ボードゲームパーティー
ボードゲームパーティーに参加してきました。

積まれたゲーム。

今回は友人と参加。

日本のゲームもありました。
イノヴェーション (Innovation)

カードの効果を利用して得点をしていくGlory to Romeのような感じのゲームです。

手持ちのカードを自分の周りに配置していきます。カードは複数の色があり、色毎にカードを重ねていきます。

ゲームの流れは先史時代から近代に至るまで移行していきます。Glory to Romeのようにカードを自分のボードに下に重ねて得点にします。

カードにはいろんな効果があり、一回では把握しきれません。相手のカードを奪ったり、 ギャンブルのように場合によっては墓穴を掘るようなアクションもあります。



特徴的なのは重ねたカードを上下左右にスライドすること。これによりカードに表示されるアイコンの数を変えることができます。このアイコンの数により効果を発動するカードもあるのでスライドさせる方向も重要になってきます。
所感
あまりのカードの効果の多さに、初回ではカードゲームをプレイしているというよりはカードに振り回されている印象をうけます。人によっては途中でもうお腹いっぱいになるかもしれません。
プレイ時間は1時間15分ほど。初回のプレイでは効果がよくわからないカードもあり、今回は2人でプレイしましたが、4人でプレイしたら誰かがあらかじめテストプレイしない限り恐ろしく時間が掛かるでしょう。
いろいろな戦略をたてられるゲームだとは思うのですが、おびただしい数のカードの効果を覚えきれるか、そこまでの気力が保てるか、プレイヤー次第になりそうです。
タイムライン (Timeline)

同名のゲームがいくつかありますがこちらは最近フランスから出たカードゲーム。カードに描かれた発明品や発見などを年代順に並べていきます。似たようなゲームがすでにあります(後述)。

カードにはイラストが描かれています。裏側にはそれが発明、発見された年号が表記されています。イラストは一枚一枚丁寧に描かれています。
最初に決められた数のカードを年号が見えないように表向きにして各プレイヤーの前に配ります。
次にカード1枚を山札からとり、それが発明された年がわかるように 裏向きにして 中央に置きます。 プレイヤーは手持ちのカードが発明された年が場にあるカードの前か後か考えてカードを置きます。前なら左側に、後なら右側に置きます。そのカードを裏返して正解したらそのままそこに置き、間違っていたらそのカードを箱にしまい、山札から一枚引いて手元に加えます。次のプレイヤーが同じようにカードを置いていきます。
あるターンで1人だけ最後のカードを置くことに成功したらそのプレイヤーの勝ち。同じターンに複数のプレイヤーが最後のカードを置くことに成功したら、置けなかったプレイヤーははずれ、最後のカードを置けたプレイヤーだけが山札からカードを一枚ずつ引いて最後の1人になるまでゲームを続けます。
知識と勘(?)だけ必要であまり戦略がないようにも見えますが、カードは後から出すとどんどん条件が厳しくなっていくので自信のないカードは早めに出し、自信のあるカードは後にとっておくということも一案です。
ゲーム会のつなぎとして遊べますが、それほど時間もかからず2人から8人まで遊べ、シンプルなルールで年齢性別を問わず遊べるのは魅力です。
非ゲーマー向けといえますが、逆に見れば普段ゲームをしない人や、ゲームに興味のない人でも取っ付きやすいのではないかと思います。
なんといっても奇麗なイラストは見ていて飽きません(タイムラインのイラスト)。そして「へぇ~、こんなものが、こんな時代に」といった新たな発見があったりしてプレイ後は少し得した気分になります。
同類のゲームについて
古くはクロノロジー(Chronology)というゲームがアメリカから、アンノ・ドミニ(Anno Domini)というゲームがドイツから出てますが、ルールに多少違いはあるものの、ゲームの流れは基本的に似ています。
これらについてフェドゥッティのサイトに紹介されています(こちら)。
違いを簡単に言えば、クロノロジーはカードが多く(タイムラインの4倍以上)、アンノ・ドミニはかなり多くのジャンルが発売されています。これに対してタイムラインはカードのイラストが非常に奇麗で、イラストからあまり言語依存せず、ケースも小さく上の2つに比べて廉価版と言えます。また最近、タイムライン「発見」が新たに出たようです。
もし自分が購入するならイラスト重視で廉価版のタイムラインでしょうか。
ロンドン (London)

