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日本に在住する外国人とのゲーム会

帰国して数ヶ月が経ちました。だいぶ日本の生活感をとりもどしつつも、新しい場所に移ると知り合いがほとんどいないため、最初は思うほど生活が順調にはいきません。同じことを留学した時にも経験しました。

まったく違った環境は非常に刺激的ですが、同時に文化の違いや言語の壁は大きく、不安やストレスを感じることも多いこともまた事実。

そういった状況を打破すべく、趣味を共有する仲間を見つけることができれば生活する上でのストレスはだいぶ緩和されます。

渡米直後、ろくに英語も話せない状況で自分のストレスを解消してくれたのはビリヤードでした。

ほとんど会話もできないけれどアメリカ人とビリヤードを続けることでこちらの状況を向こうは理解してくれ、そのうち相手の言っていることがわかってくるとチームに入るよう誘われたり、彼らと週末を過ごすことが多くなって行きました。

渡仏直後では、アメリカや日本とのあまりの違いに悩み、気分が沈むことがありましたが、ボードゲームが自分の生活の中で大きな支えになっていました。

有名なボードゲームはフランスでもプレイされていて、言葉はわからなくてもルールさえわかればゲームは楽しめるし、笑いも共有できる。そして気がつけば彼らと過ごす時間も増えていました。

そういった経験を踏んだ後で帰国し、日本で開かれるいくつかのゲーム会に参加しました。短期間で多くのゲーマーの人たちと知り合えたのはおおきな収穫です。やはり共通の趣味を持つと話が自然と弾みます。帰国直後の不安もすぐに吹き飛びました。

そんななか、ふと素朴な疑問として思ったのは、海外から日本に来る人たちが、どう日本で過ごしているかでした。

日本に興味があって来日する人もいれば、仕事で日本に来ているという人もいるでしょう。いかに日本が安全とはいえ、日本語は難しいし、(一応)以心伝心の文化は彼らには理解しがたく、孤独感に苛まれたり、疑心暗鬼に陥ったり、ホームシックになってしまう人も出てくるかもしれません。

しかし近年はインターネットの普及で自宅にいながら情報を収集でき、私のように趣味を共有できる仲間を見つけているのではないかと思います。

彼らの中にはボードゲームを趣味に持つ人もいるのではと思い、ネットで調べたところ、海外から来る人たちでボードゲームをプレイしている会を見つけたので参加してみました。

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開始時間より遅れて来ましたが、いたのは数名ほど。使っていた場所は自宅ではなく、共通の施設です。持ち込まれていたのはギークでも評価の高いものが上位を占めていました。どちらかというと長時間ゲームが多くを占めていました。

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プレイされていたのはボードゲームだけでなく、カードゲームも。

最初は数名だったのですが、午後に人が集まりだし最終的には20数名までになりました。

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まだほとんど人がいないときに来たので軽く2人用ゲームでもやらないかと声をかけられプレイしたのはブルームーン

自分の受け持つ種族で竜の気を惹くことで勝利を目指します。初めてのプレイ。

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カードゲームですが、2つの種族でカードの構成が違います。声をかけてくれた彼は複数の種族のカードのセットを持ってきていました。どの種族もバランスよくできているそうですが、今回は基本セットの種族でプレイ。

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一回目はカードの効果や使い方の要領が掴めず、完敗。2回目は種族を変えて挑戦。運良く勝てました。カードの構成や相性を覚えていけばより楽しめそうです。

人が集まってきたので電力会社をプレイ。

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有名なゲームですがプレイするのはこれが初めて。アメリカマップでプレイしました。東海岸から手を付けて勢力を拡げて行きましたが、勝利目前一つ差で勝ちを逃しました。乗車券のときもそうですが、実在する国のマップをボードにしたゲームではプレイしているうちに都市の名前や場所とかも覚えられていいですね。


ヴィティカルチャー


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ヴィティカルチャーとはブドウ栽培のことで、ブドウを栽培し、さらに収穫したブドウでワインを作ったりしていきます。ブドウには白ワイン用のブドウと赤ワイン用のブドウがあり、それらを組み合わせてロゼやシャンパン等をつくることもできます。

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プレイヤーのボード。

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ワーカープレスメントのゲームです。できるアクションが夏と冬に分かれます。ブドウを入手したり、栽培に必要な施設を建てたりして効率よくワイン造りを目指します。

またさまざまな効果を持つカードを入手することもできます。入手するカードのなかには結構効果に強弱があり、序盤にいいカードを引くとその後の展開でかなり有利になるのもあり、バランス的にやや難があるかもしれません。

前述のようにワーカープレイスメントですがカードを引いたり、自分の領地の施設を充実させたりと何を重視していくか戦略を練れるゲームで、カードの強弱はあるもののゲームとしてはよくできています。ただこのシステムをブドウ栽培と絡めることの意義や、あまり目新しさがない点は否定しがたく「ワーカープレイスメントにする必要があったのか」という疑問点は残ります。ワイン製造を扱ったゲームは2010年に多く登場しましたが、そういったゲームとの違いを打ち出すために採用されたでしょうか。

