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秋の釈迦ヶ岳

四方を山々に囲まれた甲府盆地。その中で山梨に移ってからずっと気になっていた山が釈迦ヶ岳。

甲府盆地より釈迦ヶ岳
釈迦ヶ岳は甲府盆地の南東に位置し、そのピラミダルな山容は甲府盆地からとにかく目立ちます。

釈迦ヶ岳に登るにはいくつかの登山道があり、南側から向かうのが一般的と言われましたが、甲府盆地から見る釈迦ヶ岳を見ていた自分としては北側から登ってみたくなりました。

山の北側には檜峯(ひみね)神社があり、この近辺で「ぶっぽうそう」と啼くのが、コノハズクだと判明したことで知られています。

10月下旬、檜峯神社目指して車を走らせます。途中でイノシシよけのゲートを開閉して進みます。道は細くなり本当にこの先に神社なんかあるのだろうか不安になってきました。

手持ちの地図を頼りに登山道を発見。駐車スペースに車を停めます。

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檜峯神社にあったマップ(下山時撮影)。

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神社から登る道と神社の手前から登る登山道(左側)があります。神社から登る登山道は尾根を一つ越える必要があり、神社の手前から登った方が20分ほど時間を稼げます。今回は後者の第3登山道から登ることにしました。

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第3登山道入り口

ほぼ同時に年配の2人組がやはり同じく釈迦ヶ岳に登る準備をしていました。少し話をして2人組は登山を始めました。こちらも登山の準備をしてから出発します。

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登山口にある熊出没のサイン。鈴を付けて登ります。

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最近は消音機能が付いた鈴も売られていて衝動買い。(上 鳴る)(下 鳴らない)

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この山に熊がいるのだろうか、不安ながらも登山開始。

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樹木に囲まれた登山道を進みます。やや葉っぱは落ちている様子。
登り始めて30分ほどで先の2人組に追いつき、すこしお話をしました。年配の方ですが、元気な生活をしておりつい最近は槍ヶ岳に登ったという話をしてくれました。

「こちらはゆっくり登りますのでどうぞお先に」ということで先に進みます。樹林帯の中を進みます。

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登り始めて1時間ちょっとで稜線に着きました。まだあまり視界は開けません。ここから釈迦ヶ岳まで稜線伝いに登ります。

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途中でロープがあります。昇りはロープがなくても登れますが下りはロープに掴まった方が安全です。

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視界が開け、富士山の姿が。

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遠く南アルプスの山々。

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一時間30分ほどで頂上(1641m)に着きました。

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待っていたのは目の前の富士山をはじめとした360度の大展望。

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甲府盆地を挟んで奥秩父の山々。

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三ツ峠(奥)と黒岳(右側)。

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北西遥か遠くに八ヶ岳。


頂上には数人ほどの登山者達だけ。静かな頂上で昼ごはんを頂きます。食べ終えた頃に先ほどの2人組が到着しました。

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彼らとしばらく山の話をした後、下山を開始。富士山はずっとその姿を惜しげもなく見せてくれました。

下りる途中、何人かの登山者に遭遇しました。
神社から登った登山者から第3登山道を下りずに尾根を通ってから神社に行くほうが紅葉が奇麗と言われ、少々時間がかかりますが尾根を登ることにしました。

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尾根に登る前にあった分岐。南側から登る人はここから来ることになります。

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尾根を登って振り返る釈迦ヶ岳。壮観な姿に圧倒されます。登りに使った道は視界がほとんどなかったので今更ながらこっち側から登った方が迫力があったかなと思いました。

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あとは落ち葉に覆われた登山道を下ります。

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この時期は登山道が完全に落ち葉に覆われていて道がわかりません。赤いテープを探しながら下山します。

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ずっと落ち葉に覆われていて不安になりますが、

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檜峯神社への標識を見つけ安心。

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分岐地点から1時間ちょっとで神社に着きました。

神社を少し散策後、車を停めたところまで数分林道を歩きます。

この後は「みさかの湯」へ。入り口正面のローズガーデンがウリの一つです。
ここは富士山も見えず、大展望は望めませんが、いろいろな風呂やサウナがあり、いつも混んでいます。

まとめ

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甲府盆地は東は大菩薩嶺、北は金峰山などの奥秩父、西は甲斐駒ケ岳、鳳凰三山、櫛形山などの南アルプスの山々、そして南は御坂山塊、富士山が望み、蒼々たる山々に囲まれています。その中で釈迦ヶ岳は1600メートル程度とはいえそれでもその姿は気になる山です。

引っ越したあとは南アルプスや大菩薩嶺などを登っていましたが、ようやく登山の機会を得ました。

神社への道は狭いですが、悪路というほどではなく、また数台の車が神社の駐車場に停まっていたところからこちら側からも登山者がいくらかいるようです。

今回登った登山道は途中で道が分からなくなる場所が数カ所あり、また特に落葉によって道が明瞭でなくなっていましたが、迷うと言うほどではなく、むしろ怖かったのは登山口にあった熊の警告でした。