1666年に起こったロンドン大火(The Great Fire of London)から街を復興させるゲーム。
カードとお金を駆使して勝利点を稼いでいきます。カードの建設は同じ色のカードをボードのスペースに置くことでできます。ボード上に置かれたカードは他のプレイヤーがあとで取ることもできます。
一般にカードゲームはカードを溜め込むのが有効で、ゲーム展開が単調にならないためにも手札の枚数制限があったり、カードを貯めすぎるとペナルティーがあったりします。しかしこのゲームではカードを9枚まで貯めることができます。ただしあるアクションをすると手札の数がそのままペナルティーになります。
プレイヤーが建てられるカードにはさまざまな効果があります。
建てたカードの効果を発動させるとお金や勝利点が入ったりするのですが、その後、自分が建てたエリアの数と手札のカードの数に応じてペナルティーを受け取らなければいけません。
いろいろ建ててエリアを拡げれば、効果も随時選べるし、手持ちのカードが多ければそれだけ選択肢が増えます。それが効果を発揮させる時にマイナス点として返ってきます。
お金が貯まったら土地を買うことができます。土地を買うとそこに表示された数字の勝利点とカードを手札に加えることができます。また買った土地の数に応じてペナルティーを少なくできます。土地を買ってカードや勝利点が入るのはうれしいのですが、必要以上にカードを貯めてしまうと建てたカードの効果を発動させにくくなります。
所感
お金は欲しいし、さりとてマイナス点は食らいたくない。このハンドマネジメントがこのゲームの面白さの一つと言えます。
果たしてゲームボードが必要なのかと思うほどカードのアクションに依存したゲームにも見えます。
カードを溜め込んだ方が有利というカードゲームで生じる問題点を、単に枚数の制限にとどめずに、プレイヤーの力量でペナルティーの問題を裁かせるというルールはよく練り込んであると思います。
モンテクリスト伯の秘密(Le Secret de Monte Cristo 英題:The Secret of Monte Cristo)

「モンテクリスト伯」は アレクサンドル・デュマの作品。無実の罪でイフ島の監獄に入れられたエドモン・ダンテスは14年後に脱獄に成功し、モンテクリスト島の財宝を手に入れてモンテクリスト伯と名乗り、かつて自分を陥れた者達に復讐していく。 日本では「巌窟王」の名で知られています。

ゲームではイフ島に隠された財宝を探しにマルセイユから人がやってきます。ミープル(人駒)を使ったワーカープレイスメントゲームです。
初期の駒は2個で、残りはストックとしてボード右上にあるマルセイユに置かれます。財宝を巾着袋にいれ、そこからランダムに6個取り出し、イフ城の6カ所に配置します。
このゲームではプレイする順番がアクションスライド台によって決まります。

アクションスライド台。玉の色は各プレイヤーの色に対応しており、各列一番下にある玉の色のプレイヤーがアクションを選択できます。アクション実行後は自分の色の玉をほかのアクションの列の一番上に置きます。ダージリンのように傾斜がついていて上の玉が下に転がるようになっています。
左からカードを引くアクション、駒を配置するアクション、財宝を配置するアクション、アクションの順番、または財宝の価値を入れかえるアクション。アクションは左側から右へ移行します。玉の置き方次第では同じプレイヤーが続けて違うアクションを実行することもあります。
1)カードを引くアクション。
カードを山札から人数分引いて裏返します。その後、このアクションを選んだプレイヤーが各プレイヤーに一枚ずつ選んで渡します。カードにはイフ島に向かう人と色付きのバックが描かれています。カード毎に人数やバッグの数、色が違います。

上のカードをもらったプレイヤーは自分の駒をマルセイユから2つ手持ちに加え、あとで青の財宝を2つ分、取ることができます(後述)。
2)駒を配置するアクション。
手持ちの駒をボードに配置します。このアクションを選んだプレイヤーは3つまでミープルを配置することができます。他のプレイヤーは一個だけ配置できます。
配置できるのはイフ島の6カ所とボード上部(ボーナススペース)にある4つのアクション。
4つのアクションはそれぞれ左から
2-A) 置くだけですぐに2点入る。
2-B) 山札の一番上のカードを裏向きのまま手元に置く。(後述)
2-C) イフ城にミープルを2個配置できる
2-D) マルセイユからミープルを3つ手元に取る。
なおA~Dのアクションは同じアクションは選べません。
3)財宝を配置するアクション。
巾着袋から財宝を3つ取り、イフ城にある6カ所のうちいずれかに配置します。ただし一カ所につき、一つまでで同じ場所に複数の財宝を置くことはできません。
4)アクション、または財宝の価値の順番を変えるアクション。
スライド台にある玉を2つ先の玉まで入れ替える、あるいは財宝の価値を上2つまで入れ替える。
入れ替えるというよりは「割り込ませる」といった表現が正しいかもしれません。

