ボードゲームイベント その2
パリで開催されたボードゲームのイベントそしてこれが自分にとって今回がパリで最後のボードゲームができる機会。ネットで参加者を募ったところ15〜16人が参加してくれました。
待ち合わせの時間より早めにきていろいろなゲームを物色した後、日本発、あるいは日本人が関与したゲームについて調べてみました。

シャドウハンター仏語版。ゲーム会で多人数のときによくプレイしました。フランス人にもアメリカ人にも好評です。

カタナ(KATANA)。和式Bangというべきでしょうか。Bangそのものはアメリカ人のゲーマーにもよく知られているので、この「KATANA」もアメリカ人やフランス人にもきっと受け入れられることでしょう。

ラブレター。フランス人にもその面白さは伝わってきているようです。
ゲーム会ではこれら以外でも日本発のゲームがプレイされることがあります。
貸し出しのゲームを見ているところでフランス人から声をかけられて「クー」をプレイすることに。

「クー」5人でプレイ。第1ゲームは勝ちましたが、2度目は1対1の勝負となり、チャレンジしましたが失敗。負けました。
その後、知人やネットで情報を得た人がやってきてお互い自己紹介。どんなゲームをするかあまりの数のゲームに逆に戸惑ったのか、やはり皆興味を持ったのか、最初にプレイしたのは大きめのカタン。

アメリカでカタンにハマってボードゲームの世界に惹かれて多くの友人と時を忘れて遊んだ日々を思い出します。
フランスでもときどきリクエストが上がるゲーム。いまはそれほどプレイすることもなくなりました。
それでも初対面同士ででもすぐにうちとけ、でも誰もが負けたくないという気にさせてくれる魅力をもっています。未だにその輝きを失っていない、それどころかカタンというゲームはいまやボードゲーマーが共有できる世界共通の言葉みたいなものかもしれません。
十数人集まったところで皆に会場を案内しながら、このゲームイベントの主旨やこまかなスケジュールを説明して、各人自分たちの気に入った場所に移動してもらうことにしました。
その中で「ローマとカルタゴ」のトーナメントに参加する人もいれば、プロトタイプのスペースに行く人、新作を試してみる人、貸し出し用のスペースでゲームをする人等、皆それぞれ興味が合った場所が見つかったようです。
自分はアメリカ人とイタリア人に誘われて「アンドロイド:ネットランナー」をプレイ。

アメリカ人から「MTGはプレイしたことはあるか」と聞かれて「聞いたことはあるがプレイしたことはない」と答えると「同じデザイナーのゲームだ。まあやってみよう」ということでルールを彼に説明してもらいました。
イタリア人と対戦。このゲームはカードゲームですが、使う山札がそれぞれ違います。
1人が企業(コーポレイション)を、対戦相手がハッカー(ランナー)となりそれぞれの目的を達成させていきます。コーポレイション側はアジェンダの得点を7点以上達成できれば勝利。ランナー側はコーポレイションのアジェンダカードを7点以上盗み出すことに成功すれば勝ちです。今回自分はランナー側をプレイ。

このゲームはコーポレイション側とランナー側でできるアクションの種類や数が違います。
上の写真はランナー側のキャラクター、アクションの説明とアクションの回数を示すカード。

ランナー側は1ターンに4アクションできます。お金を集めたり、さまざまなプログラムなどをインストールする等して攻撃準備を整えます。

コーポレイション側はアジェンダカードを配置しその目的を達成して得点することを目指します。ランナー側がそこを攻撃してくるのでアイスと呼ばれるさまざまな仕掛けを張ってブロックします。ブロックは守りたいカードの前に横向きに配置し、また2枚以上配置もできます。カードは裏向きに配置されるのでどういうタイプのカードかランナー側は推測するしかありません。
面白いのはアジェンダカード以外にもコーポレイション側の山札にも攻撃が仕掛けられるという点です。ランナー側は山札を攻撃することにより運が良ければ山札からアジェンダカードを盗むことができます。このためコーポレイション側は山札にもブロック用のカードを配置する必要があります。

ランナー側が攻撃をしかけた場合、コーポレイション側はブロック用の裏向きのカードを表向きにしてその防御機構を発動させるためのお金を払います。ランナー側はそのブロックを破るためにお金を払う必要があり、複数のプロックがあった場合はさらに出費が重なることになります。
またコーポレイション側はアジェンダカードの代わりにトラップを仕掛けることもできます。ランナー側がブロックを突破してもカードを裏返してトラップだった場合はダメージを受けたりして手札のカードを失います。つまりコーポレイション側はブラフを掛けてランナー側をトラップに誘導するように仕掛けてくるわけです。
カードを配置するのはお金は掛からないのでコーポレイション側はばんばんとアジェンダカード(あるいはトラップ)そしてそれをガードするカードを配置することができます。そういったプレイをされるとランナー側は困窮するわけですが、そのかわりコーポレイション側は1ターンに3アクションしかできません。
このゲーム、お互いプレイの仕方が全く違うわけですが共通していることはプレイするにはとにかくお金が掛かるということ。ランナー側は中途半端な予算で攻撃を仕掛けるとアジェンダカードに達する前に資金切れになってしまいます。一方コーポレイション側もガードするカードをどんどん配置してもお金がないと発動できないハメに陥ります。そのため、お互い相手の懐事情を常に把握しながらプレイすることになります。

写真は盗むことに成功したアジェンダカード。
序盤に相手のアジェンダカードを盗むことに成功しましたが、中盤相手の仕掛けたトラップに2回嵌って苦戦。その後、お金を貯めて一気に攻撃。アジェンダカードをゲットし5得点。相手もアジェンダカードをいくつか達成して5得点。相手の手堅いガードと自分の山札の数が減っていくのに焦りつつ、ガードが手薄な山札を攻撃。運良くアジェンダカードを引いて勝つことができました。
このようにこのゲームはコーポレイション側になるかランナー側を選ぶかでプレイ感覚が全く違います。
ランナー側はつねに攻撃に必要な予算(?)の計算をし、自分と相手の懐事情を見ながらどのタイミングで仕掛けるかを考え、コーポレイション側はいかに相手を罠に誘いつつ、自分の計画を実行させていくか。という点に気を使いながらのプレイとなります。
M&G未経験者やこの手のゲームに慣れていないとちょっととっつきにくいかもしれません。
プログラミングやハッキングとかの知識や状況などをあまり知らないといまいちゲームの世界に浸れません。もちろんゲームを楽しむことはできますが、実際にはなにをやっているのだろう。という感じです。
M&Gの経験者や、ハッキングについての知識が詳しいとゲーム観が掴め易いと思われます。
そのあと、フランス人とケルトをプレイ。2人だとけっこう短時間で終わりました。その後、4人ほどやって6人でできるゲームということで東海道をプレイ。

さいころを使わない双六なのですが、6人だとあまり選択肢がありません。6人数珠つなぎのまま江戸までいくのは変化に乏しい。「また温泉か。それも悪くないけど」と言うポルトガル人の女性。自分は五月(さつき)をプレイ。終始じり貧で東海道を一人旅です。
しかしこのゲーム、何度かプレイしてるのですが、「さつき」で全く勝てません。彼女で勝つことはできるのでしょうか。
* * * * * * * * * * * * * * * *
閉会の時刻が迫り分離(わかれ)の時が来ました。友人には日本に帰ってからも連絡を取り続けることを約束し、初めて会った人たちにはこのイベントに来てくれたことに対する感謝をして別れを告げました。これがフランスでの最後のゲームプレイとなりましたが、いい思い出になりました。
日本でもフランス人や多くの外国人が参加するようなゲームイベントが来る日があればと願っています。
待ち合わせの時間より早めにきていろいろなゲームを物色した後、日本発、あるいは日本人が関与したゲームについて調べてみました。

シャドウハンター仏語版。ゲーム会で多人数のときによくプレイしました。フランス人にもアメリカ人にも好評です。

カタナ(KATANA)。和式Bangというべきでしょうか。Bangそのものはアメリカ人のゲーマーにもよく知られているので、この「KATANA」もアメリカ人やフランス人にもきっと受け入れられることでしょう。

ラブレター。フランス人にもその面白さは伝わってきているようです。
ゲーム会ではこれら以外でも日本発のゲームがプレイされることがあります。
貸し出しのゲームを見ているところでフランス人から声をかけられて「クー」をプレイすることに。

「クー」5人でプレイ。第1ゲームは勝ちましたが、2度目は1対1の勝負となり、チャレンジしましたが失敗。負けました。
その後、知人やネットで情報を得た人がやってきてお互い自己紹介。どんなゲームをするかあまりの数のゲームに逆に戸惑ったのか、やはり皆興味を持ったのか、最初にプレイしたのは大きめのカタン。

