SPLITO (スプリト)
「二つの街の物語」という両隣のプレイヤーと協力するゲームがあります。今回はこの「二つの街の物語」のシステムを使ったカードゲーム、スプリト(SPLITO)について紹介したいと思います。

コンポーネントは説明書と2種類のカードのみ。目的カードと数字カード(*)があります。3人から8人までプレイできます。
*説明書ではスプリトカード(cartes splito)と表記されていますがここではわかりやすく数字カードで表記します。

数字カード。全6色で1から6まで2枚ずつあります。

目的カード。目的の条件を満たしていればカードの上隅に表記されているダイヤの数がゾーンの得点として加算されます。
プレイヤーは両隣のプレイヤーと共同でプレイします。
自分から見て右隣のプレイヤーに挟まれた場所を右ゾーン、左隣のプレイヤーに挟まれた場所を左ゾーンとして各ゾーンにカードを配置していきます。
ゲームの流れ
カード下に月のアイコンがついたカード(各色の大多数獲得を目的とするカード)と星のアイコンがついたカード(1から6の数字の大多数獲得を目的とするカード)からそれぞれ一枚ずつランダムに抜き取り、2枚を中央に配置する。これは全プレイヤー共通の目的カードとなる。

共通の目的カードの一例:この場合は4のカードを最も多く配置されたゾーン、黄色のカードを最も多く配置されたゾーンに点が入る。
残りのすべての目的カードと数字カードを混ぜて各プレイヤーは13枚のカードを受け取る。余りは箱にしまう。
各ターンの流れ
1) 全員、手札から一枚選んで同時に裏向きに右か左のゾーンにカードを置く。
2) 全員、カードを表向きにする。
3) 残りの手札を左隣のプレイヤーに渡す。
ゲームの終了
これを13ターン繰り返しすべてのカードを出し終えたらゲーム終了。
細かなルール
「手札に持っているカード、これからプレイしようとしているカード、完成させようとする目的カードが他人にわかるような言動は不可。」
得点計算
共通の目的カードの条件を獲得したゾーンを確認する。その後、各ゾーンのカードを比べて無効な目的カードは裏向きにし、表向きになっている目的カードはカードに表記されたダイヤの数だけ加算する。最後に左のゾーンの合計と右のゾーンの合計を掛け合わせた数値が得点。同点の場合は両ゾーンのカードの合計数が少ないほうが勝ち。
所感

「二つの街の物語」をプレイしたことがあるならプレイ感覚は何となく把握できるかと思います。片側だけに偏らせず、両側のゾーンを均等に加算させていかないと勝てません。そして何よりも両隣の人とうまくコミュニケーションがとれないとまずうまくいかないでしょう。
そしてこのコミュニケーションの方法に一癖あるのがフランスゲームの特徴ともいえます。
目的カードは以下のようなものがあります。

最大多数の条件は同数では無効になり、ペアは同じ数字2枚(色は問わない)のみで成立し、3枚以上集めてしまうと無効になります。色の得点条件はピッタリその色の数でなければ得点は無効になります。これらは後述のコミュニケーションで重要なポイントになります。
花火に似たプレイ感覚
黙々とプレイすると結構ガチなゲームなのですが、このゲームがフランスで受けている理由の一つは
「手札に持っているカード、これからプレイしようとしているカード、完成させようとする目的カードが他人にわかるような言動は不可。」
というルールにあります。
NG
例:
「(私たちのゾーンにある)この目的カード、自分が達成させるね。」
「あ、(手札に)6のカードが来た。ラッキー」
とはいったものの、これまたルールブックには上に書かれていることに抵触しないかぎり自分を助けることを誘導するのはOKと表記されています。
OK
例:
「(ゾーンに配置された)この目的カードまだ達成できてないねぇ」
「つぎ(のカード)はうちらのゾーンにプレイして(しないで)」
例えば自分たちのゾーンの中に「3のペアを作る」という目的カードを配置し、すでに3を一枚配置してある場合、もう一枚配置すれば目的条件達成ですが、コミュニケーション不足で二人とも3を同時に配置してしまうと目的カードが無効になってしまいます。
このとき相手に「自分が3のカードを置くから3は置かないで」とは言えません。(他のプレイヤーに自分の手札がわかるため)
そこで一工夫が必要なわけです。
ゾーンに「3色のみある場合 目的達成」あるいは「4色のみある場合、目的達成」といった目的カードも同様に対処しなければ無効になってしまいます。
言われた側は相手の言いたいことを察してプレイするわけですが、この辺のアドリブ感覚を楽しむのが受けているようです。どこまでいうのがOKでどこがNGか、この辺の線引きは微妙ですが、先述のように「他のプレイヤーに自分の手札がわかるようなことはアウト」という範疇で判断するところでしょうか。
日本人同士でプレイする場合、ルールが厳格であるべしとするプレイヤーがいた場合は賛否がわかれるかもしれません。
伝えたい情報を伝えずに伝える。これは「こちらの言いたいことを察して」という花火にも近い感覚です。ただ花火と違い、言われたその時に瞬時に判断するので記憶力は要求されません。覚えるのが苦手な人でも大丈夫です。
いろんな戦略
特定の数字カードを集める、あるいは集めないことで点数が入る目的カードがあるので矛盾しない目的カードの配置が重要になります。
また場合によっては手札に目的カードしか来なくてでもどれを出しても点数に結びつかないといったことがあります。達成できなかった目的カードは失点にはならないので、そのような場合は回りを見渡してほかのプレイヤーにわたらないように自分たちのゾーンに配置してしまうこともできます。
自分のゾーンに数字カードと目的カードを配置して得点を伸ばす必要がありますが、場合によっては目的カードだけ配置することでも点数が入ることがあります。