たとえは上の写真では白の価値を2つ上げたい場合、
白の宝石を青の宝石の位置に移し、青を黄色の宝石のある場所に移し、黄色を白のあった場所に移します。
(白と青の位置を入れ替えるわけではない)
各アクションは1から4までを繰り返しますが、 上述のようにプレイヤーの順番はアクションスライド台に依存するので同じプレイヤーが別のアクションを続けてプレイすることがありえます。
得点計算
財宝は5種類で1から3の数字がついています。四分円に近い形をしていて、4つに切り分けたピザみたいなものでしょうか。4つで円(ピザ)が完成します。イフ城のどこか一カ所でも円が完成したら得点計算に入ります。
イフ城にある6カ所のうちAからFの順番を厳守して財宝を回収します。
まずその場所での優先順位を決めます。
優先順位は、
その場所でもっとも駒を多く配置したプレイヤー
同数の場合はより先に配置したプレイヤー
になります。
優先順位一番のプレイヤーはそこに配置された財宝と自分の手にしたカードを照らし合わせて好きな財宝を入手します。
たとえば赤3の財宝があり、赤のバック3つが描かれたカードを持っていれば、カードと引き換えに財宝を入手できます。その後、自分の駒をマルセイユに戻します。 優先順位一番のプレイヤーが複数の駒を配置して、まだ駒が残っていればそのまま続けて財宝を選ぶことができます。
財宝が全部回収されるか、あるいはカードの状況からもうだれも入手できない場合は次の場所に移ります。
注:2-B)で得たカードは自分の好きな色のバッグ一個として使えます。
6カ所、全ての財宝の入手が終わったらボードに残った駒の整理をします。
イフ島にある駒は場所を空いたスペースを埋めるために上にずらし、ボーナススペースに配置した駒はマルセイユに戻します。
財宝入手に使ったカードは捨て札のある場所に置きます。山札が無くなった場合は捨て札をよく切って新たな山札にします。
その後、各自入手した財宝の得点計算に入ります。
色の数字と色の価値を掛け合わせた合計が得点になります。
例:
あるプレイヤーの入手した財宝が赤2、青3、白1で
財宝の価値が赤3、白2、緑2、青1、黄1の場合
赤:3 X 2 = 6
青:1 X 3 = 3
白:2 X 1 = 2
計11点。
計算を終えた財宝は巾着袋に戻します。
財宝を選ぶアクションをしたプレイヤーが自分の玉をほかのアクションの列上部に置いたら次のアクションに移ってゲームを続けます。
ゲーム終了
全員の計算を終えて誰かが40点を超えたらその時の最高得点者が勝利します。
所感
最初の駒が2つしかなく、どう手持ちの駒の数を増やすか、どう配置するかいろいろ考える要素があります。ゲーム中に手持ちの駒の数は変動するので自分だけではなくほかのプレイヤーの駒の数もつねに目を配らせなくてはいけません。
選ぶアクションのうち、ほとんどが「自分も得するが誰かも得する」という要素があります。そのため、他人の利益は最小限に抑える工夫が必要です。例えばカードを選ぶアクションでは全員がなんらかの利益を得ますが、マルセイユにもう駒がないプレイヤーには、バッグの色だけ気にすればいい訳です。またすでに手持ちにあるカードと同じ色のバッグのカードだけあげると、そのプレイヤーは財宝入手の選択肢を狭まれます。
とはいえこのゲームではカードを選ぶ、財宝を選ぶアクションはランダム要素です。
とりわけ財宝を選ぶアクションはかなり運に左右されます。自分だけが得するようにアクションを選んだとしても、出てきた財宝の色によっては、駒の配置や手持ちのカードからどうやっても他のプレイヤーだけが得するような状況になることもあります。
そういう不測(?)の事態に備えて他のアクションで補完するということが大事になってきます。そのためにアクションスライド台でのアクションの順番をよく考えて、「この場合にはこのアクションで、このアクションの順番を変える」、など「アクションのコンビネーション」を考えておくことが一つの鍵になりそうです。
ゲーム内容はあまり「モンテクリスト伯」とは関係ないので原作のファンはその点については期待してはいけません。
まとめ
ワーカープレイスメントにカードと財宝という運に大きく左右される要素を大胆に取り入れ、かつアクションスライド台で戦略性を持たせるというアイディアは買っていいのではないかと思います。
財宝の運の要素に左右されるということに備えてアクションスライド台で「先の先」の布石をしておくということに面白さを見いだせれば好感を持てると思います。
80日間世界一周 (仏題:Le tour du Monde en 80 jours 英題:Around the world in 80 days)

