fc2ブログ

屹立するのは建築物、それとも芸術作品?

古い建物と新しい建物が混在するパリ。
石造りの古い建物が多いパリ中心部を離れると、先鋭の建築家が建てた建物がいくつか散見されます。

IMG_6026_2.jpg
ペルポール通りにあるビルもその一つと言っていいでしょう。建築家フレデリック ボレルによって建てられました。1999年完成。

IMG_6020_2.jpg
裏側に廻ってみてもちょっと普通のビルとは違います。

IMG_6024_2.jpg
別の角度から。どこからみても奇妙な形の建物です。

IMG_6022_2.jpg
こういった斬新なスタイルの建物、「デザイン重視で機能性が低い」というのはよく言われることですが、この建物も実際のところどうなのでしょう。

131 Rue Pelleport
メトロ11番線テレグラフ(Télégraphe)駅から徒歩6分

ボードゲームパーティー

ボードゲームパーティーに行ってきました。

IMG_2723_2.jpg
IMG_2725_2.jpgIMG_2724_2.jpg

IMG_2724trim.jpg
最初にプレイしたのはキングダムビルダーKingdom Builder)。4人でプレイ。

前回すでにプレイしましたが、マップの構成や得点方法が毎回違うので今回はまた違ったゲーム展開になりました。

序盤に同じ地形カードを3度も続けてひくことになり、かなり動きを制限された状態に。
それだけでは決定的ではないのですが、序盤で特殊な効果を持つタイルを軒並み取られてしまい、じりじりと点差を付けられてゲーム終了。慣れたプレイヤー相手では序盤でつまずくと結構つらいゲームかもしれないと思いました。

ビアナ宮殿
Palacio de Viana)

スペインはコルドバにあるビアナ宮殿。12ものパティオ(中庭)と庭園には花が咲き誇り、ひとびとがそれぞれの生活を営んでいた。

宮殿の侯爵とその夫人は今日もパティオの散策を楽しんでいる。
花を愛でる侯爵夫人を喜ばせるため、今日も庭師達はパティオに花を植え、鉢や噴水を置いたりと仕事に精を出している。

庭師の仕事も大変である。いくら花好きの夫人でも同じ場所に同じ花や、噴水を見る度、感動は薄れていくというもの。庭師達は新しく花を植えたり、鉢を置いたりと忙しい。そんな庭師達をよそにいたずら好きの少女は花を別のパティオに移してしまう。
 静かにパティオを散策するのが楽しみの侯爵の前ではせわしく仕事をするわけにはいかないし、せっかく夫人が近づいてもパティオに侯爵の姿を見つけると夫人は侯爵との会話に夢中になり、花には目もくれない。
「夫人がパティオに来る前に花を植えなければ」と花や鉢を置き続ければ足りなくなってしまう。でもそんなとき、御者に頼めば、鉢や種を手に入れるために市場に連れて行ってくれる。

パティオの散策を楽しむのは人間だけではない。黒猫はいつも侯爵夫人の後についていく。でも夫人は猫アレルギー。猫が居る庭には近づかない。「侯爵夫人が来なくなるじゃないか、早くあっちへ行け」 そんな庭師のぼやきを猫は気にも留めない。

他にも宮殿で働く人たちがいる。宮殿の全ての鍵を預かる管理人の女性は庭のドアにしっかり鍵をかけるのが仕事。詩人は庭師達の心を癒してくれる。
料理人が食事の準備をするとみんな一同に集まって食事をしてその日が終わり、市場にはまた花や鉢が並び始める。。。。



こんな宮殿の情景を描写した文章を読むだけでプレイ出来るほどこのゲームは登場人物の行動や心理がそのままルールと得点方法に直結していて、プレイをしながら小さな劇を見ているような気分にさせてくれます。

スペインのゲームです。プレイポードはコルドバにあるビアナ宮殿のパティオ。別名パティオ博物館とも呼ばれています。ここにプレイヤーの駒(庭師)、侯爵、侯爵夫人、そして猫を配置します。ボード脇には花や噴水の市場トークンが置かれた市場ボード。

プレイヤーは手持ちの(庭師や侯爵夫人などの)人物カードからひとりを選び、プレイします。

ゲームは2人から5人まで出来ます。今回は4人でプレイ。

IMG_2727_2.jpg
左にある「詩人」はオプションルールまたは5人プレイのみで使用。

自分の駒(庭師)と侯爵、侯爵夫人などをカードを使いながら動かします。
プレイヤーは使ったカードを表向きにして前に出したカードの上に置きますが、同じ人物のカードが他のプレイヤーが前に使ったことにより表向きになっている場合は、そのカードを使えません。(注:最初のラウンドのみ可)

IMG_2731_2.jpg
花、鉢、噴水は庭師のカードをプレイすることでパティオや庭園内に配置することが出来ます。花は垣根内など、それぞれ配置できる場所が決まっています。同じ垣根にはおなじ種類の花しか植えることが出来ません。この条件を満たすならば他のプレイヤーも同じ花をそこに植えることが出来ます。

自分が花を植えたパティオに侯爵夫人が訪れると得点が入ります。得点は自分の植えた花一つにつき2点入ります。他のプレイヤーの花があればそのプレイヤーにも点が入ります。その後、各自、自分の花トークンのうち一つだけ裏返します。裏返ったトークンはその後、夫人がその場所を訪れても得点になりません。しかし裏返っていないトークンはまた得点の対象になります。

つまり一度に多くの花を植えたほうが、夫人が訪れるたびに高い得点が得られるようになっています。一方で鉢や噴水は入る点は花より高い(それぞれ3点、5点)のですが一回しか得点計算されません。