最後にプレイしたのはマスカレード

正体隠匿系のゲーム。

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様々な効果を持つキャラのカードを一枚受け取り、全員が各自のキャラを確認した後、裏向きにします。最初時計回りに4人のプレイヤーが自分のカードを他の人のカード(あるいは場にあるカード)と交換する、あるいは交換するふりをしたあとで次のプレイヤーから以下のアクションをします。

プレイヤーは手番で

ア)自分と他の人のカード(あるいは場にあるカード)を交換する、または交換したふりをする。
イ)自分のカードを見る。
ウ)自分のキャラのアクションを演じる(バレなければブラフも可)

のうちどれかを選択します。これらのアクションをうまく駆使してコインを集め、コインを最初に13枚集めた人が勝ちます。

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クーと似たタイプのゲームですが、こちらは自分自身も誰だかわからないことがあるという点が違います。

(あのプレイヤーがこのカードが欲しいだろうから、ここで交換し、あのプレイヤーは。。。)、と推測して見ても実は全然違ったり、自分自身が全然思っていたキャラと違っていたりと思わぬ展開になること多しです。

またアの動作で他の人に見えないように机の下で2枚のカードを交換するのですが、自分のカードと人のカードを机の下で交換しているうち、プレイヤー本人がどっちのカードか自分のだったかわからなくなってしまったりして笑いが起こります。「そんなことは自分はしない」と言ったプレイヤーも「しまった。自分もわからなくなった!」と嘆いて爆笑。

記憶と理屈で考えられる分、それが仇となって墓穴を掘ったり、相手のブラフに自信を持てなくなったりで演技派のプレイヤーがいると楽しいことこの上ないです。

クーのときもそうですが、遊ぶ面子によって面白さが大きく変わるゲームの一つです。

  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

今回初めての参加ですが、大きなテーブル2卓を使って2人だけでウォーゲームをプレイするなど、今まで参加した日本人同士のゲーム会では見ない風景ですが、昨今のユーロゲームやパーティーゲームをしている人もいて、一概に決まった種類のゲームだけをしている会ではありません。

今回集った人たちはアメリカ人だけではなく、日本人も若干名、またヨーロッパから来ている人たちもいて帰りは彼らと一緒に話しながら家路につきました。

ネットによって大きく変わった海外生活。彼らはロストイントランスレーションに陥らず、たくましく生きているようです。

COMMENTS

ヴィティカルチャー

ヤフオクで落札できなかったゲームです。

コンポーネントが優れていると聞き、ほしくなったのですが、

ダメでした。

内容は・・・

いまいちなんですかね?

サッカーに感じたのと同様に。。。

ボードゲームやカードゲームにも国境や異文化の隔てを超えることのできる

可能性を感じます。

今日も教室生とその友達とのゲーム会を行いましたが、小学校2年生なのに、

盛り上がり方が半端なく面白かったです。

僕の教室では、異学校・異学年・異性・幼稚園と小学生と保護者と僕が一緒に

ゲームをしています。

また、BLOGを見ていただいて、遠くから教室に密航してくれる方もいます。

初めて顔合わせをする方でも楽しく、すぐに打ち解けあうボードゲームの

魅力は、人付き合いの苦手で引っ込み思案で臆病な僕の

コミュニケーションツールとなっていますね。

No title

ボードゲームやカードゲームは知らない人同士でもすぐ打ち解けるアイスブレイキングなアイテムですね。職場にもユーロゲームを楽しんでいる人がいて驚きました。一昔前までは考えられなかったことです。

ヴィティカルチャーは悪くはないと思います。記事に書いたようにカードの強弱があるのでその辺を知っておけば戦略を練れると思います。

また来年もよろしくお願いします。
よいお年を。

今年、いろいろとお世話になりました!

新しい年も、ちょくちょく顔を出させていただきますので、

よろしくお願いいたします。

良い年をお迎えください!

いつか、お会いしたいものです!

ヴィティカルチャー

あけましておめでとうございます。
今年もたまに拝見しますので、よろしくお願いします。

ヴィティカルチャーって日本語の「ブドウ」と似てるなーと思って、「ブドウ」の語源に思いをはせてみました。

ブドウはイタリア語、ポルトガル語、スペイン語でuvaと言い、ラテン語でもuvaでした。「ブドウの房」のことはvitisというみたいです。英語でいうvine(ヴァイン)ですね。

さて、日本語のブドウの語源ですが、ギリシャ語からきているというのを大学の日本語学概論の授業で聞いたことがあります。古代ギリシャ語でブドウは「ボトルス」と言い、中国に伝わって漢字で「葡萄」となったと言われています。

ギリシャ文字のβ(ベータ)の古代は[b]と発音しましたが、のちに[v]に変わりました。なので、「vitis」、「viticulture」ともつながりそうな感じもします。
ただ、vitisはvita(生命)と同じ語源と言われてるので、日本語の「ブドウ」とは語源が別のようです。

No title

すぐるさん、明けましておめでとうございます。

お返事遅れてすいません。

言語について詳しいですね。ラテン語から派生した言語は似た単語が多いですよね。フランスに来ていたスペイン人やイタリア人はわれわれよりも早くフランス語を習得していました。

コメントを頂いてから、いろいろな果物の語源をネットで調べてみるとなかなか興味深い発見があって勉強になりました。

今年もよろしく御願いします。

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