同名の原作(ジュール・ベルヌ著)をもとにしたゲーム。プレイヤーは80日以内にさまざまな交通手段を駆使して世界一周を目指します。
交通手段は汽車、船など。各アクションとそこに置かれたカードを選んでプレイします。アクションはイベントカードを手に入れたり、手持ちのカードを交換したりといろいろあります。気球のアクションを選ぶとダイスで日数を稼ぐこともできます。

イベントカードは魅力的な効果があるものが多いのですが、中には他のプレイヤーのイベントカードを全部捨てさせるカードがあり、このカードが出される度、周りからため息が漏れます。
中盤以降になると逆転しづらく、もう誰が勝つかある程度予想できてしまう場合もありますが、6人までできるパーティーゲームとしてとらえるなら及第点でしょう。
ディガー (Digger)

ダイスを振って限られた時間で宝石をできるだけ多く入手するゲーム。

ダイスは赤、黄、緑、白、青、黒の丸の面で構成されています。

プレイヤーのプレート。 色によって得点が違います。色の得点は各自共通。
遊び方
各自プレートを受け取ります。キューブをストックとして中央に、その横にゲームの缶を置いておきます。
手番のプレイヤーの右隣の人が砂時計で時間(30秒)を計ります。手番のプレイヤーに砂時計が見えないようにします。
(とはいえ、手番のプレイヤーは実際にはよそ見などしている余裕はありません)
砂時計を逆さまにしてアクションスタート。
手番で5つのダイスを同時に振ります。
出たダイスの色が赤、黄、緑、白、青で同じ色が一個だけの場合、その色のキューブを各一個だけストックから取ります。
例:ダイスが赤、白、緑、緑、青の場合
ストックから赤、白、青のキューブを1個ずつ取る。
例:ダイスが赤、赤、青、青、青の場合
どれもとれない。
ダイスの色が黒の場合。(後述)
ストックから取ったらプレイヤーは続けるか、プレイを終えるか選択します。
プレイを続ける場合
また5つのダイスを振って同様のアクションを続ける。
プレイを終える場合。
ストックから入手した赤、黄、緑、白のキューブを自分のプレートの対応する色の場所へ載せる。2個以上ある場合は垂直に積み上げる。
ストックから入手した青色のキューブを全て缶にいれる。
「終了」と宣言する。
砂時計の砂が落ちる前に終わらせなければいけません。途中で砂が落ちきってしまったらその時点でアクションを中止。プレートに載せていないキューブは全てストックに戻します。
ダイスの色が黒の場合。
黒のダイスが一個だけの場合、残りのダイスで 赤、黄、緑、白のうちが一個だけでている色があれば、その色のキューブを他のプレイヤーから盗むことができる。
例:ダイスが黒、白、緑、赤、赤の場合
白と緑を各一個まで盗むことができる。
ただしこの動作は丁寧にしなければならず、他のプレイヤーの積みあげられたキューブを倒してしまうとそこでアクションは強制終了になります。
盗む動作は強制ではありません。黒の面が一個だけ出ても盗むかストックからとるか選択できます。
例: 黒、白、白、黄、青
青をストックから取る。黄は誰かから盗むかストックから取るか選択できる。
黒の面が2個以上出た場合。
盗むことはできません。残りのダイスの色に依存してプレイします。
プレイが終わった人は砂時計を準備して、左隣りのプレイヤーの番になります。
全ての青色のキューブが缶に入れられたらゲーム終了。各自得点を計算して最高得点者の勝利。

裏面は キューブの色の点が各自違います。一個のキューブの得点が大きいので「盗む」ことが重要になってきます。
所感
つなぎとして遊べますが、むしろ子供と遊んだ方がより面白いでしょう。ルールはシンプルで、5人でプレイしても5分と掛からなく、さくっと遊べると思います。
今回は軽めのゲームからやや重めのゲームまでプレイしましたが多人数でのパーティーゲームとしていくつか参考になるゲームをプレイできたのは収穫です。