IMG_2730_2.jpg
こう書くと一つのパティオに大量の花を植えて夫人を何度もそこに移動させれば簡単に大量点が入るような気がしますが、自分が夫人を動かした場合、再び使うには夫人のカードをまた回収しなければなりません。さらに夫人が移動した後には猫がそこに移動するのですぐまたそこに戻すことは出来ません。他のプレイヤーは管理人を使ってドアに鍵を掛けたり、侯爵をそこに移動させて得点できないようにすることもできます。

ゲームの終わりには自分の花を配置したパティオの数に応じてボーナスが入るので、少ないパティオに集中的に花を植えるとこのボーナスが無得点になることもあります。

手持ちの花は御者カードを使って市場に行くことで補充できます。市場にはトークンが配置されており、一つの列だけ選ぶことが出来ます。その列に置かれた花や鉢に対応する自分のトークンをストックから受け取ります。後述の料理人と関連してどのタイミングで市場に行くか見極めるのが大切です。

料理人のカードは今まで使用したカードを全て回収することが出来ます。ただしその後12面ダイスを振って出た数に応じて市場トークンを市場に補充しなければならず、他のプレイヤーを助けることにもなってしまいます。この料理人のカードをいつ使うかもプレイする上で重要です。

補充する市場トークンは袋に入っていてランダムに取っていきます。袋の中のトークンが無くなるか、だれかが全てのパティオと庭園に花を植えることが出来たら最後のラウンドになります。

IMG_2728trim_2.jpg
上述のように、自色だけのパティオを作ってもそう簡単には点は入らず、また他のプレイヤーに花を植えられて便乗されます。どのタイミングでカードを回収するか、市場にいつ行くべきか、このゲームではバッティングなどさまざまな要素がつまっていてゲームとしてよく出来ています。ただしそれだけのゲームではありません。

ボードゲームやカードゲームでは建物などを建てたり、あるアクションをした場合、ゲームでの効果と実際の効果の違いや疑問などを聞かないのがお約束。(なんでこれを建てるとカードやお金が1つ余分に手に入るのか、なぜトウモロコシを輸出すると同じ点が入るのに売ろうとするとタダなのか等)。

このゲームでは人物の行動がそのままルールに、侯爵夫人の心理が得点に見事に反映されています。侯爵との会話、猫の動きなど登場する人物すべてに日常での仕事を不自然なくゲームのルールに取り入れてバランスを保っています。ゲームデザイナーは作家か詩人かと思うほど、作者は日常の世界とゲームの世界の相違を抑え、驚くほどうまくルールを練りこんだものだと感心します。

しかしながら、残念なのはそのプレイ時間の長さ。「このテーマとこのシステムで、この時間はかかり過ぎ」というのが全員一致の見解。今回はルールを確認しながらのプレイとはいえ3時間半かかりました。決して重いというわけではないのですが、市場トークンの数が多過ぎ(90個)。もうすこし数を少なくすべきでしょう。

補充されるトークンの数は12面ダイスを振って決まるので当然毎回ばらつきが出ます。
最初のうちは気にならないのですが、開始後2時間経って袋に入ったトークンが少なくなっても1の目が続けて出たりすると「まだ終わらないのか。。」となります。このあたり再考の余地があると思います。

別の条件、全てのパティオと庭園に花など飾るというも容易ではありません。市場に行く度、いったん宮殿の外に出なければならず、また戻って別の場所へ植えるというのもやはり時間が掛かります。

人々のドラマがこんなにうまくゲームに再現できているのに実にもったいないような気がします。


まとめ

ボードゲームの中に人々の日常と心理をうまく反映させた見事なまでの再現性。ゲームをしながら感情移入できればいうことなしです。惜しむらくはそのプレイ時間の長さ。それでもあらかじめ時間が掛かるゲームと割り切ればこの箱庭で起こるドラマを十分楽しむことができるでしょう。


スペースミッション
 (Space Mission)

IMG_2732_2.jpg
ジャンプゲート(Jump Gate)というゲームのリメイク。4人でプレイ。カードを駆使して未知の天体を探検し、異星人達と遭遇したり、資源を発見して得点を競うゲーム。アメリカ人好みのゲームかもしれません。

プレイヤーは未知の天体へ赴き、その天体をまず最初にスキャンし、その後、その天体を発展させ、その天体の保有する資源などを発見することができます。

手札には未知の天体に移動、その天体をスキャン、発展、そして資源などを発見するのに必要な数値が書いてあります。各天体にはそれぞれ違う数値が振ってあり、手持ちの手札を確認しながらどの天体にいけば効率よくこれらの作業を行えるか考えてプレイします。

上記のアクションのほかに手札を5枚まで補充するアクションも選べます。使わない(使えない)自分のカードを捨てて新たに5枚まで補充することも出来ます。

プレイヤーはこれらのアクションから2つまで選んでプレイします。

得点方法は入手したアイテムの組み合わせと中央のジャンプゲートを通過した回数による2通り。

ゲーム内容はいたってライトな感じです。カードの引き運に左右される分、手札の構成によっては何も出来ないこともあり、そういうときは手持ちのカードを全部交換するといった思い切りの良さが必要になるときもあります。
 それでもカードの引きが悪い時にはどうすることもできませんが、短時間で終わる軽めの宇宙探検ゲームだと割り切ってプレイするしかないでしょう。


その他、気になったゲーム

IMG_2726_2.jpg
シベリア
(Siberia)