アメリカでカタンにハマってボードゲームの世界に惹かれて多くの友人と時を忘れて遊んだ日々を思い出します。
フランスでもときどきリクエストが上がるゲーム。いまはそれほどプレイすることもなくなりました。
それでも初対面同士ででもすぐにうちとけ、でも誰もが負けたくないという気にさせてくれる魅力をもっています。未だにその輝きを失っていない、それどころかカタンというゲームはいまやボードゲーマーが共有できる世界共通の言葉みたいなものかもしれません。
十数人集まったところで皆に会場を案内しながら、このゲームイベントの主旨やこまかなスケジュールを説明して、各人自分たちの気に入った場所に移動してもらうことにしました。
その中で「ローマとカルタゴ」のトーナメントに参加する人もいれば、プロトタイプのスペースに行く人、新作を試してみる人、貸し出し用のスペースでゲームをする人等、皆それぞれ興味が合った場所が見つかったようです。
自分はアメリカ人とイタリア人に誘われて「アンドロイド:ネットランナー」をプレイ。

アメリカ人から「MTGはプレイしたことはあるか」と聞かれて「聞いたことはあるがプレイしたことはない」と答えると「同じデザイナーのゲームだ。まあやってみよう」ということでルールを彼に説明してもらいました。
イタリア人と対戦。このゲームはカードゲームですが、使う山札がそれぞれ違います。
1人が企業(コーポレイション)を、対戦相手がハッカー(ランナー)となりそれぞれの目的を達成させていきます。コーポレイション側はアジェンダの得点を7点以上達成できれば勝利。ランナー側はコーポレイションのアジェンダカードを7点以上盗み出すことに成功すれば勝ちです。今回自分はランナー側をプレイ。

このゲームはコーポレイション側とランナー側でできるアクションの種類や数が違います。
上の写真はランナー側のキャラクター、アクションの説明とアクションの回数を示すカード。

ランナー側は1ターンに4アクションできます。お金を集めたり、さまざまなプログラムなどをインストールする等して攻撃準備を整えます。

コーポレイション側はアジェンダカードを配置しその目的を達成して得点することを目指します。ランナー側がそこを攻撃してくるのでアイスと呼ばれるさまざまな仕掛けを張ってブロックします。ブロックは守りたいカードの前に横向きに配置し、また2枚以上配置もできます。カードは裏向きに配置されるのでどういうタイプのカードかランナー側は推測するしかありません。
面白いのはアジェンダカード以外にもコーポレイション側の山札にも攻撃が仕掛けられるという点です。ランナー側は山札を攻撃することにより運が良ければ山札からアジェンダカードを盗むことができます。このためコーポレイション側は山札にもブロック用のカードを配置する必要があります。

ランナー側が攻撃をしかけた場合、コーポレイション側はブロック用の裏向きのカードを表向きにしてその防御機構を発動させるためのお金を払います。ランナー側はそのブロックを破るためにお金を払う必要があり、複数のプロックがあった場合はさらに出費が重なることになります。
またコーポレイション側はアジェンダカードの代わりにトラップを仕掛けることもできます。ランナー側がブロックを突破してもカードを裏返してトラップだった場合はダメージを受けたりして手札のカードを失います。つまりコーポレイション側はブラフを掛けてランナー側をトラップに誘導するように仕掛けてくるわけです。
カードを配置するのはお金は掛からないのでコーポレイション側はばんばんとアジェンダカード(あるいはトラップ)そしてそれをガードするカードを配置することができます。そういったプレイをされるとランナー側は困窮するわけですが、そのかわりコーポレイション側は1ターンに3アクションしかできません。
このゲーム、お互いプレイの仕方が全く違うわけですが共通していることはプレイするにはとにかくお金が掛かるということ。ランナー側は中途半端な予算で攻撃を仕掛けるとアジェンダカードに達する前に資金切れになってしまいます。一方コーポレイション側もガードするカードをどんどん配置してもお金がないと発動できないハメに陥ります。そのため、お互い相手の懐事情を常に把握しながらプレイすることになります。

写真は盗むことに成功したアジェンダカード。
序盤に相手のアジェンダカードを盗むことに成功しましたが、中盤相手の仕掛けたトラップに2回嵌って苦戦。その後、お金を貯めて一気に攻撃。アジェンダカードをゲットし5得点。相手もアジェンダカードをいくつか達成して5得点。相手の手堅いガードと自分の山札の数が減っていくのに焦りつつ、ガードが手薄な山札を攻撃。運良くアジェンダカードを引いて勝つことができました。
このようにこのゲームはコーポレイション側になるかランナー側を選ぶかでプレイ感覚が全く違います。
ランナー側はつねに攻撃に必要な予算(?)の計算をし、自分と相手の懐事情を見ながらどのタイミングで仕掛けるかを考え、コーポレイション側はいかに相手を罠に誘いつつ、自分の計画を実行させていくか。という点に気を使いながらのプレイとなります。
M&G未経験者やこの手のゲームに慣れていないとちょっととっつきにくいかもしれません。
プログラミングやハッキングとかの知識や状況などをあまり知らないといまいちゲームの世界に浸れません。もちろんゲームを楽しむことはできますが、実際にはなにをやっているのだろう。という感じです。
M&Gの経験者や、ハッキングについての知識が詳しいとゲーム観が掴め易いと思われます。
そのあと、フランス人とケルトをプレイ。2人だとけっこう短時間で終わりました。その後、4人ほどやって6人でできるゲームということで東海道をプレイ。

さいころを使わない双六なのですが、6人だとあまり選択肢がありません。6人数珠つなぎのまま江戸までいくのは変化に乏しい。「また温泉か。それも悪くないけど」と言うポルトガル人の女性。自分は五月(さつき)をプレイ。終始じり貧で東海道を一人旅です。
しかしこのゲーム、何度かプレイしてるのですが、「さつき」で全く勝てません。彼女で勝つことはできるのでしょうか。
* * * * * * * * * * * * * * * *
閉会の時刻が迫り分離(わかれ)の時が来ました。友人には日本に帰ってからも連絡を取り続けることを約束し、初めて会った人たちにはこのイベントに来てくれたことに対する感謝をして別れを告げました。これがフランスでの最後のゲームプレイとなりましたが、いい思い出になりました。
日本でもフランス人や多くの外国人が参加するようなゲームイベントが来る日があればと願っています。
ボードゲームイベント その1
帰国直前にパリで催されたボードゲームのイベントに参加してきました。今年で3度目になるこのイベント、週末2日間にかけて屋外で開催されました。
過去のイベントについてはそれぞれ(こちら)をクリックしてください。
第1回 その1(こちら)、その2(こちら)
第2回(こちら)
今回は60以上のゲームメーカーが参加。各メーカーの代表作から新作まで幅広いジャンルのゲームが紹介されていました。
ボードゲーム以外にも屋外で遊べるゲームが並んでいました。

木でできたゲーム群。

子供も父親も一緒に遊んでいます。

フランスでも人気が出てきたフィンランド生まれのゲームモルック(Mölkky)


去年と同様、小さい子供用のプレイスペースが設置されています。




子供向けゲームも充実しています。



クニツィアのカンガルー。
前回と同様、会場にはデモンストレーション用の大きめのボードゲームが設置されていました。

大きな地図の「乗車券ヨーロッパ」。

電車もよくできています。

しかしその大きさが仇となって立ちながらのプレイになってしまうのは致し方ないか。

巨大なパンデミック(2013年版)。

そしてそれに立ち向かう気合の入った人々。

こちらも大きめのカタン。

ルイス・クラーク探検隊(Lewis & Clark)。19世紀初頭アメリカ西部を探検したルイス・クラーク探検隊がゲームのテーマになっています。同じテーマを扱ったゲームがすでにいくつか出ていますが、これは今年出されたもの。写真のものがプロトタイプかは完成品かは不明。


日本でも発売された「星の王子様(Le Petit Prince)」

レクイエム ヴァンパイア ナイト

会場には見たこともないアブストラクトゲームが数多く展示されていました。

カンヌの国際ボードゲーム祭を始め、著名な賞にノミネートされたり受賞されたアバラム。


北のベニス(La Venise du Nord)。ベルギーの水の都、ブルージュを舞台にしたゲーム。

レ・バティスール (Les Bâtisseurs)。バティスールとは建築家の意。タイムライン (Timeline)のデザイナー、フレデリック・アンリの作品。テストプレイでも順番待ちの作品でした。

タイムマスターズ。詳細は不明。デックビルディングゲームのようです。

ペイントボールをモデルにしたカラー ウォーズ:ペイントブロウル。


ファントムソサイエティ

スコットランドの邸宅を壊していくゴーストとそれを阻止するハンターとの戦い。ボードがユニークです。

2013年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞したゲーム、アンドールの伝説。


ツヴィンケルンの仏語版「ウィンク」。


ニューヨークキングス

マンハッタンを舞台にマフィアグループの勢力争いが展開されます。

デモンストレーション用の立体的なビル群。これだけでも欲しいかも。


会場のテーブルの上にはなぜか石が。実は風が吹いたときにカードが飛ばないように重しとして使っていました。屋外でゲームをするときの工夫ですね。

対戦型協力ゲーム、ジグザク。


マスカレード。「クー」と似たタイプのゲーム。


タイタニウムウォー(TITANIUM WAR)。タイタニウムをめぐって宇宙で争われるカードゲーム。

カクテルゲームズ社のスペースではパンデミックや禁じられた島をデザインしたマット・リーコックの新作「禁じられた砂漠(Forbidden Desert)」やロンドンからラジオロンドンを通じてナチ占領下のフランスへドイツ軍の妨害をかわしてメッセージを伝えるゲーム「こちらロンドン(Ici Londres)」などが発表されていました。

ポリスシティ

Grosso Modo Edition社から。ローマとカルタゴ、ノスフェラトゥ、ポリスパーティー。


マタゴ社のスペースで。ルーム25や日本のシャドウハンターズなどが発売されています。


Conflict of Heroes: Awaking the Bear。 シリーズ物になっている作品で写真のは第2版。第二次世界大戦におけるドイツ軍とソビエト軍の戦闘を描くウォーゲーム。


三匹のコブタ (Les Trois Petits Cochons)

女性だけの参加者グループ。日本ではこういう光景は見られるのでしょうか?