積まれたゲーム。

今回は友人と参加。

日本のゲームもありました。
イノヴェーション (Innovation)

カードの効果を利用して得点をしていくGlory to Romeのような感じのゲームです。

手持ちのカードを自分の周りに配置していきます。カードは複数の色があり、色毎にカードを重ねていきます。

ゲームの流れは先史時代から近代に至るまで移行していきます。Glory to Romeのようにカードを自分のボードに下に重ねて得点にします。

カードにはいろんな効果があり、一回では把握しきれません。相手のカードを奪ったり、 ギャンブルのように場合によっては墓穴を掘るようなアクションもあります。



特徴的なのは重ねたカードを上下左右にスライドすること。これによりカードに表示されるアイコンの数を変えることができます。このアイコンの数により効果を発動するカードもあるのでスライドさせる方向も重要になってきます。
所感
あまりのカードの効果の多さに、初回ではカードゲームをプレイしているというよりはカードに振り回されている印象をうけます。人によっては途中でもうお腹いっぱいになるかもしれません。
プレイ時間は1時間15分ほど。初回のプレイでは効果がよくわからないカードもあり、今回は2人でプレイしましたが、4人でプレイしたら誰かがあらかじめテストプレイしない限り恐ろしく時間が掛かるでしょう。
いろいろな戦略をたてられるゲームだとは思うのですが、おびただしい数のカードの効果を覚えきれるか、そこまでの気力が保てるか、プレイヤー次第になりそうです。
タイムライン (Timeline)

同名のゲームがいくつかありますがこちらは最近フランスから出たカードゲーム。カードに描かれた発明品や発見などを年代順に並べていきます。似たようなゲームがすでにあります(後述)。

カードにはイラストが描かれています。裏側にはそれが発明、発見された年号が表記されています。イラストは一枚一枚丁寧に描かれています。
最初に決められた数のカードを年号が見えないように表向きにして各プレイヤーの前に配ります。
次にカード1枚を山札からとり、それが発明された年がわかるように 裏向きにして 中央に置きます。 プレイヤーは手持ちのカードが発明された年が場にあるカードの前か後か考えてカードを置きます。前なら左側に、後なら右側に置きます。そのカードを裏返して正解したらそのままそこに置き、間違っていたらそのカードを箱にしまい、山札から一枚引いて手元に加えます。次のプレイヤーが同じようにカードを置いていきます。
あるターンで1人だけ最後のカードを置くことに成功したらそのプレイヤーの勝ち。同じターンに複数のプレイヤーが最後のカードを置くことに成功したら、置けなかったプレイヤーははずれ、最後のカードを置けたプレイヤーだけが山札からカードを一枚ずつ引いて最後の1人になるまでゲームを続けます。
知識と勘(?)だけ必要であまり戦略がないようにも見えますが、カードは後から出すとどんどん条件が厳しくなっていくので自信のないカードは早めに出し、自信のあるカードは後にとっておくということも一案です。
ゲーム会のつなぎとして遊べますが、それほど時間もかからず2人から8人まで遊べ、シンプルなルールで年齢性別を問わず遊べるのは魅力です。
非ゲーマー向けといえますが、逆に見れば普段ゲームをしない人や、ゲームに興味のない人でも取っ付きやすいのではないかと思います。
なんといっても奇麗なイラストは見ていて飽きません(タイムラインのイラスト)。そして「へぇ~、こんなものが、こんな時代に」といった新たな発見があったりしてプレイ後は少し得した気分になります。
同類のゲームについて
古くはクロノロジー(Chronology)というゲームがアメリカから、アンノ・ドミニ(Anno Domini)というゲームがドイツから出てますが、ルールに多少違いはあるものの、ゲームの流れは基本的に似ています。
これらについてフェドゥッティのサイトに紹介されています(こちら)。
違いを簡単に言えば、クロノロジーはカードが多く(タイムラインの4倍以上)、アンノ・ドミニはかなり多くのジャンルが発売されています。これに対してタイムラインはカードのイラストが非常に奇麗で、イラストからあまり言語依存せず、ケースも小さく上の2つに比べて廉価版と言えます。また最近、タイムライン「発見」が新たに出たようです。
もし自分が購入するならイラスト重視で廉価版のタイムラインでしょうか。
ロンドン (London)