その数字が一枚もあってはならない。という目的カード。1から6まであるのでこれらの目的カードのみをゾーンに配置して1枚も数字カードをゾーンに出さずにそれだけで得点を稼ぐというペアもいました。数字カードを反対側のゾーンに集中させることができるので「こんな戦略もあるのか」と感心します。
まとめ

「二つの街の物語」のシステムが好きな人、花火のようなタイプのコミュニケーションが好きな人なら普通に楽しめるでしょう。
縛りのある会話の中でお互いの意思疎通が成功する嬉しさを味わえればより楽しめるし、なによりもこれがこの作品の売りの一つと言えます。そこで妙なアドリブや会話が生まれて笑いが起きるかもしれません。
ただゲーム会の中には隣同士でほとんど口を利かずに勝ってしまうゲーマーがいました。恐るべし。。。。

コンポーネントは説明書と2種類のカードのみ。目的カードと数字カード(*)があります。3人から8人までプレイできます。
*説明書ではスプリトカード(cartes splito)と表記されていますがここではわかりやすく数字カードで表記します。

数字カード。全6色で1から6まで2枚ずつあります。

目的カード。目的の条件を満たしていればカードの上隅に表記されているダイヤの数がゾーンの得点として加算されます。
プレイヤーは両隣のプレイヤーと共同でプレイします。
自分から見て右隣のプレイヤーに挟まれた場所を右ゾーン、左隣のプレイヤーに挟まれた場所を左ゾーンとして各ゾーンにカードを配置していきます。
ゲームの流れ
カード下に月のアイコンがついたカード(各色の大多数獲得を目的とするカード)と星のアイコンがついたカード(1から6の数字の大多数獲得を目的とするカード)からそれぞれ一枚ずつランダムに抜き取り、2枚を中央に配置する。これは全プレイヤー共通の目的カードとなる。

共通の目的カードの一例:この場合は4のカードを最も多く配置されたゾーン、黄色のカードを最も多く配置されたゾーンに点が入る。
残りのすべての目的カードと数字カードを混ぜて各プレイヤーは13枚のカードを受け取る。余りは箱にしまう。
各ターンの流れ
1) 全員、手札から一枚選んで同時に裏向きに右か左のゾーンにカードを置く。
2) 全員、カードを表向きにする。
3) 残りの手札を左隣のプレイヤーに渡す。
ゲームの終了
これを13ターン繰り返しすべてのカードを出し終えたらゲーム終了。
細かなルール
「手札に持っているカード、これからプレイしようとしているカード、完成させようとする目的カードが他人にわかるような言動は不可。」
得点計算
共通の目的カードの条件を獲得したゾーンを確認する。その後、各ゾーンのカードを比べて無効な目的カードは裏向きにし、表向きになっている目的カードはカードに表記されたダイヤの数だけ加算する。最後に左のゾーンの合計と右のゾーンの合計を掛け合わせた数値が得点。同点の場合は両ゾーンのカードの合計数が少ないほうが勝ち。
所感