プロトタイプのスペース。

去年と同様、みなそのまま販売できるのではないかと思うほどのコンポーネントの出来栄え。どのゲームも興味を持った人々でいっぱいでした。
総括
今年で3度目になるこのイベント。回を重ねるごとに充実してきているのがわかります。フェイスブックの活用などで情報を入手する手段が増え参加者が増えているような気がしました。去年と同様、子供向けのスペースを設けてあり、ゲーマーだけでなく家族で訪れることができるように準備されていました。また特記したいのはプロトタイプスペースの人気。新作よりも人であふれていました。ゲームをデザインしたらだれでも誰かにテストプレイをしてもらいたいと思うところ。大勢の人から自分のデザインしたゲームをプレイされてデザイナーも感無量でしょう。
つづきはプレイしたゲームと発売されていた日本のゲームについて紹介したいと思います。
過去のイベントについてはそれぞれ(こちら)をクリックしてください。
第1回 その1(こちら)、その2(こちら)
第2回(こちら)
今回は60以上のゲームメーカーが参加。各メーカーの代表作から新作まで幅広いジャンルのゲームが紹介されていました。
ボードゲーム以外にも屋外で遊べるゲームが並んでいました。

木でできたゲーム群。

子供も父親も一緒に遊んでいます。

フランスでも人気が出てきたフィンランド生まれのゲームモルック(Mölkky)


去年と同様、小さい子供用のプレイスペースが設置されています。




子供向けゲームも充実しています。



クニツィアのカンガルー。
前回と同様、会場にはデモンストレーション用の大きめのボードゲームが設置されていました。

大きな地図の「乗車券ヨーロッパ」。

電車もよくできています。

しかしその大きさが仇となって立ちながらのプレイになってしまうのは致し方ないか。

巨大なパンデミック(2013年版)。

そしてそれに立ち向かう気合の入った人々。

こちらも大きめのカタン。

ルイス・クラーク探検隊(Lewis & Clark)。19世紀初頭アメリカ西部を探検したルイス・クラーク探検隊がゲームのテーマになっています。同じテーマを扱ったゲームがすでにいくつか出ていますが、これは今年出されたもの。写真のものがプロトタイプかは完成品かは不明。


日本でも発売された「星の王子様(Le Petit Prince)」

レクイエム ヴァンパイア ナイト

会場には見たこともないアブストラクトゲームが数多く展示されていました。

カンヌの国際ボードゲーム祭を始め、著名な賞にノミネートされたり受賞されたアバラム。


北のベニス(La Venise du Nord)。ベルギーの水の都、ブルージュを舞台にしたゲーム。

レ・バティスール (Les Bâtisseurs)。バティスールとは建築家の意。タイムライン (Timeline)のデザイナー、フレデリック・アンリの作品。テストプレイでも順番待ちの作品でした。

タイムマスターズ。詳細は不明。デックビルディングゲームのようです。

ペイントボールをモデルにしたカラー ウォーズ:ペイントブロウル。


ファントムソサイエティ

スコットランドの邸宅を壊していくゴーストとそれを阻止するハンターとの戦い。ボードがユニークです。

2013年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞したゲーム、アンドールの伝説。


ツヴィンケルンの仏語版「ウィンク」。


ニューヨークキングス

マンハッタンを舞台にマフィアグループの勢力争いが展開されます。

デモンストレーション用の立体的なビル群。これだけでも欲しいかも。


会場のテーブルの上にはなぜか石が。実は風が吹いたときにカードが飛ばないように重しとして使っていました。屋外でゲームをするときの工夫ですね。

対戦型協力ゲーム、ジグザク。


マスカレード。「クー」と似たタイプのゲーム。


タイタニウムウォー(TITANIUM WAR)。タイタニウムをめぐって宇宙で争われるカードゲーム。

カクテルゲームズ社のスペースではパンデミックや禁じられた島をデザインしたマット・リーコックの新作「禁じられた砂漠(Forbidden Desert)」やロンドンからラジオロンドンを通じてナチ占領下のフランスへドイツ軍の妨害をかわしてメッセージを伝えるゲーム「こちらロンドン(Ici Londres)」などが発表されていました。

ポリスシティ

Grosso Modo Edition社から。ローマとカルタゴ、ノスフェラトゥ、ポリスパーティー。


マタゴ社のスペースで。ルーム25や日本のシャドウハンターズなどが発売されています。


Conflict of Heroes: Awaking the Bear。 シリーズ物になっている作品で写真のは第2版。第二次世界大戦におけるドイツ軍とソビエト軍の戦闘を描くウォーゲーム。


三匹のコブタ (Les Trois Petits Cochons)

女性だけの参加者グループ。日本ではこういう光景は見られるのでしょうか?

プロトタイプのスペース。

去年と同様、みなそのまま販売できるのではないかと思うほどのコンポーネントの出来栄え。どのゲームも興味を持った人々でいっぱいでした。
総括
今年で3度目になるこのイベント。回を重ねるごとに充実してきているのがわかります。フェイスブックの活用などで情報を入手する手段が増え参加者が増えているような気がしました。去年と同様、子供向けのスペースを設けてあり、ゲーマーだけでなく家族で訪れることができるように準備されていました。また特記したいのはプロトタイプスペースの人気。新作よりも人であふれていました。ゲームをデザインしたらだれでも誰かにテストプレイをしてもらいたいと思うところ。大勢の人から自分のデザインしたゲームをプレイされてデザイナーも感無量でしょう。
つづきはプレイしたゲームと発売されていた日本のゲームについて紹介したいと思います。
お別れボードゲームパーティー
自分を含め、パリを離れる人のためのお別れボードゲームパーティーに招待されました。
会を主催したのはアメリカ人の女性。場所はイタリア人のアパート。招待された人はみんなボードゲーマーです。
当然のごとく(?)食事の前にゲーム。

最初にプレイしたのはクニッツァの略奪(Loot)。

商船を海に出し、海賊から守りながら無事に目的地にたどり着くことを目指すのがテーマのカードゲーム。

使用するカードは金が描かれた商船と色分けされた海賊船のカード、そしてその色に対応したキャプテン。
場に出された商船のカードに海賊船のカードを出すことで商船を襲います。他の海賊(他のプレイヤー)も同じ商船を襲うことができますが、違う色のカードの海賊船でなければいけません。海賊の強さはカードのドクロの数の合計で決まります。自分の手番まで一番強い状態だったらその商船を自分のものにすることができます。なぜか自分が場に出した商船も自分の出した海賊船のカードで襲うことができます。
獲得した商船のカードに描かれた金の数が得点になるので金の数の多い商船が狙われやすくなります。
自分も商船のカードを場に置くこともあるのでまわりの状況を見つつ、おとりの商船を出して他のプレイヤーに強い海賊船のカードを出させて、後から価値の高い商船を出すという駆け引きも起こります。
ボードゲーマーが塩野七生著の「ローマ亡き後の地中海世界」を読めばとサラセンの海賊とヨーロッパ世界を舞台にしたゲームを作りたくなるかもしれません。中世の地中海世界を知っていたならクニッツァもやはり同じような気になったでしょうか?しかしボードゲームにしてしまうといろいろと支障が生じるでしょう。このカードゲームでは海賊のテーマは維持しつつも歴史的な背景はほとんど感じないようになっています。
食事が終わってプレイしたのは将軍(Shogun)。名前は知っていましたがプレイするのは初めてです。

