが、なぜか隅に置けないゲームです。
アメリカにいた頃、「料理の鉄人」が「アイロンシェフ(Iron Chef)」という名で放送されていました。フランスではマスターシェフ(Master Chef)、トップシェフ(Top Chef)という料理番組が放送されています。料理の味を競うというのはどこの国でも受け入れられる大衆文化なのかもしれません。
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COMMENTS
ありがとうございます!
No title
Edu-Oneさん、たしかこのゲームは日本のボードゲーム店でも取り扱っていると思います。
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残念ながらダメでした。
貧乏は嫌ですわ・・・。