1666年に起こったロンドン大火(The Great Fire of London)から街を復興させるゲーム。
カードとお金を駆使して勝利点を稼いでいきます。カードの建設は同じ色のカードをボードのスペースに置くことでできます。ボード上に置かれたカードは他のプレイヤーがあとで取ることもできます。
一般にカードゲームはカードを溜め込むのが有効で、ゲーム展開が単調にならないためにも手札の枚数制限があったり、カードを貯めすぎるとペナルティーがあったりします。しかしこのゲームではカードを9枚まで貯めることができます。ただしあるアクションをすると手札の数がそのままペナルティーになります。
プレイヤーが建てられるカードにはさまざまな効果があります。
建てたカードの効果を発動させるとお金や勝利点が入ったりするのですが、その後、自分が建てたエリアの数と手札のカードの数に応じてペナルティーを受け取らなければいけません。
いろいろ建ててエリアを拡げれば、効果も随時選べるし、手持ちのカードが多ければそれだけ選択肢が増えます。それが効果を発揮させる時にマイナス点として返ってきます。
お金が貯まったら土地を買うことができます。土地を買うとそこに表示された数字の勝利点とカードを手札に加えることができます。また買った土地の数に応じてペナルティーを少なくできます。土地を買ってカードや勝利点が入るのはうれしいのですが、必要以上にカードを貯めてしまうと建てたカードの効果を発動させにくくなります。
所感
お金は欲しいし、さりとてマイナス点は食らいたくない。このハンドマネジメントがこのゲームの面白さの一つと言えます。
果たしてゲームボードが必要なのかと思うほどカードのアクションに依存したゲームにも見えます。
カードを溜め込んだ方が有利というカードゲームで生じる問題点を、単に枚数の制限にとどめずに、プレイヤーの力量でペナルティーの問題を裁かせるというルールはよく練り込んであると思います。
モンテクリスト伯の秘密(Le Secret de Monte Cristo 英題:The Secret of Monte Cristo)

「モンテクリスト伯」は アレクサンドル・デュマの作品。無実の罪でイフ島の監獄に入れられたエドモン・ダンテスは14年後に脱獄に成功し、モンテクリスト島の財宝を手に入れてモンテクリスト伯と名乗り、かつて自分を陥れた者達に復讐していく。 日本では「巌窟王」の名で知られています。

ゲームではイフ島に隠された財宝を探しにマルセイユから人がやってきます。ミープル(人駒)を使ったワーカープレイスメントゲームです。
初期の駒は2個で、残りはストックとしてボード右上にあるマルセイユに置かれます。財宝を巾着袋にいれ、そこからランダムに6個取り出し、イフ城の6カ所に配置します。
このゲームではプレイする順番がアクションスライド台によって決まります。

アクションスライド台。玉の色は各プレイヤーの色に対応しており、各列一番下にある玉の色のプレイヤーがアクションを選択できます。アクション実行後は自分の色の玉をほかのアクションの列の一番上に置きます。ダージリンのように傾斜がついていて上の玉が下に転がるようになっています。
左からカードを引くアクション、駒を配置するアクション、財宝を配置するアクション、アクションの順番、または財宝の価値を入れかえるアクション。アクションは左側から右へ移行します。玉の置き方次第では同じプレイヤーが続けて違うアクションを実行することもあります。
1)カードを引くアクション。
カードを山札から人数分引いて裏返します。その後、このアクションを選んだプレイヤーが各プレイヤーに一枚ずつ選んで渡します。カードにはイフ島に向かう人と色付きのバックが描かれています。カード毎に人数やバッグの数、色が違います。

上のカードをもらったプレイヤーは自分の駒をマルセイユから2つ手持ちに加え、あとで青の財宝を2つ分、取ることができます(後述)。
2)駒を配置するアクション。
手持ちの駒をボードに配置します。このアクションを選んだプレイヤーは3つまでミープルを配置することができます。他のプレイヤーは一個だけ配置できます。
配置できるのはイフ島の6カ所とボード上部(ボーナススペース)にある4つのアクション。
4つのアクションはそれぞれ左から
2-A) 置くだけですぐに2点入る。
2-B) 山札の一番上のカードを裏向きのまま手元に置く。(後述)
2-C) イフ城にミープルを2個配置できる
2-D) マルセイユからミープルを3つ手元に取る。
なおA~Dのアクションは同じアクションは選べません。
3)財宝を配置するアクション。
巾着袋から財宝を3つ取り、イフ城にある6カ所のうちいずれかに配置します。ただし一カ所につき、一つまでで同じ場所に複数の財宝を置くことはできません。
4)アクション、または財宝の価値の順番を変えるアクション。
スライド台にある玉を2つ先の玉まで入れ替える、あるいは財宝の価値を上2つまで入れ替える。
入れ替えるというよりは「割り込ませる」といった表現が正しいかもしれません。

