ボードゲーム アリアラ
前回のパーティーで気になったゲーム、アリアラ(ARRIALA Canal de Garonne アリアラ キャナル ドゥ ギャロンヌ)をプレイ。
アリアラとはオック語で「運河」を意味する言葉。

フランス南部にあるガロンヌ運河を建設して得点を競うご当地ゲーム。

ガロンヌ運河はトゥールーズ(Toulouse)から大西洋側へ下る運河(地図上で緑の線)で同じくトゥールーズから地中海へ下るのがミディ運河(青の線)。
日本人にはなじみが薄いですが、「地球の歩き方」にはミディ運河が紹介されています。
作者のフロリアン・フェイはゲーム好きの数学教師で今回が彼の処女作。イラストはコミックなど手がけているポール・フィリッピ。彼もゲームにかかわるのはこれが初めて。Tarn-et-Garonneで開かれたゲームのコンテストで賞を獲った作品です。
ゲームの流れ
手持ちの駒5つを使って運河を完成させていきます。
プレイヤーは以下の8つのアクションから5アクションポイントまで消費してプレイできます。
駒(他人のも含む)を1マス移動する
カードをプレイする
駒を運河からぶどう畑に移動する
カードを1枚引く
手持ちの駒を運河に配置する
駒を河岸工事現場へ移動する
駒をぶどう畑から運河へ移動する
水門を設置する(1点獲得)
街以外運河の各スペースには一つの駒しか置けません。
街と街、あるいは街と水門の間のスペースが駒で埋まるとそこに配置された全ての駒(他のプレイヤーの駒も含む)の数に応じて得点が入ります。全ての運河が完成するとゲーム終了です。

アクションはボード上に描かれています。右は運河に配置された人数に応じて入る得点。

写真では運河が全て駒で埋まり、赤がもっとも多いので総人数分(4人)に応じた得点(6点)が赤に入ります。
しかし同点の場合は両者にも得点が入らず、第3位のプレイヤーが居る場合にはそのプレイヤーに点が入ります。

写真では紫に8点入ります。
この「漁父の利」のルールはゲームとしては面白いのですが、釈然としない人もいるかもしれません。が、このルールにより運河に駒を配置した当事者だけでなく4者4様の展開が起こります。

たとえば4人プレイ(赤、黄、緑、紫)の場合、写真では
赤は空いたスペースに黄色以外の駒を置ければ、運河が完成し、12点入ります。
黄色は赤の駒を運河の外に動かしてなんとか優勢にもっていきたいところ。
紫は空いたスペースにもう一つ黄色の駒を置ければ、赤、黄色が同順位となり、紫に12点入ります
緑は空いたスペースに水門を設置すると、赤、黄、紫のすべての目論見をおしゃかにできます。緑は1点獲得。
もっとも実際にはカードをうまく駆使すれば このような足の引っ張り合いが頻繁に起こるわけではありません。(プレイヤーによる?)

運河が完成したあとは青いバーが置かれます。ここはもう得点の対象にならなくなります。
ゲームの展開
このゲームは最初の運河が完成する前と完成した後で展開が変わります。
運河が完成する前はさきほどのような攻防が起こるわけですが、何せ駒が5つしかないので、いったん運河が完成するとそこにいる駒はまだ完成していない運河に移る必要があります。この移動にカードやぶどう畑が絡んできます。
駒を運河からぶどう畑へ移動する、あるいは他のプレイヤーによって移動させられる場合、メリットとデメリットが生じます。
ぶどう畑にいるメリットとデメリット

メリット
アクションポイントまたはカードを消費することで運河のどの場所にも駒を配置できる。
ゲームの最後でそのぶどう畑にもっとも多く自分の駒が置かれていれば得点が入る。
デメリット
運河に移動するには4アクションポイントも必要。あるいは駒を運河に移動できるカードがあれば1アクションポイントだが、そのカードを入手する必要がある。
ぶどう畑に配置した駒に得点が入るのはゲームの最後。
運河上の自分の駒をぶどう畑へ移動し、 同じターンでその駒をまた運河へ戻すのは禁じられています。したがってあらかじめ前の手番で駒をぶどう畑に配置しておくのも一つの手になります。
カード