夏なら蒸し暑く、虫にも悩まされたと思いますが、この秋の登山は静かな山歩きで大展望も拝め、得した気分です。

パリのビリヤード場 ボーリング ムフタール

興味深い店やレストランが並ぶムフタール通り。その一角に隠れるようにしてボーリング場があります。

入り口
通りから小路に入るとなにやら怪しい雰囲気のなかにボーリングの文字。

看板
このボーリング場は地下にあります。

???
??
意味不明
階段の壁にはこれまた妙な絵が描かれています。ほんとにこの先にボーリング場があるのか多少不安になります。

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下にたどり着くと確かに小さなボーリング場がありました。

Pool tables
その脇に3台ほどのポケットが。ほかには小さなバーとゲーム機がいくつか置いてあります。

Les gens
こんな隠れた場所にあるようなボーリング場ですが、時間が経つとともに若者が集まってボーリングを楽しんでいました。

Le Bowling Mouffetard
73 rue Mouffetard / 13 rue Gracieuse
75005 Paris
ウェブサイト:http://www.bowlingmouffetard.fr/index.php
メトロ7番線プラス モンジュ(Place Monge)駅から徒歩7分。

ガリビエ峠

ツール・ド・フランスの最高地点ガリビエ峠(Col du Galibier)に行きました。

Savoie Volloire
ガリビエ峠はヴァロワールの南にあり、サヴォワ県とオート=アルプ県の県境にあります。

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ヴァロワール近くから見るグラン・ガリビエ山(写真中央奥)。

セルス湖へ向かった時と同じ道を通り、その時に車を停めた駐車場を通り越し、ガリビエ山を左に拝みながらガリビエ峠へと目指します。車だけでなく、モーターバイク、そして多くのサイクリストが急勾配の道を登っていきます。

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山の斜面でハートを発見。

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途中にあった碑。栄光と挫折のなか夭逝したイタリアの英雄、マルコ・パンターニのモニュメント。

峠の直下にトンネルがあり、峠を通らずに向こう側へ抜けることができますが、多くの車は(もちろん自転車も)峠をめざして登っていきます。

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曲がりくねった道を経てガリビエ峠に到着しました。峠には小さな駐車場があり、多くの車がすでに停まっていました。

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2つの県の境でもあるガリビエ峠。ここから左がサヴォワ県、右はオート=アルプ県。

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ガリビエ峠とグラン・ガリビエ山 [3328m]。

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オート=アルプ県側へと下る道。

多くのサイクリストがヴァロワールから自転車でここまで到達し、みんなから喝采を浴びていました。若い人だけかと思ったら60代くらいの男性もいました。

駐車場から少し歩いて登ったところに見晴らしのいい場所があり、ここから大展望を拝むことが出来ました。

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北東遥かにモンブランが見えました。

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ヨーロッパアルプス最高峰モンブラン [4810m]。

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南を望めば左手にバール・デ・ゼクラン、右手にメイジュ。

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バール・デ・ゼクラン [4102m]

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メイジュ [3983m]

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北にはヴァロワール周辺で最高峰のアルヴ針峰 [3514m]。

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東側に広がる風景。写真左奥にモンテ・ヴィーゾが見えます。

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ロッシュブリュンヌ峰(右側)[3320m] そしてその左にモンテ・ヴィーゾ [3814m]。あそこはもうイタリアです。

ところで面白い光景に出くわしました。車でやって来たドイツ人の2人の男性。駐車場に車を停めるや、おもむろに自転車レース用のスーツに着替えだし、トランクから自転車を2台取り出したあとで、ガリビエ峠の標識の前に行きポーズをとりながら写真を撮っていました。なるほどそうきますか、と感心(?)。

1時間ほど滞在しましたが、その間多くのサイクリストが絶え間なく峠を訪れていました。ここは彼らにとって聖地なのでしょう。

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帰りに見るグラン・ガリビエ山。どこから見ても優美な姿です。

ヴァロワール周辺ハイキング:ラ・セタ・デ・プレ山

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ヴァロワールのすぐ南に聳える山々のひとつラ・セタ・デ・プレ(La Sétaz des Prés)(写真中央)。右奥にグラン・ガリビエ山。

入手した地図ではこのラ・セタ・デ・プレ山へ向かう登山路が記されており、最後のハイキングとして登ることにしました。

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ヴァロワールの南側にレ・ヴェルネイ(Les Verney)という小さな村があり、車をここに止めてここから登り始めました。ここも冬はスキー場になるようです。

ところが、スキー場の開発中とあって登山道が破壊され、途中登山道の探索を余儀なくされることも何度かあり、途中でゲレンデをそのまま登ることもありました。

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登り始めて30分ほどで見る景色。ヴァロワールの村の南側に広がる家々が見えます。また最初のハイキングで行ったサン・ピエール小教会も見えました(写真中央やや右下)。

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ヴァロワール西に広がる山々。

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ヴァロワール南西に聳える山々

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北を望むと眼下にヴァロワールの村、そしてその向こうにクロワ・デ・テット山とグラン・ペロン・デ・アンコンブル山。