イタリア人から「ダイスを使わないリスク(Risk)だ」と説明されました。16世紀の日本を舞台に勢力争いをします。
ゲームで使用するキャラクターは武田信玄、徳川家康など実在した人物。
自分が担当するのは羽柴秀吉。でもゲーム開始時は信濃を支配することになりました。信玄を担当するイタリア人からブーイング。
自分の支配する地に兵隊を配置し、さまざまなアクションを実行します。選択肢がいくつもあり、年貢を取って米やお金を摂取する、城や神社を建てるなどアクションがあります。どの支配地域にそれぞれのアクションを割り当てるか秘密裏に決めます。年貢を徴収するとその地の農民の不満がたまります。不満が爆発すると一揆が起こります。もちろん他のプレイヤーとの戦争も起こります。
一揆や戦争が起こると戦闘に参加した駒をダイスタワーみたいなものにいれて勝敗を決めます。入れたものが全部出てくるわけでなくいくつかは中にトラップされて出てきません。したがって前の戦争で中に残っていた駒が出てきたりして予想できないことも起こります。
領土を拡げても、住民に食料を提供することができなければ一揆が起こったりと内政もしっかりしなければいけません。一手のミスでその後、ずっと苦境に陥ることもあり緊張したゲーム展開になります。
戦争で領土を拡大するだけでなく、自分の支配地をしっかりと治めることができなければ自滅するというのは、リスクとは大きな違いだと思うのですがなかなか興味深いゲームでした。
またこのゲーム、英語、イタリア語などだけでなく日本語のルールブックまで入っており、驚きました。

他の人たちはK2をプレイしていました。
この後、予期もしないことが起こりました。

このイタリア人のアパートには畳が敷いてありました。それだけでも驚きですが、なんと将棋も持っていました。そんな彼から勝負を挑まれました。
将棋はもう10年以上やっていません。アメリカやフランスではする機会はおろか知ってる人すらほとんどいませんでしたから。基本的な戦法すら記憶の彼方の状態になっていました。
とはいえ日本人としてここは簡単に負けるわけにはいきません。とりあえず矢倉を組んで様子を見ることに。。と思ったら向こうも矢倉を組んできました。さらに雀刺し!!
どうみてもルールと駒の動きだけ知っているイタリア人ではありません。
結局、向こうのミスで勝つことはできましたが、正直、驚きを通り越してかなり焦りました。また焦った反面、うれしくもありました。

本棚を覗くとなんと日本語の将棋本がいっぱい。道理で。


彼は私以上に日本人かもしれません。
しかし私が驚いたのはこれだけではありませんでした。

「見せたいものがある」といって彼が取り出したのは「どうぶつしょうぎ」。実物を見るのはこれが初めてです。

ひよこの「歩」。

裏返るとニワトリになった「と金」。確かに理屈に適っています。

ここまでそろえているのならもしやとは思いましたが。。。

やはり持っていました。「おおきな森のどうぶつしょうぎ」。

左から香車、桂馬、銀、角、飛車。ちなみに金は犬のイラスト。

裏返して成った駒の図。なぜかえさを食べています。

駒を見て興味を持ったアメリカ人の男性。イタリア人と対局することになりました。

フランスはパリでアメリカ人とイタリア人が「どうぶつしょうぎ」を指す姿を誰が想像したでしょう。
この後はゲームをせず、皆でゲーム談義をして別れの挨拶をしました。
ルールさえわかれば言葉や文化の壁を通り越して皆で楽しめるボードゲーム。今回もそれを実感した日でした。
なんだか日本に関係したゲームばかりして複雑な心境になりましたが、いつかどこかで彼らとまたゲームをできる日があれば、そう思いながら帰途につきました。
会を主催したのはアメリカ人の女性。場所はイタリア人のアパート。招待された人はみんなボードゲーマーです。
当然のごとく(?)食事の前にゲーム。

最初にプレイしたのはクニッツァの略奪(Loot)。

商船を海に出し、海賊から守りながら無事に目的地にたどり着くことを目指すのがテーマのカードゲーム。

使用するカードは金が描かれた商船と色分けされた海賊船のカード、そしてその色に対応したキャプテン。
場に出された商船のカードに海賊船のカードを出すことで商船を襲います。他の海賊(他のプレイヤー)も同じ商船を襲うことができますが、違う色のカードの海賊船でなければいけません。海賊の強さはカードのドクロの数の合計で決まります。自分の手番まで一番強い状態だったらその商船を自分のものにすることができます。なぜか自分が場に出した商船も自分の出した海賊船のカードで襲うことができます。
獲得した商船のカードに描かれた金の数が得点になるので金の数の多い商船が狙われやすくなります。
自分も商船のカードを場に置くこともあるのでまわりの状況を見つつ、おとりの商船を出して他のプレイヤーに強い海賊船のカードを出させて、後から価値の高い商船を出すという駆け引きも起こります。
ボードゲーマーが塩野七生著の「ローマ亡き後の地中海世界」を読めばとサラセンの海賊とヨーロッパ世界を舞台にしたゲームを作りたくなるかもしれません。中世の地中海世界を知っていたならクニッツァもやはり同じような気になったでしょうか?しかしボードゲームにしてしまうといろいろと支障が生じるでしょう。このカードゲームでは海賊のテーマは維持しつつも歴史的な背景はほとんど感じないようになっています。
食事が終わってプレイしたのは将軍(Shogun)。名前は知っていましたがプレイするのは初めてです。

イタリア人から「ダイスを使わないリスク(Risk)だ」と説明されました。16世紀の日本を舞台に勢力争いをします。
ゲームで使用するキャラクターは武田信玄、徳川家康など実在した人物。
自分が担当するのは羽柴秀吉。でもゲーム開始時は信濃を支配することになりました。信玄を担当するイタリア人からブーイング。
自分の支配する地に兵隊を配置し、さまざまなアクションを実行します。選択肢がいくつもあり、年貢を取って米やお金を摂取する、城や神社を建てるなどアクションがあります。どの支配地域にそれぞれのアクションを割り当てるか秘密裏に決めます。年貢を徴収するとその地の農民の不満がたまります。不満が爆発すると一揆が起こります。もちろん他のプレイヤーとの戦争も起こります。
一揆や戦争が起こると戦闘に参加した駒をダイスタワーみたいなものにいれて勝敗を決めます。入れたものが全部出てくるわけでなくいくつかは中にトラップされて出てきません。したがって前の戦争で中に残っていた駒が出てきたりして予想できないことも起こります。
領土を拡げても、住民に食料を提供することができなければ一揆が起こったりと内政もしっかりしなければいけません。一手のミスでその後、ずっと苦境に陥ることもあり緊張したゲーム展開になります。
戦争で領土を拡大するだけでなく、自分の支配地をしっかりと治めることができなければ自滅するというのは、リスクとは大きな違いだと思うのですがなかなか興味深いゲームでした。
またこのゲーム、英語、イタリア語などだけでなく日本語のルールブックまで入っており、驚きました。

他の人たちはK2をプレイしていました。
この後、予期もしないことが起こりました。

このイタリア人のアパートには畳が敷いてありました。それだけでも驚きですが、なんと将棋も持っていました。そんな彼から勝負を挑まれました。
将棋はもう10年以上やっていません。アメリカやフランスではする機会はおろか知ってる人すらほとんどいませんでしたから。基本的な戦法すら記憶の彼方の状態になっていました。
とはいえ日本人としてここは簡単に負けるわけにはいきません。とりあえず矢倉を組んで様子を見ることに。。と思ったら向こうも矢倉を組んできました。さらに雀刺し!!
どうみてもルールと駒の動きだけ知っているイタリア人ではありません。
結局、向こうのミスで勝つことはできましたが、正直、驚きを通り越してかなり焦りました。また焦った反面、うれしくもありました。

本棚を覗くとなんと日本語の将棋本がいっぱい。道理で。


彼は私以上に日本人かもしれません。
しかし私が驚いたのはこれだけではありませんでした。

「見せたいものがある」といって彼が取り出したのは「どうぶつしょうぎ」。実物を見るのはこれが初めてです。

ひよこの「歩」。

裏返るとニワトリになった「と金」。確かに理屈に適っています。

ここまでそろえているのならもしやとは思いましたが。。。

やはり持っていました。「おおきな森のどうぶつしょうぎ」。

左から香車、桂馬、銀、角、飛車。ちなみに金は犬のイラスト。

裏返して成った駒の図。なぜかえさを食べています。

駒を見て興味を持ったアメリカ人の男性。イタリア人と対局することになりました。

フランスはパリでアメリカ人とイタリア人が「どうぶつしょうぎ」を指す姿を誰が想像したでしょう。
この後はゲームをせず、皆でゲーム談義をして別れの挨拶をしました。
ルールさえわかれば言葉や文化の壁を通り越して皆で楽しめるボードゲーム。今回もそれを実感した日でした。
なんだか日本に関係したゲームばかりして複雑な心境になりましたが、いつかどこかで彼らとまたゲームをできる日があれば、そう思いながら帰途につきました。
ボードゲームイベント
去年参加したゲームのイベントに参加してきました。去年のイベントの内容についてはこちら。
今年で2回目のこのイベント。場所は同じですが、去年に比べると1.5倍ほど規模が多くなっていました。今回はベルギーとイタリアのメーカがいくつか参加しました。