ぶどう畑に移動させるカード、運河に移動させるカードなど。カード上部中央の星のようなマーク(*)は他のプレイヤーの駒も動かせます。(クリックすることで拡大されます)カードの使用は強力で1APしか消費しないので、カードを貯め込むのも一つの戦術にも思えるのですが、自分の手持ちの駒を配置しないことには点が入らない上、思いのほかゲームは早く終わるので、どのタイミングでカードを使ってたたみかけるかがポイントになります。
*このマークはオクシタニア旗にあるもので、ゲーム自体がタイトルといい、オック語の影響を色濃く残そうとしているのかもしれません。あくまで自分の推測ですが。。。

このカードを使うことで5点入ります。しかし自分が最下位のときにしか使えないので使うタイミングが重要です。
まとめ
「漁父の利」ルール、足を引っ張りあうゲームが嫌な人には向いていないかもしれません。それが気にならなければ時間はそれほどかからない(3人でプレイして30分程度)ので2、3回は気軽にプレイできます。考えることはそれなりにあるけれど、それほど時間はかからずコンパクトに仕上がっているのではないかと思います。
拡張
このゲームには「リケの魂(L’esprit de Riquet)」という拡張があります。

リケ(ピエール-ポール・リケ Pierre-Paul Riquet)はさきに述べたミディ運河を作った人(完成間近で亡くなっている)。ゲームでは彼の魂がガロンヌ運河建設に参加します。
リケの駒は透明で通常の駒よりひとまわり大きくなっています。
基本ルールに変わりはなく、この駒をモントバン(Montauban)の街に置いてゲームを始めます。
リケの駒は
1)手番で通常の駒と同様にAPを消費して移動させることができる。
2)カードを使ったプレイはできない。
3)手番に1度だけAPを消費せずに任意の街に移動させることができる
4)移動できるのは街か運河上のみ。ぶどう畑等には移動できない。
5)駒は任意の参加プレイヤーの色に指定できる。
下はルールに載っている使用例

初期位置

街に移動し(0AP消費)

1マス移動(1AP消費)で運河の完成。
駒は好きな色に指定できるので
A) 黄色ならばこの駒を黄色に指定して得点できます。
B) しかし黄色、緑色以外のプレイヤーの場合、この駒を緑色に指定すると、黄色、緑色とも無得点になります。
うーむ、意地悪も拡張されているというべきか。。。
アリアラとはオック語で「運河」を意味する言葉。

フランス南部にあるガロンヌ運河を建設して得点を競うご当地ゲーム。

ガロンヌ運河はトゥールーズ(Toulouse)から大西洋側へ下る運河(地図上で緑の線)で同じくトゥールーズから地中海へ下るのがミディ運河(青の線)。
日本人にはなじみが薄いですが、「地球の歩き方」にはミディ運河が紹介されています。
作者のフロリアン・フェイはゲーム好きの数学教師で今回が彼の処女作。イラストはコミックなど手がけているポール・フィリッピ。彼もゲームにかかわるのはこれが初めて。Tarn-et-Garonneで開かれたゲームのコンテストで賞を獲った作品です。
ゲームの流れ
手持ちの駒5つを使って運河を完成させていきます。
プレイヤーは以下の8つのアクションから5アクションポイントまで消費してプレイできます。
駒(他人のも含む)を1マス移動する
カードをプレイする
駒を運河からぶどう畑に移動する
カードを1枚引く
手持ちの駒を運河に配置する
駒を河岸工事現場へ移動する
駒をぶどう畑から運河へ移動する
水門を設置する(1点獲得)
街以外運河の各スペースには一つの駒しか置けません。
街と街、あるいは街と水門の間のスペースが駒で埋まるとそこに配置された全ての駒(他のプレイヤーの駒も含む)の数に応じて得点が入ります。全ての運河が完成するとゲーム終了です。

アクションはボード上に描かれています。右は運河に配置された人数に応じて入る得点。

写真では運河が全て駒で埋まり、赤がもっとも多いので総人数分(4人)に応じた得点(6点)が赤に入ります。
しかし同点の場合は両者にも得点が入らず、第3位のプレイヤーが居る場合にはそのプレイヤーに点が入ります。

写真では紫に8点入ります。
この「漁父の利」のルールはゲームとしては面白いのですが、釈然としない人もいるかもしれません。が、このルールにより運河に駒を配置した当事者だけでなく4者4様の展開が起こります。