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南を望むとメイジュがその頭を覗かせていました。

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ラ・セタ・デ・プレ山への登り。

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クレイ・デュ・カール山全容。

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訪れた湖がここからでも見えました。

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リフトでいける最高点付近にて。冬ならリフトで一気にここまで来ることが出来ますが、やはり一汗かいた後で見る景色は感動ものです。

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ヴァロワール周辺では最高峰のアルヴ針峰(Aiguilles d'Arve) [南峰 3514 m](中央左の突起)が見えてきました。

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ここから先はリフトもゲレンデもない登山者だけの領域。

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ラ・セタ・デ・プレに連なるミットル山が見えます。その右向こうにグラン・ガリビエ山。

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登り始めてから3時間ほどでラ・セタ・デ・プレ山の頂上に着きました。積んであったケルンに小さな石を乗せました。

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南方はるか遠くにメージュ山(右奥)、バール・デ・ゼクラン(Barre des Ecrins)[4102m]山(左奥)。

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目の前にミットル山が見えます。ここまで来たには行ってみたいと思いましたが、ここから先は地図にルートが表記されていない上、登山路がはっきりせず、標識もなかったのであきらめました。

あとは荒れたゲレンデを降りるだけです。草が胸まであるような場所もあり、登山道として整備されているとは言えません。

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下山も終わりに近づく頃、乗馬をしているグループに出くわしました。ひとそれぞれいろいろな楽しみ方を過ごしています。

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振り返ってみる山。最後のハイキングも好天気に恵まれて無事終わらせることができました。


まとめ

ヴァロワール周辺は2500〜3000メートル級の山々があり、どの山容も登高欲をそそるものばかり。
しかし入手した地図は登山ルートがほとんど途中で終わっており、ハイキングの範疇から抜け出ていないこと、また頂上への登山道もはっきりせず、標識もないとあっては危険きわまりないので、頂上は山腹から歯がゆいほどに拝むだけとなってしまいました。

日本ならば標識や登山道が整備され、登山客で賑わうところでしょう。

フランス人にはこの程度の標高の山なら興味がわかないのか、あるいは本格的な登山ならシャモニーなのか、低山でも人で賑わう日本とは対照的です。日本人とフランス人の登山に対する温度差の違いを感じました。

ヴァロワール周辺ハイキング:ル・クロ・デ・ラン

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ヴァロワールのすぐ西側に聳える山々。

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この山々を水源とする川のひとつに地獄谷(Gorges de l'enfer)と呼ばれる峡谷があります。この谷から流れる川はヴァロワールの町を流れるヴァロワテール川に注ぎます。村の近く、先ほどの地獄谷を流れる川に小さな橋が掛かっていて、その名も「悪魔の橋(Pont du Diable ポン・デュ・ディアーブル)」。この橋付近から川の上流にある谷に囲まれたル・クロ・デ・ラン(le clot de l'ane)という場所を目指しました。

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橋付近から崖淵の山道を登り始めます。


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切り立った崖沿いの道を高度を上げていくと奥の方に山が見えてきました。


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ふと川を見ると小さな滝が見えました。

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南に目をやるとグラン・ガリビエ山(右奥)が見えてきました。

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崖沿いの道や木々に囲まれた道など登山道は変化に富みます。

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さらに登ると奥の方に山々が、

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目を下にやると地獄谷

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しばらく登ると登山道は川から離れ、一転草地の中を歩くことに。

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目指すクロ・ド・ランは山に囲まれた場所。遠くに見えてきました。

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小さな小屋にたどり着きました。避難小屋かもしれません。別の場所から登って来たのか、数人の登山者がここで休憩していました。

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しばらく道を進めるとまた家が。こちらは人が住んでいるようです。仕事用の小屋でしょうか。

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進むに連れ、周りに山が見えてくるようになりました。

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ようやくル・クロ・ド・ランがある場所が見えてきました。ちょうど3方を山で囲まれた谷の中にある小さなこぶのようです。

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川の浸食で登山道が崩れたのか、ちょっと迂回して小さな川を渡ります。

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村の人の話によるとこのあたりはモルモットが棲息する場所らしく、モルモットの巣と思われる穴がいくつもありました。

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小さな水の流れ。ヴァロワテール川の水源についたようです。

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登り始めてから3時間ほどでついにこぶの上、ル・クロ・ド・ラン(2199 m)に着きました。

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三方を山に囲まれた場所。ここまでくればそのまま稜線まで行ってみたいところでしたが、入手した地図の登山道の表示はここまで、実際に登山道を見つけることが出来ずあきらめました。

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振り返るとヴァロワールの村の反対側にあるクレイ・デュ・カール山。

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下りは川沿いの道を取りました。

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先ほどの小屋を左手に川沿いを下ります。

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地獄谷の上流を渡りました。

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この小さな流れが下流のヴァロワールの村まで続いています。

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川を渡った後は薄暗い森林の中を蛇行しながら降りました。登り始めてから5時間ほどで村に戻りました。

稜線まで行けなかったのが心残りで、もっと詳細な地図を手に入れていくべきでした。それでも今回も終始天気に恵まれてハイキングを出来たのは幸運でした。