また子供用のスペースが前回に比べるとかなり充実していました。あきらかにコアなゲーマーだけでなくターゲットを拡げていることがわかります。

デモンストレーション用に大型化されたゲームがいくつも設置されていました。

巨大な「ワニに乗る?」
右側の緑色のワニは30cm近くあります。

やや大きめのセブンワンダーズ

ワンダーボードの厚さに注目

拡張のCitiesのワンダーボード、ペトラとビザンティウム
巨大なタケノコ(Takenoko)

デモンストレーション用とはいえここまで周到に準備している出展者側に恐れ入るところですが。。。。

パンダや庭師を見るとちょっと違うだろうと突っ込みたくはあります。



貸し出し用のゲーム群。その数はゆうに300を越えます。


ボードゲーム以外にも、屋外で楽しめるようなゲームがいくつも設置されていました。

自分の駒をはじいて他のプレイヤーの駒を中央の穴へ落とします。

ダイスを振って指定された数字の場所に木片を置きます。うまくバランスを取るのがコツです。
プロトタイプの展示スペース

JEUX DE DEMAIN、直訳すると「明日のゲーム」ですが、プロトタイプが多く発表され、テストプレイされていました。去年に比べると数だけでなく、コンポーネントもかなり凝ったものが多く見受けられました。いくつか試そうと思いましたが、すでに満席のところばかりでテストプレイすることは出来ませんでした。
イスタリ(Ystari)社のブースにて
イスタリ社の新作

Myrmes

セレニッシマ (Serenissima)
だいぶ前に出たゲームですが、新たにイスタリ社から出るようです。
フンタ(JUNTA)

フランス版のようです。
フラットラインド ゲームズ(Flatlined Games)社
TWIN TIN BOTS

ロボットを使いクリスタルを回収して得点を稼ぐゲーム。ロボットがなんとも可愛いです。
写真のがプロトタイプか最終版かは不明ですが、癒し系のロボットは見ているだけでも楽しそうです。
Ankama社

Dofus-Arena
イデアル(Id&al)社
Kahmaté

2人用ラグビーゲーム。
Days of Wonderのブース



スモールワールド Realms
ルポ プロデュクスィオン(Repos Production)社

City of Horror
迫り来るゾンビから、時には仲間を犠牲にして生き延びるサバイバルゲーム。キル・ビルvol. 1に出ていたGOGO夕張のような女子高生が出てきます。
Mall of Horrorというゲームのリメイクだそうです。
アサンクロン(Asyncron)社


1812 カナダ侵攻 (1812: The Invasion of Canada)

米英戦争をもとにしたゲーム。アメリカ正規軍、アメリカ民兵、英軍、カナダ民兵、ネイティブアメリカンなどを担当し、2人から5人までプレイできます。

ライナー クニツィアのゲーム。英題は"Loot"、邦題は「略奪」だそうです。
プティ ジュウール(Petit Joueur)社

ジャック バナナス (Jack Bananas) 自分の飛行機をうまく着地させることできるか。ダイスを使ったブラフゲーム。まだ少人数ですが、トリックトラックでの評価は高いです。
Terra Mutandis社


Roue Breizh
その他

Matagot社

Kemet



Sunrise City

東海道(Tokaido)

UNITED SQUARE 4色のタイルを同じ色が辺で合うように配置します。うまく配置して相手をブロックします。

Mediterranean 箱には「ローマとカルタゴ」と書いてあります。

相当年期が入っています。写真のは1955年に出たようです。
前回に比べて子供用のスペースにもゲームが多く用意されていました。



さらに子供用のゲーム販売スペースもかなりの数が用意されていました。

ボードゲームだけでなく小さな子供たちが遊べるような場所も設けられていました。小さい子供も退屈しないように家族ぐるみで来ることが出来るようにとの主催者側の工夫が窺えます。
プレイしたゲーム
今回も去年と同様、テストプレイではなく、どんなメーカーがどんな作品を観察するのが目的だったのですが、短時間で終わるゲームを2つほどプレイしました。
ジャクタレア(jactalea)社のブースで
マナ(Mana)

奇妙な文様の盤に惹かれて覗き込んでいるとスタッフの方から「プレイしませんか」と声をかけられました。
大きな駒は大名、小さいのは浪人だそうです。
駒は縦横に移動できますが、自分の駒が置いてあるマスによって移動できる数が違います。
縦横1本同士が交差するマス(「十」字のマス)にある駒は1マス、
縦横2本同士が交差するマス(「井」字のマス)にある駒は2マス、
同様に縦横3本同士が交差するマスにある駒は3マス移動できます。
ただしこれだけが制限ではなく、相手が駒を動かしたとき、その駒が留まったマスと同じ種類のマスにある駒しか動かせません。
例:相手の駒が「井」字のマスに止まった場合、「井」のマス上にある自分の駒しか動かせない。
ただしどの駒もそのマスにない場合は好きな駒を動かすことが出来ます。自分の駒をうまく動かすことでこの条件を発生させるのが鍵です。当然相手もこれを狙っていることを考慮に入れなければいけません。
相手の大名を獲った方が勝ち。
相手の動きを制限するだけでなく、自分の動きを制限することで逆に自由度を上げるゲームでちょっと慣れが必要です。
今回は2回プレイして2回ともスタッフの術中に嵌ってしまい負けました。
最初にどうするかわかりづらいゲームではありますが、相手の駒を獲ることを目的とするだけでなく、いかに相手をこちらの術中にはめるかを考えるのに熟達していければ楽しめるかと思います。コンポーネントが全て紙でも木でもプラスチックでもないのは珍しいのではないでしょうか。四半世紀前に発表されたゲームですが、パリ近郊で行われるボードゲームクリエイターの国際コンクール(Concours International de Créateurs de Jeux de Société)で賞をとった作品だけにロングセラーなのでしょう。
過去の受賞作品リスト (英語)
最近ではウィッティークロノス、東海道などがあります。
オキヤ(OKIYA)

その後でスタッフが薦めたゲーム。写真はデモンストレーション用です。
場にあるタイルを自分の芸者タイルに置き換えます。場に置かれた各タイルには2つの情景が描かれています。たとえば「もみじに短冊」、「梅に月」など。相手がタイルを取って自分の芸者タイルに置き換えたら、相手がとったタイルの情景のうち一つがあるタイルを自分の手番でとらなければなりません。
例:相手が「菖蒲に鳥」のタイルを取ったなら「菖蒲に〜」か「〜に鳥」のタイルを取らなければならない。
最初は端側からタイルを獲らなければなりません。自分の芸者タイルを縦か横あるいは斜め一列揃えるか、縦横2マスずつの正方形を作るか、あるいは相手が先の条件でタイルを引けなくなるのいずれかになった場合勝利します。
「とりあえず角から」と始めましたが、次の手が相手が取るタイルに依存するのでそれほど選択肢はありません。限られた選択肢の中でうまく勝利条件を満たすように配置するわけですが、しっかり先を読まないとすぐに相手にしてやられてしまいます。
というわけで、今回はまたスタッフに負けました。
慣れたプレイヤー相手に気を抜くとすぐに終わってしまいます。同レベルのプレイヤー同士でプレイするのがいいでしょう。
アブストラクトの熟練者なら最初の状況を見ただけで手を読み切ってしまうかもしれませんが、短時間で終わるアブストラクトと考えるとゲームの雰囲気でも楽しめるでしょう。
明らかに花札を意識したデザインは気に入る人もいると思います。
このメーカー、ジャクタレア社は小粒ながらなかなか興味深いゲームを出しています。日本ではブルーライオン(The Blue Lion)などが紹介されています。
ブルーライオンのプレイレポート(こちら)
終わりに
今回のイベントではフランスのみならずベルギー、イタリアのメーカーも参入していました。また子供を意識したゲーム、設備が整っていました。プロトタイプのブースもかなり力が入っているように企業だけでなく個人レベルでゲームを発表できる機会が大きくなっているようです。多岐に渡って規模が大きくなった今年のイベント。去年の規模を比較考慮すると来年はまたより大きくなっていくのではないでしょうか。
今年で2回目のこのイベント。場所は同じですが、去年に比べると1.5倍ほど規模が多くなっていました。今回はベルギーとイタリアのメーカがいくつか参加しました。



また子供用のスペースが前回に比べるとかなり充実していました。あきらかにコアなゲーマーだけでなくターゲットを拡げていることがわかります。

デモンストレーション用に大型化されたゲームがいくつも設置されていました。

巨大な「ワニに乗る?」
右側の緑色のワニは30cm近くあります。

やや大きめのセブンワンダーズ

ワンダーボードの厚さに注目

拡張のCitiesのワンダーボード、ペトラとビザンティウム
巨大なタケノコ(Takenoko)