たとえは上の写真では白の価値を2つ上げたい場合、
白の宝石を青の宝石の位置に移し、青を黄色の宝石のある場所に移し、黄色を白のあった場所に移します。
(白と青の位置を入れ替えるわけではない)
各アクションは1から4までを繰り返しますが、 上述のようにプレイヤーの順番はアクションスライド台に依存するので同じプレイヤーが別のアクションを続けてプレイすることがありえます。
得点計算
財宝は5種類で1から3の数字がついています。四分円に近い形をしていて、4つに切り分けたピザみたいなものでしょうか。4つで円(ピザ)が完成します。イフ城のどこか一カ所でも円が完成したら得点計算に入ります。
イフ城にある6カ所のうちAからFの順番を厳守して財宝を回収します。
まずその場所での優先順位を決めます。
優先順位は、
その場所でもっとも駒を多く配置したプレイヤー
同数の場合はより先に配置したプレイヤー
になります。
優先順位一番のプレイヤーはそこに配置された財宝と自分の手にしたカードを照らし合わせて好きな財宝を入手します。
たとえば赤3の財宝があり、赤のバック3つが描かれたカードを持っていれば、カードと引き換えに財宝を入手できます。その後、自分の駒をマルセイユに戻します。 優先順位一番のプレイヤーが複数の駒を配置して、まだ駒が残っていればそのまま続けて財宝を選ぶことができます。
財宝が全部回収されるか、あるいはカードの状況からもうだれも入手できない場合は次の場所に移ります。
注:2-B)で得たカードは自分の好きな色のバッグ一個として使えます。
6カ所、全ての財宝の入手が終わったらボードに残った駒の整理をします。
イフ島にある駒は場所を空いたスペースを埋めるために上にずらし、ボーナススペースに配置した駒はマルセイユに戻します。
財宝入手に使ったカードは捨て札のある場所に置きます。山札が無くなった場合は捨て札をよく切って新たな山札にします。
その後、各自入手した財宝の得点計算に入ります。
色の数字と色の価値を掛け合わせた合計が得点になります。
例:
あるプレイヤーの入手した財宝が赤2、青3、白1で
財宝の価値が赤3、白2、緑2、青1、黄1の場合
赤:3 X 2 = 6
青:1 X 3 = 3
白:2 X 1 = 2
計11点。
計算を終えた財宝は巾着袋に戻します。
財宝を選ぶアクションをしたプレイヤーが自分の玉をほかのアクションの列上部に置いたら次のアクションに移ってゲームを続けます。
ゲーム終了
全員の計算を終えて誰かが40点を超えたらその時の最高得点者が勝利します。
所感
最初の駒が2つしかなく、どう手持ちの駒の数を増やすか、どう配置するかいろいろ考える要素があります。ゲーム中に手持ちの駒の数は変動するので自分だけではなくほかのプレイヤーの駒の数もつねに目を配らせなくてはいけません。
選ぶアクションのうち、ほとんどが「自分も得するが誰かも得する」という要素があります。そのため、他人の利益は最小限に抑える工夫が必要です。例えばカードを選ぶアクションでは全員がなんらかの利益を得ますが、マルセイユにもう駒がないプレイヤーには、バッグの色だけ気にすればいい訳です。またすでに手持ちにあるカードと同じ色のバッグのカードだけあげると、そのプレイヤーは財宝入手の選択肢を狭まれます。
とはいえこのゲームではカードを選ぶ、財宝を選ぶアクションはランダム要素です。
とりわけ財宝を選ぶアクションはかなり運に左右されます。自分だけが得するようにアクションを選んだとしても、出てきた財宝の色によっては、駒の配置や手持ちのカードからどうやっても他のプレイヤーだけが得するような状況になることもあります。
そういう不測(?)の事態に備えて他のアクションで補完するということが大事になってきます。そのためにアクションスライド台でのアクションの順番をよく考えて、「この場合にはこのアクションで、このアクションの順番を変える」、など「アクションのコンビネーション」を考えておくことが一つの鍵になりそうです。
ゲーム内容はあまり「モンテクリスト伯」とは関係ないので原作のファンはその点については期待してはいけません。
まとめ
ワーカープレイスメントにカードと財宝という運に大きく左右される要素を大胆に取り入れ、かつアクションスライド台で戦略性を持たせるというアイディアは買っていいのではないかと思います。
財宝の運の要素に左右されるということに備えてアクションスライド台で「先の先」の布石をしておくということに面白さを見いだせれば好感を持てると思います。
80日間世界一周 (仏題:Le tour du Monde en 80 jours 英題:Around the world in 80 days)