「二つの街の物語」をプレイしたことがあるならプレイ感覚は何となく把握できるかと思います。片側だけに偏らせず、両側のゾーンを均等に加算させていかないと勝てません。そして何よりも両隣の人とうまくコミュニケーションがとれないとまずうまくいかないでしょう。
そしてこのコミュニケーションの方法に一癖あるのがフランスゲームの特徴ともいえます。
目的カードは以下のようなものがあります。

最大多数の条件は同数では無効になり、ペアは同じ数字2枚(色は問わない)のみで成立し、3枚以上集めてしまうと無効になります。色の得点条件はピッタリその色の数でなければ得点は無効になります。これらは後述のコミュニケーションで重要なポイントになります。
花火に似たプレイ感覚
黙々とプレイすると結構ガチなゲームなのですが、このゲームがフランスで受けている理由の一つは
「手札に持っているカード、これからプレイしようとしているカード、完成させようとする目的カードが他人にわかるような言動は不可。」
というルールにあります。
NG
例:
「(私たちのゾーンにある)この目的カード、自分が達成させるね。」
「あ、(手札に)6のカードが来た。ラッキー」
とはいったものの、これまたルールブックには上に書かれていることに抵触しないかぎり自分を助けることを誘導するのはOKと表記されています。
OK
例:
「(ゾーンに配置された)この目的カードまだ達成できてないねぇ」
「つぎ(のカード)はうちらのゾーンにプレイして(しないで)」
例えば自分たちのゾーンの中に「3のペアを作る」という目的カードを配置し、すでに3を一枚配置してある場合、もう一枚配置すれば目的条件達成ですが、コミュニケーション不足で二人とも3を同時に配置してしまうと目的カードが無効になってしまいます。
このとき相手に「自分が3のカードを置くから3は置かないで」とは言えません。(他のプレイヤーに自分の手札がわかるため)
そこで一工夫が必要なわけです。
ゾーンに「3色のみある場合 目的達成」あるいは「4色のみある場合、目的達成」といった目的カードも同様に対処しなければ無効になってしまいます。
言われた側は相手の言いたいことを察してプレイするわけですが、この辺のアドリブ感覚を楽しむのが受けているようです。どこまでいうのがOKでどこがNGか、この辺の線引きは微妙ですが、先述のように「他のプレイヤーに自分の手札がわかるようなことはアウト」という範疇で判断するところでしょうか。
日本人同士でプレイする場合、ルールが厳格であるべしとするプレイヤーがいた場合は賛否がわかれるかもしれません。
伝えたい情報を伝えずに伝える。これは「こちらの言いたいことを察して」という花火にも近い感覚です。ただ花火と違い、言われたその時に瞬時に判断するので記憶力は要求されません。覚えるのが苦手な人でも大丈夫です。
いろんな戦略
特定の数字カードを集める、あるいは集めないことで点数が入る目的カードがあるので矛盾しない目的カードの配置が重要になります。
また場合によっては手札に目的カードしか来なくてでもどれを出しても点数に結びつかないといったことがあります。達成できなかった目的カードは失点にはならないので、そのような場合は回りを見渡してほかのプレイヤーにわたらないように自分たちのゾーンに配置してしまうこともできます。
自分のゾーンに数字カードと目的カードを配置して得点を伸ばす必要がありますが、場合によっては目的カードだけ配置することでも点数が入ることがあります。

その数字が一枚もあってはならない。という目的カード。1から6まであるのでこれらの目的カードのみをゾーンに配置して1枚も数字カードをゾーンに出さずにそれだけで得点を稼ぐというペアもいました。数字カードを反対側のゾーンに集中させることができるので「こんな戦略もあるのか」と感心します。
まとめ

「二つの街の物語」のシステムが好きな人、花火のようなタイプのコミュニケーションが好きな人なら普通に楽しめるでしょう。
縛りのある会話の中でお互いの意思疎通が成功する嬉しさを味わえればより楽しめるし、なによりもこれがこの作品の売りの一つと言えます。そこで妙なアドリブや会話が生まれて笑いが起きるかもしれません。
ただゲーム会の中には隣同士でほとんど口を利かずに勝ってしまうゲーマーがいました。恐るべし。。。。
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