デモンストレーション用とはいえここまで周到に準備している出展者側に恐れ入るところですが。。。。

パンダや庭師を見るとちょっと違うだろうと突っ込みたくはあります。



貸し出し用のゲーム群。その数はゆうに300を越えます。


ボードゲーム以外にも、屋外で楽しめるようなゲームがいくつも設置されていました。

自分の駒をはじいて他のプレイヤーの駒を中央の穴へ落とします。

ダイスを振って指定された数字の場所に木片を置きます。うまくバランスを取るのがコツです。
プロトタイプの展示スペース

JEUX DE DEMAIN、直訳すると「明日のゲーム」ですが、プロトタイプが多く発表され、テストプレイされていました。去年に比べると数だけでなく、コンポーネントもかなり凝ったものが多く見受けられました。いくつか試そうと思いましたが、すでに満席のところばかりでテストプレイすることは出来ませんでした。
イスタリ(Ystari)社のブースにて
イスタリ社の新作

Myrmes

セレニッシマ (Serenissima)
だいぶ前に出たゲームですが、新たにイスタリ社から出るようです。
フンタ(JUNTA)

フランス版のようです。
フラットラインド ゲームズ(Flatlined Games)社
TWIN TIN BOTS

ロボットを使いクリスタルを回収して得点を稼ぐゲーム。ロボットがなんとも可愛いです。
写真のがプロトタイプか最終版かは不明ですが、癒し系のロボットは見ているだけでも楽しそうです。
Ankama社

Dofus-Arena
イデアル(Id&al)社
Kahmaté

2人用ラグビーゲーム。
Days of Wonderのブース



スモールワールド Realms
ルポ プロデュクスィオン(Repos Production)社

City of Horror
迫り来るゾンビから、時には仲間を犠牲にして生き延びるサバイバルゲーム。キル・ビルvol. 1に出ていたGOGO夕張のような女子高生が出てきます。
Mall of Horrorというゲームのリメイクだそうです。
アサンクロン(Asyncron)社


1812 カナダ侵攻 (1812: The Invasion of Canada)

米英戦争をもとにしたゲーム。アメリカ正規軍、アメリカ民兵、英軍、カナダ民兵、ネイティブアメリカンなどを担当し、2人から5人までプレイできます。

ライナー クニツィアのゲーム。英題は"Loot"、邦題は「略奪」だそうです。
プティ ジュウール(Petit Joueur)社

ジャック バナナス (Jack Bananas) 自分の飛行機をうまく着地させることできるか。ダイスを使ったブラフゲーム。まだ少人数ですが、トリックトラックでの評価は高いです。
Terra Mutandis社


Roue Breizh
その他

Matagot社

Kemet



Sunrise City

東海道(Tokaido)

UNITED SQUARE 4色のタイルを同じ色が辺で合うように配置します。うまく配置して相手をブロックします。

Mediterranean 箱には「ローマとカルタゴ」と書いてあります。

相当年期が入っています。写真のは1955年に出たようです。
前回に比べて子供用のスペースにもゲームが多く用意されていました。



さらに子供用のゲーム販売スペースもかなりの数が用意されていました。

ボードゲームだけでなく小さな子供たちが遊べるような場所も設けられていました。小さい子供も退屈しないように家族ぐるみで来ることが出来るようにとの主催者側の工夫が窺えます。
プレイしたゲーム
今回も去年と同様、テストプレイではなく、どんなメーカーがどんな作品を観察するのが目的だったのですが、短時間で終わるゲームを2つほどプレイしました。
ジャクタレア(jactalea)社のブースで
マナ(Mana)

奇妙な文様の盤に惹かれて覗き込んでいるとスタッフの方から「プレイしませんか」と声をかけられました。
大きな駒は大名、小さいのは浪人だそうです。
駒は縦横に移動できますが、自分の駒が置いてあるマスによって移動できる数が違います。
縦横1本同士が交差するマス(「十」字のマス)にある駒は1マス、
縦横2本同士が交差するマス(「井」字のマス)にある駒は2マス、
同様に縦横3本同士が交差するマスにある駒は3マス移動できます。
ただしこれだけが制限ではなく、相手が駒を動かしたとき、その駒が留まったマスと同じ種類のマスにある駒しか動かせません。
例:相手の駒が「井」字のマスに止まった場合、「井」のマス上にある自分の駒しか動かせない。
ただしどの駒もそのマスにない場合は好きな駒を動かすことが出来ます。自分の駒をうまく動かすことでこの条件を発生させるのが鍵です。当然相手もこれを狙っていることを考慮に入れなければいけません。
相手の大名を獲った方が勝ち。
相手の動きを制限するだけでなく、自分の動きを制限することで逆に自由度を上げるゲームでちょっと慣れが必要です。
今回は2回プレイして2回ともスタッフの術中に嵌ってしまい負けました。
最初にどうするかわかりづらいゲームではありますが、相手の駒を獲ることを目的とするだけでなく、いかに相手をこちらの術中にはめるかを考えるのに熟達していければ楽しめるかと思います。コンポーネントが全て紙でも木でもプラスチックでもないのは珍しいのではないでしょうか。四半世紀前に発表されたゲームですが、パリ近郊で行われるボードゲームクリエイターの国際コンクール(Concours International de Créateurs de Jeux de Société)で賞をとった作品だけにロングセラーなのでしょう。
過去の受賞作品リスト (英語)
最近ではウィッティークロノス、東海道などがあります。
オキヤ(OKIYA)

その後でスタッフが薦めたゲーム。写真はデモンストレーション用です。
場にあるタイルを自分の芸者タイルに置き換えます。場に置かれた各タイルには2つの情景が描かれています。たとえば「もみじに短冊」、「梅に月」など。相手がタイルを取って自分の芸者タイルに置き換えたら、相手がとったタイルの情景のうち一つがあるタイルを自分の手番でとらなければなりません。
例:相手が「菖蒲に鳥」のタイルを取ったなら「菖蒲に〜」か「〜に鳥」のタイルを取らなければならない。
最初は端側からタイルを獲らなければなりません。自分の芸者タイルを縦か横あるいは斜め一列揃えるか、縦横2マスずつの正方形を作るか、あるいは相手が先の条件でタイルを引けなくなるのいずれかになった場合勝利します。
「とりあえず角から」と始めましたが、次の手が相手が取るタイルに依存するのでそれほど選択肢はありません。限られた選択肢の中でうまく勝利条件を満たすように配置するわけですが、しっかり先を読まないとすぐに相手にしてやられてしまいます。
というわけで、今回はまたスタッフに負けました。
慣れたプレイヤー相手に気を抜くとすぐに終わってしまいます。同レベルのプレイヤー同士でプレイするのがいいでしょう。
アブストラクトの熟練者なら最初の状況を見ただけで手を読み切ってしまうかもしれませんが、短時間で終わるアブストラクトと考えるとゲームの雰囲気でも楽しめるでしょう。
明らかに花札を意識したデザインは気に入る人もいると思います。
このメーカー、ジャクタレア社は小粒ながらなかなか興味深いゲームを出しています。日本ではブルーライオン(The Blue Lion)などが紹介されています。
ブルーライオンのプレイレポート(こちら)
終わりに
今回のイベントではフランスのみならずベルギー、イタリアのメーカーも参入していました。また子供を意識したゲーム、設備が整っていました。プロトタイプのブースもかなり力が入っているように企業だけでなく個人レベルでゲームを発表できる機会が大きくなっているようです。多岐に渡って規模が大きくなった今年のイベント。去年の規模を比較考慮すると来年はまたより大きくなっていくのではないでしょうか。
ボードゲームパーティー
ボードゲームパーティーに行ってきました。
今回はまたトランプ博物館でのプレイ。トランプ博物館と前回のゲームパーティーについてはこちら。








最初にプレイしたのはタケノコ (Takenoko)。

花火(Hanabi)や世界の七不思議(7 Wonders)の作者がデザインしたゲーム。
中央の池からヘックスを配置していきます。ヘックスには黄色、緑、ピンクがあり、同じ色の竹がのびることになります。ただし竹が伸びるにはそのヘックスが灌漑されていないといけません。
プレイヤーは以下から異なるアクションを2つ選びます。
3つのヘックスから1つ選び配置する
灌漑用の水路を入手するand/or敷く
庭師を動かして竹を育てる。
パンダを動かして竹を食べさせる
目的カードを引く
このほか、手番の始めに天候ダイスを振って、出た天候に応じた特殊なアクションをします。
得点は3種類ある目的カードに示された条件を達成することにより入ります。
1)特定の色の竹を指定された数だけ伸ばす。
2)指定された色の竹をパンダが食べる。
3)指定された色のヘックスの組み合わせを配置する。
自分が竹を伸ばそうとしても他のプレイヤーが動かしたパンダによって食べられたりします。他のプレイヤーの動きを読み取って、うまく自分の目的カードの条件を達成していかなければなりません。
ゲームの流れはシンプルでルールもわかりやすく面白かったです。ちょっとダイスとカードの運に左右されるところはありますが、もっとプレイしてみたいと思います。
次にプレイしたのはCrooks。