同名の原作(ジュール・ベルヌ著)をもとにしたゲーム。プレイヤーは80日以内にさまざまな交通手段を駆使して世界一周を目指します。
交通手段は汽車、船など。各アクションとそこに置かれたカードを選んでプレイします。アクションはイベントカードを手に入れたり、手持ちのカードを交換したりといろいろあります。気球のアクションを選ぶとダイスで日数を稼ぐこともできます。

イベントカードは魅力的な効果があるものが多いのですが、中には他のプレイヤーのイベントカードを全部捨てさせるカードがあり、このカードが出される度、周りからため息が漏れます。
中盤以降になると逆転しづらく、もう誰が勝つかある程度予想できてしまう場合もありますが、6人までできるパーティーゲームとしてとらえるなら及第点でしょう。
ディガー (Digger)

ダイスを振って限られた時間で宝石をできるだけ多く入手するゲーム。

ダイスは赤、黄、緑、白、青、黒の丸の面で構成されています。

プレイヤーのプレート。 色によって得点が違います。色の得点は各自共通。
遊び方
各自プレートを受け取ります。キューブをストックとして中央に、その横にゲームの缶を置いておきます。
手番のプレイヤーの右隣の人が砂時計で時間(30秒)を計ります。手番のプレイヤーに砂時計が見えないようにします。
(とはいえ、手番のプレイヤーは実際にはよそ見などしている余裕はありません)
砂時計を逆さまにしてアクションスタート。
手番で5つのダイスを同時に振ります。
出たダイスの色が赤、黄、緑、白、青で同じ色が一個だけの場合、その色のキューブを各一個だけストックから取ります。
例:ダイスが赤、白、緑、緑、青の場合
ストックから赤、白、青のキューブを1個ずつ取る。
例:ダイスが赤、赤、青、青、青の場合
どれもとれない。
ダイスの色が黒の場合。(後述)
ストックから取ったらプレイヤーは続けるか、プレイを終えるか選択します。
プレイを続ける場合
また5つのダイスを振って同様のアクションを続ける。
プレイを終える場合。
ストックから入手した赤、黄、緑、白のキューブを自分のプレートの対応する色の場所へ載せる。2個以上ある場合は垂直に積み上げる。
ストックから入手した青色のキューブを全て缶にいれる。
「終了」と宣言する。
砂時計の砂が落ちる前に終わらせなければいけません。途中で砂が落ちきってしまったらその時点でアクションを中止。プレートに載せていないキューブは全てストックに戻します。
ダイスの色が黒の場合。
黒のダイスが一個だけの場合、残りのダイスで 赤、黄、緑、白のうちが一個だけでている色があれば、その色のキューブを他のプレイヤーから盗むことができる。
例:ダイスが黒、白、緑、赤、赤の場合
白と緑を各一個まで盗むことができる。
ただしこの動作は丁寧にしなければならず、他のプレイヤーの積みあげられたキューブを倒してしまうとそこでアクションは強制終了になります。
盗む動作は強制ではありません。黒の面が一個だけ出ても盗むかストックからとるか選択できます。
例: 黒、白、白、黄、青
青をストックから取る。黄は誰かから盗むかストックから取るか選択できる。
黒の面が2個以上出た場合。
盗むことはできません。残りのダイスの色に依存してプレイします。
プレイが終わった人は砂時計を準備して、左隣りのプレイヤーの番になります。
全ての青色のキューブが缶に入れられたらゲーム終了。各自得点を計算して最高得点者の勝利。

裏面は キューブの色の点が各自違います。一個のキューブの得点が大きいので「盗む」ことが重要になってきます。
所感
つなぎとして遊べますが、むしろ子供と遊んだ方がより面白いでしょう。ルールはシンプルで、5人でプレイしても5分と掛からなく、さくっと遊べると思います。
今回は軽めのゲームからやや重めのゲームまでプレイしましたが多人数でのパーティーゲームとしていくつか参考になるゲームをプレイできたのは収穫です。
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