たとえば4人プレイ(赤、黄、緑、紫)の場合、写真では
赤は空いたスペースに黄色以外の駒を置ければ、運河が完成し、12点入ります。
黄色は赤の駒を運河の外に動かしてなんとか優勢にもっていきたいところ。
紫は空いたスペースにもう一つ黄色の駒を置ければ、赤、黄色が同順位となり、紫に12点入ります
緑は空いたスペースに水門を設置すると、赤、黄、紫のすべての目論見をおしゃかにできます。緑は1点獲得。
もっとも実際にはカードをうまく駆使すれば このような足の引っ張り合いが頻繁に起こるわけではありません。(プレイヤーによる?)

運河が完成したあとは青いバーが置かれます。ここはもう得点の対象にならなくなります。
ゲームの展開
このゲームは最初の運河が完成する前と完成した後で展開が変わります。
運河が完成する前はさきほどのような攻防が起こるわけですが、何せ駒が5つしかないので、いったん運河が完成するとそこにいる駒はまだ完成していない運河に移る必要があります。この移動にカードやぶどう畑が絡んできます。
駒を運河からぶどう畑へ移動する、あるいは他のプレイヤーによって移動させられる場合、メリットとデメリットが生じます。
ぶどう畑にいるメリットとデメリット

メリット
アクションポイントまたはカードを消費することで運河のどの場所にも駒を配置できる。
ゲームの最後でそのぶどう畑にもっとも多く自分の駒が置かれていれば得点が入る。
デメリット
運河に移動するには4アクションポイントも必要。あるいは駒を運河に移動できるカードがあれば1アクションポイントだが、そのカードを入手する必要がある。
ぶどう畑に配置した駒に得点が入るのはゲームの最後。
運河上の自分の駒をぶどう畑へ移動し、 同じターンでその駒をまた運河へ戻すのは禁じられています。したがってあらかじめ前の手番で駒をぶどう畑に配置しておくのも一つの手になります。
カード

ぶどう畑に移動させるカード、運河に移動させるカードなど。カード上部中央の星のようなマーク(*)は他のプレイヤーの駒も動かせます。(クリックすることで拡大されます)カードの使用は強力で1APしか消費しないので、カードを貯め込むのも一つの戦術にも思えるのですが、自分の手持ちの駒を配置しないことには点が入らない上、思いのほかゲームは早く終わるので、どのタイミングでカードを使ってたたみかけるかがポイントになります。
*このマークはオクシタニア旗にあるもので、ゲーム自体がタイトルといい、オック語の影響を色濃く残そうとしているのかもしれません。あくまで自分の推測ですが。。。

このカードを使うことで5点入ります。しかし自分が最下位のときにしか使えないので使うタイミングが重要です。
まとめ
「漁父の利」ルール、足を引っ張りあうゲームが嫌な人には向いていないかもしれません。それが気にならなければ時間はそれほどかからない(3人でプレイして30分程度)ので2、3回は気軽にプレイできます。考えることはそれなりにあるけれど、それほど時間はかからずコンパクトに仕上がっているのではないかと思います。
拡張
このゲームには「リケの魂(L’esprit de Riquet)」という拡張があります。

リケ(ピエール-ポール・リケ Pierre-Paul Riquet)はさきに述べたミディ運河を作った人(完成間近で亡くなっている)。ゲームでは彼の魂がガロンヌ運河建設に参加します。
リケの駒は透明で通常の駒よりひとまわり大きくなっています。
基本ルールに変わりはなく、この駒をモントバン(Montauban)の街に置いてゲームを始めます。
リケの駒は
1)手番で通常の駒と同様にAPを消費して移動させることができる。
2)カードを使ったプレイはできない。
3)手番に1度だけAPを消費せずに任意の街に移動させることができる
4)移動できるのは街か運河上のみ。ぶどう畑等には移動できない。
5)駒は任意の参加プレイヤーの色に指定できる。
下はルールに載っている使用例

初期位置

街に移動し(0AP消費)

1マス移動(1AP消費)で運河の完成。
駒は好きな色に指定できるので
A) 黄色ならばこの駒を黄色に指定して得点できます。
B) しかし黄色、緑色以外のプレイヤーの場合、この駒を緑色に指定すると、黄色、緑色とも無得点になります。
うーむ、意地悪も拡張されているというべきか。。。
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