crookとは「悪党、泥棒」といった意味。仲間を雇って強盗を働き得点を競うゲーム。2人でプレイ。

各プレイヤーはお金を受け取り、山札に置かれたカード(仲間)を選んで強盗計画を立てます。標的は8つあり数値が大きいほど成功した場合、得られる点が高くなります。
雇う仲間は裏向きになった複数ある山札から1つ選び、その中から1枚選びます。
山札には違う枚数のカードが置かれており、枚数に応じて支払う金額が違います。たとえばカードが3枚ある山札から選んだ場合は3ドル、5枚ある山札を選んだ場合は5ドル支払う必要があります。
所持金の許す限り仲間を雇うことが出来るので、何回も山札から選ぶことができますが、お金を払った以上、山札のカードをよく覚えておかないと、無駄に後でまた同じ山札を調べることにもなりかねません。
カードを選んだら、標的を選んで仲間を表向きにして配置します。このとき1ドル払うことで裏向きに配置することも出来ます。
カード(仲間)には数字が振ってあり、標的が他のプレイヤーとかぶった場合、大きい方が勝ちます。このほかにも成功した場合、得られる得点を上げたり、あるいは下げたりする効果をもつカードもあります。この他、色分けされたギャングのグループがあり、同じ色のギャングを多く配置したプレイヤーに得点が入ります。
得点の高い標的を狙えば競争になったり、勝っても得点を下げられたりする危険性があります。
一方で得点の低い標的は狙われにくく、うまく得点を上げたりできればしてやったりです。配置する時にカードを裏向きにできるのでこのあたりで駆け引きが生まれます。
プレイ人数が変わればまた違った展開になると思います。一発勝負ではありますが、そこが一攫千金を狙って銀行強盗をするという雰囲気を短時間で醸し出しているゲームと言えます。
仲間を募って強盗を働くというテーマは物議を醸すかもしれませんが、軽い感じのゲームの割には各カードのイラストはよく描き込んであります。
ザ・シティ(The City) 仏語版

レース・フォー・ザ・ギャラクシーのデザイナー、トーマス・レーマンの作品。2人から5人までプレイできます。今回は2人でプレイ。
プエルトリコ(Purerto Rico)をカードゲームにしたのがサンファン(San Juan)というならば、サンファンをよりゲーマー向きに仕上げたのがレース・フォー・ザ・ギャラクシー (Race for the Galaxy)、サンファンをより簡単にしたのがこのシティと言えるかもしれません。
サンファンのように手持ちのカードを建設して街を大きくしていくゲームですが、ルールがさらに簡略化されています。サンファンでは建築以外に複数のアクションを選ぶわけですが、このゲームはとれるアクションを建築だけに絞っています。
カードの建築はサンファンと同じく、建築に必要なコストと同じ枚数の手札を消費します。場に自分の街の施設が増えていくと、得点が入るほか、山札から引けるカードもどんどん増えていきます。誰かが最初に50点以上になったら最後のラウンド。

カードの勝利点が0点とか1点といったカードが多く「これは時間が掛かってダレるゲームかもなぁ」と思ったのですが、予想に反してゲームは後半、点がうなぎ上りにのびていきます。
ひたすら建築して得点を稼いでいくゲームですが、サンファンとは決定的に違う要素があります。
得点がラウンド毎の累積であること、そしてサンファンでは得点は自分の建築したものだけですが、このゲームでは自分の街以外に他人の街の施設が得点源にもなるカードがあります。
そういったカードを建設して相手に牽制をするか、あるいは相手に街を作らせるだけ作らせておいて最後においしい蜜を吸うか、短時間で終わるにもかかわらずいろいろな戦略が取れる点は好印象です。
相手がどういう町づくりをしているのか顧みずに、自分の街を作ることだけに邁進していると勝利を目前にして相手に一本とられてしまいます。
この好感触はゲームとして面白いというよりむしろ、「思ったほど軽くない」、「いろいろな戦略が取れることが初めてのプレイでもわかる」というわかりやすさにあります。デザイナーのトムはサンファンを基軸としてよりゲーマー向きにレース・フォー・ザ・ギャラクシーを、ビギナー向けにシティをデザインしたのではないかと思われます。ただし易しくなっているとはいえ、単純で無味乾燥なゲームではないところはさすがです。
4~5人でプレイした場合、自分の街だけでなく、複数のプレイヤーの街を常に注意してプレイしなければならないため、「このゲームでこのカツカツ感はないだろう」といった意見が出るかもしれませんが、そこは実際にプレイしてみないことにはわかりません。やはりサンファン同様、プレイ人数が少ない方がより戦略的にプレイできると思われます。
このゲーム、日本語版や英語版が出たならば子供と一緒にプレイすると教育的効果もあるかもしれません。
日本語版なら色々な街に関する用語を、英語版なら英単語を遊びながら覚えられて一石二鳥でしょう。
セベク (Sobek)
セベク神殿の前で商人達がしのぎを削りながら商品の獲得を競うゲーム。2人から4人までプレイできますが、2人でプレイ。

ボートの前に9枚のカードが並びます。このカードには商品のカードと人物のカードがあり、前者は表向きに、後者は裏向きに配置します。
神殿から遠い方からカードを選んでいきますが、スキップして別のカードを選んだ場合、スキップしたすべてのカードを別に回収しなければならず、このカードの枚数によってあとでペナルティーが科されます。
同じ種類の商品カードを3枚以上集めたら場に出すことが出来ます。
カードにはスカラベがついているのもあり、(カードの枚数) X (スカラベの総数)が得点として入ります。つまりいくら同じ種類のカードがあってもスカラベのあるカードがないと点になりません。
カードを場に出した場合、イベントトークンを入手でき、いろいろな特典を得ることが出来ます。
人物のカードは特殊効果があるだけでなく、商品としても使うことが出来ます。
場のカードが全てなくなったらラウンドの終了。
2ラウンド終了時に100点以上とるか、3ラウンドプレイして最高得点を得た者が勝利します。
所感
2人プレイだとあまり取り合いがきつくなくてちょっとゆるい印象です。4人プレイだとスカラベのカードを取り合うことになりまた違った緊張感が生まれるのかもしれません。
次にプレイしたのはウルル (Uluru)

ウルルはオーストラリア大陸にある巨大な一枚岩。エアーズロックの名でも知られています。

プレイヤーはこの岩が描かれたボードとカラフルな鳥を受け取り、カードに指定された条件に合わせて、鳥達を指定時間内に岩の周りに配置していきます。

カードの条件とはたとえばある鳥は特定の色の鳥の隣に置かなければいけないとか、特定のマスに配置しなければいかないといったものです。ひとつひとつの条件は簡単ですが、条件が8つもあるので全て満たそうとすると思ったほど楽ではありません。カードにはいくつかのレベルがあり、レベルがあがるにつれ、鳥達を配置する条件が複雑になっていきます。間違えると減点され、もっとも減点されなかった人の勝ち。4人でプレイ。
「さてどうしますか」などと悠長に考えているとあっという間に砂時計の砂が流れきってしまうので、考えてから置くより、考えながらせわしく置いていかないと駒を全然ボードの上に置けません。レベルが高いカードがいっぱい出ていったん混乱してしまうともうアウトです。ボードの外に置き去りにされた鳥達が哀愁を誘います。
La course à l'Élysée (Tric Trac)la courseは競争、走ること。タイトル通り、プレイヤーはエリゼ宮(大統領になること)を目指して競争をします。3人でプレイ。

各プレイヤーは左派、中道派などを担当して提起された社会問題を、独自の解釈で他のプレイヤーに演説します。支持が得られたプレイヤーの駒はエリゼ宮に近づくことが出来ます。とくにこれといった戦略はなくいかに相手を納得させられるかというコミュニケーション重視のゲームといえるでしょう。

フランス人と政治の議論とは最初から勝負あったようなものですが、半分まじめで半分冗談で討論を展開して楽しみました。
明らかにフランス人好みのゲームといえるでしょう。大統領選挙戦を控えてか、この他にも「私が大統領ならば (Si j'étais PRESIDENT...)」「私を大統領に!(Élisez-moi!)(Tric Trac)」といった政治をネタにしたゲームが出ていますが、こういったゲームが市場に出回ることが出来るのも政治議論の好きな御国柄故といえるでしょう。
その他、気になったゲーム

