ピエスモンテ

ドメモや花火のように自分の手持ちのカードを予想してプレイするゲームはいくつか出ていますが、今回はその中で手頃なゲーム、ピエスモンテを紹介したいと思います。日本ではまだあまり知られていませんが、数々の賞を受賞しています。

2人から4人までプレイできます。

ピエスモンテとは結婚式等で登場する積み上げられたケーキのこと。フランスではマカロンで作られたピエスモンテなどがあります。(上の写真はwikiより転載)

カードは5色あり、1段目、2段目、3段目のカードで構成されています。


ナパージュは生クリームと裏面はチョコレートになっています。ナパージュ(nappage)とはケーキの上に掛けるクリームなどを指します。
自分の持っているカードがブルーの生クリームならば裏面は必ずブルーのチョコですが、数字については変化があります。たとえば生クリームの1の裏側はチョコの2か3になっています。つまり自分の見えるカードの裏側は完全に未知数ではなくある程度予測できるのがポイントです。

一段目からケーキを始め、次に2段目、最後に3段目をおいてピエスモンテの完成。奇麗に絵が重なります。(右側)
カードの上に得点が記載されており、1段目だけは1点、2段目は4点、完成させると10点入ります。
ルールは初心者用と上級者ルールがあります。
初心者用ルール
シェフパティシェ(Chef Patissier)のカードを各自一枚とり、2人いる側を表にする。
カードをシャッフルし各プレイヤーに配る。3人のときは4枚、4人プレイのときは3枚。このとき各プレイヤーは裏面を見ないようにしてカードを手札にする。(他のプレイヤーは裏面が見える)
アクションポイント制でプレイヤーは以下のうち、3アクションまでできます。このゲームではアクションをスプーンの数として説明しています。子供向けに3枚のスプーンのカードがあり、アクションごとにこのカードを次のプレイヤーに渡すことで残りアクションがわかるようにしています。
1) カード(自分の手札か他人の手札)を一枚とり、場におく。このとき自分が見えていた側を利用できます。裏返して使うことは出来ません。一段目は1アクション消費。二段目は2アクション消費。三段目は3アクション消費。
2) 自分の手札か他人の手札を一枚反転させる。1アクション消費
1)と2)の組み合わせや順番は不問です。
注意事項:
・最初に場に配置できるのは必ず一段目のカードから。自分が見えていた側の面を上向きにして配置します。裏側を見ては行けません。
・自分の前に配置できる未完成のピエスモンテは3つまで。4つ目は不可
・自分の場には同じ色で同じ種類のナパージュのピエスモンテを2個以上は配置できません。

カードは重なっていても四隅のアイコンでわかるようになっています。写真のプレイヤーは自分のカードの裏面がオレンジチョコ1、グリーンチョコ1、イエロー生クリーム2かどうかは知っているかもしれませんが、知らないかもしれません。

手番終了後、手番のプレイヤーから山札からカードをとり補充する。このとき補充するプレイヤーは山札の上(見えている)側しか見てはいけない。
シェフパティシェ
プレイヤーはシェフパティシェのカードを裏返すことで以下の2つのうちいずれか使用することができます。
4つ目のアクションを実行可能
または
4つ目の未完成のピエスモンテを場に配置可能。

シェフパティシェのカード。スタート時。

2アクション消費することでこのカードを裏返して次手番以降また使えるようにすることができます。右下にスプーンで説明してあります。
ゲームの終了
山札がなくなり、かつ補充ができなくなった場合、終了。
合計点数の最も高いプレイヤーの勝ち。同点の場合は完成させたピエスモンテの数が多い方が勝ち。それも同点の場合、完成させたピエスモンテのうちチョコレートのナパージュが多い方が勝ち。
上級者ルール
原則初心者用ルールと同じですが、以下の点が加わります。
シェフパティシェのカード裏面にして始める。すなわち最初からは使えず、使用するには2アクション消費しなければならない。
上級ルールでは4段目が登場します。


4段目のカードをクリーム側を上にして重ね、これに表紙を上に置いて「本」とします。本の上に矢印を配置します。初期はクリームで←に配置。
手番では基本ルールの他に
本を1ページめくる。左右どちらでもよい。1アクション消費。

3段目のピエスモンテを完成させていた場合、同じ色で同じナパージュのカードが見えていた場合、自分の手番のときに4段目に配置することができる。この場合はアクションは消費しない。
例:

黄色の生クリームのピエスモンテが完成しているプレイヤーの手番で黄色のカードが見えていますが、チョコレート側です。1アクション消費して右側に移します。このとき上の矢印の向きは関係ありません。

黄色の生クリーム4段目が見えたのでこれを獲得し、4段目に配置します。他のプレイヤーはもうこの黄色はあとから穫ることはできません。

手番の終了後、本の上の矢印の方向に本を1枚めくる。本が完全にめくられたら矢印を逆向きにしてめくる方向が変わる。
注)このとき完成したピエスモンテと同じ種類のカードが見えても配置できない。(手番は終わっているため)
所感
シンプルなルールですが、読み合いとバッティングを予想しながらケーキを積み上げていきます。
カード構成に癖があり、裏面が完全に予想できるもの、裏面が2通りのものと2種類あります。

カード構成の説明のプレイエイドカードがあり、これを見ながらプレイするとわかりやすいです。上級者はこれを見ないでプレイするのもいいかもしれません。
他のプレイヤーの積み上げているケーキの色も考えながら、自分の積み上げるケーキを選んでいきます。
ケーキのカードはバッティングするので他のプレイヤーも欲しいカードを自分のケーキにして邪魔ができます。当然自分も邪魔されます。
花火は推察力と記憶力が必要なゲームですが、このゲームは花火より優しめになっています。手札は両面なので裏面の情報が少なくとも50%以上あります。そこを他プレイヤーの行動やカウンティングなどで予想します。カードを裏返したときに「そっちかぁ」というため息がしばしば聞こえます。
上級者ルールの場合、4段目のカードをどのタイミングで獲得できるか計算しながらのプレイとなります。1アクション足らなく他プレイヤーに獲られてしまうこともよく起こります。
シェフパティシェのカードをうまく使いこなすのがコツです。とくに上級者ルールでは結構重要になってきます。
まとめ

花火より軽いゲームですが手頃で子供も十分楽しめるゲームです。大人はプレイエイドカードを見ずに上級ルールで挑戦してみることをお勧めします。
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