ZONG SHI 奇麗なコンポーネントはプレイ意欲をそそります。
今回はまたトランプ博物館でのプレイ。トランプ博物館と前回のゲームパーティーについてはこちら。








最初にプレイしたのはタケノコ (Takenoko)。

花火(Hanabi)や世界の七不思議(7 Wonders)の作者がデザインしたゲーム。
中央の池からヘックスを配置していきます。ヘックスには黄色、緑、ピンクがあり、同じ色の竹がのびることになります。ただし竹が伸びるにはそのヘックスが灌漑されていないといけません。
プレイヤーは以下から異なるアクションを2つ選びます。
3つのヘックスから1つ選び配置する
灌漑用の水路を入手するand/or敷く
庭師を動かして竹を育てる。
パンダを動かして竹を食べさせる
目的カードを引く
このほか、手番の始めに天候ダイスを振って、出た天候に応じた特殊なアクションをします。
得点は3種類ある目的カードに示された条件を達成することにより入ります。
1)特定の色の竹を指定された数だけ伸ばす。
2)指定された色の竹をパンダが食べる。
3)指定された色のヘックスの組み合わせを配置する。
自分が竹を伸ばそうとしても他のプレイヤーが動かしたパンダによって食べられたりします。他のプレイヤーの動きを読み取って、うまく自分の目的カードの条件を達成していかなければなりません。
ゲームの流れはシンプルでルールもわかりやすく面白かったです。ちょっとダイスとカードの運に左右されるところはありますが、もっとプレイしてみたいと思います。
次にプレイしたのはCrooks。

crookとは「悪党、泥棒」といった意味。仲間を雇って強盗を働き得点を競うゲーム。2人でプレイ。

各プレイヤーはお金を受け取り、山札に置かれたカード(仲間)を選んで強盗計画を立てます。標的は8つあり数値が大きいほど成功した場合、得られる点が高くなります。
雇う仲間は裏向きになった複数ある山札から1つ選び、その中から1枚選びます。
山札には違う枚数のカードが置かれており、枚数に応じて支払う金額が違います。たとえばカードが3枚ある山札から選んだ場合は3ドル、5枚ある山札を選んだ場合は5ドル支払う必要があります。
所持金の許す限り仲間を雇うことが出来るので、何回も山札から選ぶことができますが、お金を払った以上、山札のカードをよく覚えておかないと、無駄に後でまた同じ山札を調べることにもなりかねません。
カードを選んだら、標的を選んで仲間を表向きにして配置します。このとき1ドル払うことで裏向きに配置することも出来ます。
カード(仲間)には数字が振ってあり、標的が他のプレイヤーとかぶった場合、大きい方が勝ちます。このほかにも成功した場合、得られる得点を上げたり、あるいは下げたりする効果をもつカードもあります。この他、色分けされたギャングのグループがあり、同じ色のギャングを多く配置したプレイヤーに得点が入ります。
得点の高い標的を狙えば競争になったり、勝っても得点を下げられたりする危険性があります。
一方で得点の低い標的は狙われにくく、うまく得点を上げたりできればしてやったりです。配置する時にカードを裏向きにできるのでこのあたりで駆け引きが生まれます。
プレイ人数が変わればまた違った展開になると思います。一発勝負ではありますが、そこが一攫千金を狙って銀行強盗をするという雰囲気を短時間で醸し出しているゲームと言えます。
仲間を募って強盗を働くというテーマは物議を醸すかもしれませんが、軽い感じのゲームの割には各カードのイラストはよく描き込んであります。
ザ・シティ(The City) 仏語版

レース・フォー・ザ・ギャラクシーのデザイナー、トーマス・レーマンの作品。2人から5人までプレイできます。今回は2人でプレイ。
プエルトリコ(Purerto Rico)をカードゲームにしたのがサンファン(San Juan)というならば、サンファンをよりゲーマー向きに仕上げたのがレース・フォー・ザ・ギャラクシー (Race for the Galaxy)、サンファンをより簡単にしたのがこのシティと言えるかもしれません。
サンファンのように手持ちのカードを建設して街を大きくしていくゲームですが、ルールがさらに簡略化されています。サンファンでは建築以外に複数のアクションを選ぶわけですが、このゲームはとれるアクションを建築だけに絞っています。
カードの建築はサンファンと同じく、建築に必要なコストと同じ枚数の手札を消費します。場に自分の街の施設が増えていくと、得点が入るほか、山札から引けるカードもどんどん増えていきます。誰かが最初に50点以上になったら最後のラウンド。

カードの勝利点が0点とか1点といったカードが多く「これは時間が掛かってダレるゲームかもなぁ」と思ったのですが、予想に反してゲームは後半、点がうなぎ上りにのびていきます。
ひたすら建築して得点を稼いでいくゲームですが、サンファンとは決定的に違う要素があります。
得点がラウンド毎の累積であること、そしてサンファンでは得点は自分の建築したものだけですが、このゲームでは自分の街以外に他人の街の施設が得点源にもなるカードがあります。
そういったカードを建設して相手に牽制をするか、あるいは相手に街を作らせるだけ作らせておいて最後においしい蜜を吸うか、短時間で終わるにもかかわらずいろいろな戦略が取れる点は好印象です。
相手がどういう町づくりをしているのか顧みずに、自分の街を作ることだけに邁進していると勝利を目前にして相手に一本とられてしまいます。
この好感触はゲームとして面白いというよりむしろ、「思ったほど軽くない」、「いろいろな戦略が取れることが初めてのプレイでもわかる」というわかりやすさにあります。デザイナーのトムはサンファンを基軸としてよりゲーマー向きにレース・フォー・ザ・ギャラクシーを、ビギナー向けにシティをデザインしたのではないかと思われます。ただし易しくなっているとはいえ、単純で無味乾燥なゲームではないところはさすがです。
4~5人でプレイした場合、自分の街だけでなく、複数のプレイヤーの街を常に注意してプレイしなければならないため、「このゲームでこのカツカツ感はないだろう」といった意見が出るかもしれませんが、そこは実際にプレイしてみないことにはわかりません。やはりサンファン同様、プレイ人数が少ない方がより戦略的にプレイできると思われます。
このゲーム、日本語版や英語版が出たならば子供と一緒にプレイすると教育的効果もあるかもしれません。
日本語版なら色々な街に関する用語を、英語版なら英単語を遊びながら覚えられて一石二鳥でしょう。
セベク (Sobek)
セベク神殿の前で商人達がしのぎを削りながら商品の獲得を競うゲーム。2人から4人までプレイできますが、2人でプレイ。

ボートの前に9枚のカードが並びます。このカードには商品のカードと人物のカードがあり、前者は表向きに、後者は裏向きに配置します。
神殿から遠い方からカードを選んでいきますが、スキップして別のカードを選んだ場合、スキップしたすべてのカードを別に回収しなければならず、このカードの枚数によってあとでペナルティーが科されます。
同じ種類の商品カードを3枚以上集めたら場に出すことが出来ます。
カードにはスカラベがついているのもあり、(カードの枚数) X (スカラベの総数)が得点として入ります。つまりいくら同じ種類のカードがあってもスカラベのあるカードがないと点になりません。
カードを場に出した場合、イベントトークンを入手でき、いろいろな特典を得ることが出来ます。
人物のカードは特殊効果があるだけでなく、商品としても使うことが出来ます。
場のカードが全てなくなったらラウンドの終了。
2ラウンド終了時に100点以上とるか、3ラウンドプレイして最高得点を得た者が勝利します。
所感
2人プレイだとあまり取り合いがきつくなくてちょっとゆるい印象です。4人プレイだとスカラベのカードを取り合うことになりまた違った緊張感が生まれるのかもしれません。
次にプレイしたのはウルル (Uluru)

ウルルはオーストラリア大陸にある巨大な一枚岩。エアーズロックの名でも知られています。

プレイヤーはこの岩が描かれたボードとカラフルな鳥を受け取り、カードに指定された条件に合わせて、鳥達を指定時間内に岩の周りに配置していきます。

カードの条件とはたとえばある鳥は特定の色の鳥の隣に置かなければいけないとか、特定のマスに配置しなければいかないといったものです。ひとつひとつの条件は簡単ですが、条件が8つもあるので全て満たそうとすると思ったほど楽ではありません。カードにはいくつかのレベルがあり、レベルがあがるにつれ、鳥達を配置する条件が複雑になっていきます。間違えると減点され、もっとも減点されなかった人の勝ち。4人でプレイ。
「さてどうしますか」などと悠長に考えているとあっという間に砂時計の砂が流れきってしまうので、考えてから置くより、考えながらせわしく置いていかないと駒を全然ボードの上に置けません。レベルが高いカードがいっぱい出ていったん混乱してしまうともうアウトです。ボードの外に置き去りにされた鳥達が哀愁を誘います。
La course à l'Élysée (Tric Trac)la courseは競争、走ること。タイトル通り、プレイヤーはエリゼ宮(大統領になること)を目指して競争をします。3人でプレイ。

各プレイヤーは左派、中道派などを担当して提起された社会問題を、独自の解釈で他のプレイヤーに演説します。支持が得られたプレイヤーの駒はエリゼ宮に近づくことが出来ます。とくにこれといった戦略はなくいかに相手を納得させられるかというコミュニケーション重視のゲームといえるでしょう。

フランス人と政治の議論とは最初から勝負あったようなものですが、半分まじめで半分冗談で討論を展開して楽しみました。
明らかにフランス人好みのゲームといえるでしょう。大統領選挙戦を控えてか、この他にも「私が大統領ならば (Si j'étais PRESIDENT...)」「私を大統領に!(Élisez-moi!)(Tric Trac)」といった政治をネタにしたゲームが出ていますが、こういったゲームが市場に出回ることが出来るのも政治議論の好きな御国柄故といえるでしょう。
その他、気になったゲーム

ZONG SHI 奇麗なコンポーネントはプレイ意欲をそそります。